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フロッピーの日付、検察に都合よく 押収資料改ざん疑惑(1/2ページ)

2010年9月21日5時40分

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 厚生労働省の偽の証明書発行事件をめぐり、大阪地検特捜部の主任検事が証拠のフロッピーディスク(FD)を改ざんした疑いが明らかになった。「遊んでいるうちに書き換えてしまった」という検事の弁解に、弁護人は「ありえない」と不信感を募らす。検事はなぜ有罪無罪を左右しかねない行為をしたのか。

 検察捜査への信頼を揺るがす証拠の書き換えを行ったのは、今回の捜査を現場で指揮した主任検事(43)だった。厚生労働省元係長の上村(かみむら)勉被告(41)=虚偽有印公文書作成・同行使罪で公判中=のフロッピーディスク(FD)をいじった理由について地検の聴取に、上村被告がデータ改ざんをしていないか確認するためだったと説明している。

 しかし、上村被告の弁護人は20日、朝日新聞の取材に、「改ざんの有無を調べるのであれば、専門機関に鑑定を出すはずで、検察官個人が調べるなどあり得ない」と指摘する。さらに、正確なデータが書かれた特捜部の捜査報告書が公判で証拠採用されていなければ、同省元局長の村木厚子氏(54)=一審無罪=が「冤罪になった可能性が高い」と述べた。上村被告も弁護人を通じ「検察に対して恐怖心を覚える。こんなことが当たり前になると、誰でも逮捕されてしまうのではないでしょうか」とコメントした。

 記録改ざんの疑いが浮上しているFDの文書データは、上村被告が自称障害者団体「凛(りん)の会」(のちの白山会、東京)向けに作成した偽の証明書をFDに最終保存した日時だ。村木氏の公判に影響を与える重要な証拠で、FDは昨年5月26日、上村被告の自宅から押収された。FDの押収後に調べた特捜部の捜査報告書などによると、初めは「04年6月1日午前1時20分06秒」と記録されていた。

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