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続発ゴルフ場カート事故 私有地扱い、対策は経営者任せ(1/2ページ)

2010年9月18日20時0分

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写真:死亡事故が起きたゴルフ場では事故後、注意して運転するよう呼びかける看板をカート乗り場にも掲げた=兵庫県三木市、小野写す死亡事故が起きたゴルフ場では事故後、注意して運転するよう呼びかける看板をカート乗り場にも掲げた=兵庫県三木市、小野写す

写真:8月に死亡事故が起きたカート道。下りのS字カーブを曲がりきれず、右の斜面に転落した。事故後、暫定的に転落防止のさくが設けられた=兵庫県三木市、小野写す8月に死亡事故が起きたカート道。下りのS字カーブを曲がりきれず、右の斜面に転落した。事故後、暫定的に転落防止のさくが設けられた=兵庫県三木市、小野写す

 全国各地のゴルフ場で、カート運転中の事故が相次いでいる。客が死亡するケースも起きているが、運転を規制する法令はなく、事故防止は業界やプレーヤーまかせとなっている。

 兵庫県三木市のゴルフ場で8月19日、カートがカーブを曲がりきれず斜面を転落、運転していた男性(65)が死亡し、同乗の男性(68)が両肩などにけがをした。今月6日には北海道ニセコ町で、コースを外れたカートが木に衝突、乗っていた70〜80代の客4人が重軽傷を負った。

 死亡事故があった三木市のゴルフ場を含め、40道府県で131カ所を経営する「パシフィック・ゴルフ・マネージメント」(東京)によると、昨年1年間で同社ゴルフ場で約400件のカート事故が起きたという。担当者は「会員の高齢化が進んでおり、特に年配の客による事故が増えている」と話す。

 大手損害保険会社によると、プレーヤーが加入する傷害保険の中で、ゴルフ場内の事故による支払件数は2005年に約1400件、約1億9千万円だったが、昨年は約2400件、約4億円まで急増した。保険加入者数は横ばいといい、同社は「カート事故の増加が支払い増の一因と考えられる」と指摘する。

 警察庁やゴルフ場を管轄する経済産業省、国土交通省によると、ゴルフ場は私有地扱いで道路交通法や道路法が適用されない。このためカートの運転には運転免許が不要で、飲酒運転をしても取り締まりの対象外だ。制限速度やカート道の幅員、カーブの角度などはすべてゴルフ場側が決め、国の統計も取られていない。両省の担当者は「事故防止策は経営者に任さざるを得ない状況」という。

 ゴルフ場経営者らの話では、実際、飲酒後に運転する人も後を絶たないという。

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