【社説】民主労働党、裁判所の命令も無視するつもりか

 全国教職員労働組合(全教組)に所属する教師や、全国公務員労働組合(全公労)に加入する公務員ら136人が、国家・地方公務員法や政党法に違反し、民主労働党に加入して党費を納めたとされる事件の裁判で、ソウル中央地裁は今月18日、同党に対し、党員名簿の一部を提出するよう命じたが、同党はこれを拒否した。同党は記者会見で、「公党の党員名簿の提出は、情報の保護という観点から、深刻な基本権の侵害が懸念されるため、応じることはできない。ただし、裁判所の合理的な判断や、公正な判決のために協力すべき部分があるならば、協力していく」と述べた。

 裁判で争点となっているのは、被告人らが毎月、5000-2万ウォン(約370-1500円)もの金を口座自動振替で民労党の口座に入金していた目的だ。検察はこれを「党費だった」と主張する一方、被告人らは「党費ではなく、民労党の機関紙の購読料や、国会議員に対するカンパだった」と反論した。この争点について結論を出すためには、被告人らが民労党の党員なのか否かを確認する必要がある。政党法では、「党員」は「政党の名簿に記載された人物」と規定されている。このため、党員名簿を確認するという裁判所の決定は当然の措置だ。その上、裁判所は党員全員の名簿の提出を命じたのではなく、被告人に関する部分だけを提出するよう求めているだけに、個人情報の流出などを理由に挙げる民労党の主張には大義名分がない。

 民労党は今回の裁判所の命令だけでなく、捜査段階で党員名簿を確保しようとした警察・検察にも数回にわたって反発した。今年2月には、警察がサーバーの管理会社に対し家宅捜索を行ったが、党員の名簿などが含まれたパソコンのハードディスクはすでに持ち出されていた。また、今年4月には、検察が民労党本部に対する家宅捜索を行ったが、同党は一切協力しなかった。

 政党活動の自由は、憲法や政党法によって幅広く保障されているが、その自由の範囲はどこまでも法の枠の内側だ。民労党は、検察による起訴が間違っていると思うのであれば、裁判所の決定に従い、堂々と名簿の一部を公開すればよい。同党は政党法に基づいて設立・運営され、また政治資金法に基づき、国民からの税金を基にした国家補助金を受け取っている。このように民労党が、法律による数々の恩恵を受けていながら、法に基づく命令には従わないというのは矛盾している。法の枠の外へ出て、法律に基づく恩恵も受けないのか、あるいは法の恩恵を受けた上で、命令にも従うのか、民労党は選択すべきときだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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