2010年9月21日11時12分
大阪地検の押収資料改ざん疑惑で会見する弘中惇一郎弁護士=21日午前8時53分、東京都千代田区、葛谷晋吾撮影
郵便不正事件で主任検事が証拠として押収したフロッピーディスク(FD)を改ざんした疑惑で、被告となった厚生労働省の村木厚子元局長(54)=一審・無罪判決=の主任弁護人を務める弘中惇一郎弁護士が21日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した。村木元局長がこの日朝、「検察はこの問題を主任検事一人の行動として片づけてほしくない」と話したことを明らかにした。
弘中弁護士も「検察の根幹を揺るがす大きな問題だ」と厳しく批判。今後、証拠隠滅容疑などで主任検事を刑事告発することも視野に対応を検討するという。
弘中弁護士は「検察側からの説明は一切ない」としたうえで、朝日新聞が報じた内容を前提に会見を進めた。「主任検事として事件をコントロールする立場の人がこういうことをしたのなら前代未聞だ」と指摘。「トカゲのしっぽ切りのようなことをせず、検察はこの問題を徹底的に調査し、しかるべき措置をとってもらいたい」と話した。
公判前整理手続きの段階で、検察側が問題のFDを証拠請求しなかったことについては「(起訴内容を裏付ける)一番重要な証拠なのに、なぜ証拠請求しないのかと不審に思っていた」と述べ、「主任検事が自ら改ざんしたのなら、『冤罪だ』とかなり以前から知っていたはずだ。そうだとしたら(証拠として出さなかった)当時の検察の対応はうなずける」との見解を示した。