長調における基礎理論(順番=五度圏による順序での表記)
また見ていると不思議なことに気付くと思いますが、長調(メジャー)などと言いながら、実際に本当にメジャーになるのは「T」と「W」と「X」のみです。
長調なのに、なんと7音中4音はマイナー。。。だからメジャーである彼らにだけは「T:トニック W:サブドミナント X:ドミナント」という
【特別な名前】と【特別な役割】が与えられ、そして【優秀な部下】を「自分の代わりに使う権利」も持っている。。。と考えておきましょう。
なぜなら彼らはそれだけ特別な存在だからです。
【3人の重役(社長・専務・本部長)】と【その手足になる部下3人】+【ちょっと役立たずな社員が1人】を中心に、
【調性】という「会社の秩序」を守りながら働いている。。。みたいな、
そういう分かりやすい設定で利用制約と規則・ルールをまず素直に受け入れると次の音が確実に見えてきます。
長調は
グループ@「T TM7 T6 代理 Vm7 Ym7」の社長グループ
グループA「W WM7 W6 代理 Um7」の専務グループ
グループB「X7 役に立たない代理君 Zm7(♭5)」の本部長グループ
という「3つのグループでの連係プレーで会社を守っている」と安易に覚えておきましょう。
【社長であるTM7さんが忙しい時には、Vm7さんが社長の代わりを勤める・・・】
そういう風に覚えておけば代理コードによる進行を理解するのも苦ではありません。
ここで面白いのは「X」だけは「役に立つ代理がいない」のですね。全く無いよりはマシだけど余り使い物にならない。
だから「X」の役割は「彼にしか出来ないこと」になるので、彼にはその役割を簡単に変えてもらったり・放棄してもらったら困るわけです。
彼が「もう、こんな会社や〜めた。やってらんね(´Д`」・・・とか言い出したら、会社のグループ・連係プレーが一気に潰れるわけです。
だから「マイナースケール→ハーモニックマイナースケール」のような「会社の形を彼(X)に合わせて変える」ようなことまで起きるわけですね。
「誰にもマネできない優秀な手腕の持ち主」・「会社運営に直接関わる重要人物」という影の権力者的な立場が「X」です。
そして彼は相方に恵まれず(笑)常に全力で働かないといけないので、他の人と違って彼だけは手を抜く(3和音・6度使用)ということが許されず、
一瞬ミスを侵しそうになった時(sus4)以外は、常に「7th(X7)」の真剣一本勝負が彼の基本スタイルであり、彼の生き様なのだと覚えておきましょう。
見ての通り、調名と音階名と「#・♭」が調ごとに違う以外は、全く同じルールです。
主要和音をフルに使えば「TM7・Um7・Vm7・WM7・X7・Ym7・Zm7(♭5)」の7つの主要和音による構成。
そして「役割」も全て同じなので、上記の図と以下の説明を当て嵌めれば、基本的に調が幾ら変わっても大した問題ではありません。
これはどのようなスケールを覚える時にでも役に立つ考え方であり「T〜Z表記」の最大の特徴・利便性なので最大限有用に使いましょう。
異名同音程の答えの一例:
× F♭7→○ E7
× E#m7(♭5)→○ Fm7(♭5)
× E#m7→○ Fm7
× B#m7(♭5)→○ Cm7(♭5)
これらのように「F♭・E#・B#」という名称は
どの長調・短調の中にも存在しない音階名なので
「E・F・C」に置き換えるのが正解
さて、そんな彼らが連係プレーを行いながら紡いでいくのが、所謂「コード進行」と呼ばれるものです。
・・・そんな言い方をしたら難しく思えてくるので「上司と部下のやり取り〜部下の流れ作業〜仕事が終わるまで」と考えれば良いかも・・・(適当だな、オイ)
また「Um7=W6の代理」とか書いていますが、実際には「Um7=サブドミナントの代理」で結構です。
同じように「Vm7・Ym7=トニックの代理」。。。そして「7」を取り外した「3和音」でも代理は可能です。
※一部例外もあります。取り外した方が良い時も、取り外したら絶対にいけない時も・・・それは実践しながら覚えるしかないです。
基本的に「X」以外は和音構成の4つ目の音を取り外しても構いません。(「全部4和音」は、主にジャズ音楽でやることですので)
それでは彼らの活躍振りと「その動き」を見てみましょう。
終止形のコードの流れに関しては基本的なものを一通り書きましたが、曲を進行中のコードに関しては王道進行を除き
「これが正解」という決まったものがありませんし、「○○風の曲にはこのコード」などのように
「冬を連想させるコード」・「夏っぽいコード」・「失恋歌に最適なコード」・「楽しい中にも悲しさがあるコード」など、
歌のジャンル・背景の数だけコード進行が幾らでも存在しますので、ここではあえて割愛させて頂きます。
(いずれ、音楽理論内の別コーナーにて、コードばかりを書きまくろうとは考えておりますが先の話です・・・)
これは「コード進行帳」などの著書を見て「いま作っている曲に相応しいコード」をその場その場で組み合わせながら
自分で考えた方が得策です。そうじゃないと王道進行の無用な乱発のように音楽の形骸化を招いてしまいます。
また、それらの著書内での表記も、大抵は「key=C」の表記で書かれているものが多いと思いますので、
それをキチンと自分で「T〜Z表記」に置き換えて、完全にものにしてしまいましょう。
とりあえず、コード云々よりもダイアトニック表記・芸大表記に慣れてしまうのが、最終的に一番の近道になる方法です。
(理解せずに作ることは勿論可能ですが、それでは「マンネリ化・形骸化」するか「壁にぶつかる」・「安易な音ばかりを選ぶようになる」のがオチになります)