5回、左中間に2ランを放ち笘篠コーチ(左)とタッチをする和田(撮影・棚橋慶太)
「ヤクルト2-6中日」(19日、神宮)
息を潜め、ハンターは静かに待った。照準は定めた。狩りの腕には自信がある。間合いを計り、一気に突進した。100%のパワー全開。148キロ直球を一刀両断。敵のノド元をとらえた打球は、全力疾走を必要としなかった。中日の和田がこん身の一撃だ。
三回の先制35号ソロ。0ストライク3ボールから直球の一点張り。読み通りの球を狙い通りに仕留めた。「とにかく打つしかないという強い気持ちでいきました」。功を奏した積極策。五回には2打席連続の36号2ラン。ここにもベテランらしい味が隠れていた。
初球の直球には目もくれず、次のフォークをすくい上げた。自らの心を読ませなかったことが、相手の読みを惑わせ、計算を狂わせた。したたかな頭脳戦と心理戦を制し、堂々の勝ち名乗りだ。
連敗を止め、眼下の敵を再び2・5差と突き放した。20日に勝てば、CS進出が決まる。「僕らは優勝しか狙ってないんでね」。頭に描くのは、1着でゴールにたどり着くことだけ。残り7試合。視界の先で揺れる白いテープを目掛け、最後のひと踏ん張りだ。
(2010年9月19日)
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