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ここから本文エリア 霧防止ネット故障／大分道の難所2010年09月21日
霧の難所として知られる大分自動車道の大分県別府市と同県日出町を通る総延長１１キロに設置された「防霧ネット」が故障し、３月から稼働していない。霧対策の切り札として整備された特殊な装置で、予算不足のため一度には修理できないという。秋の行楽シーズンは霧も出やすいが、全面復旧のめどは立っていない。（神��卓征） 日出ジャンクションや別府湾サービスエリア付近の大分道は別府湾の西奥に位置し、市街地を避けて山のふもとの標高４００メートルほどの所を走っている。別府湾を通ってきた暖かく湿った空気が山にぶつかって上昇する際に霧が発生しやすく、運転しにくい道路としてドライバーに知られてきた。視界が１５０メートル以下となる日数は、年間１００〜２００日にものぼる。 ◆「切り札」は故障相次ぐ 防霧ネットは２０００年ごろに整備された。高速道路の海側に高さ４〜１０メートルのポリエステル製ネットを船の帆のように張る。ネットに無数にある直径２ミリ程度の穴を霧が通ると、水滴になって消えてしまう。付近に設置した視程計が２５０メートル以下になると自動制御でワイヤが巻き上げられ、ネットが張られる。総工費は１３億円だった。 故障は昨年から相次ぐようになった。ウインチが壊れてネットを上げ下げできなくなったり、ネットが破れたりした。自動制御がうまく働かないこともあった。同じ所が何度も壊れ、修理費が数百万円とかさんできたため、管理者のネクスコ西日本大分高速道路事務所が稼働を中止した。 故障の原因調査の結果、５千万円前後の修理費がかかることがわかった。今年度の予算では一度に修理することは不可能だという。同事務所は「安全走行のための装置なので、できるだけ早く修理したい。特に霧の濃い場所から順番に修理していくしかない」と話している。 ネットの運用を止めていたこの半年間で霧による通行止めは１１回あった。これは０９年と０８年の同時期に比べて２回少ないが、同事務所は「今年は晴天が多かった」と説明する。ただ、ある警察関係者は「ネットの効果はあまり感じられない」と話している。 これから秋の行楽シーズンを迎え、大分道は湯布院や別府などの観光地周辺の通行量が増える。霧が発生しやすくなるのも、気温が下がって紅葉が鮮やかになってくるこのシーズンだ。異常気象に振り回された今年、どれほど濃霧に見舞われるかは「霧の中」だが、ドライバーはくれぐれもご注意を。
マイタウン大分
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