河野王者へ会長が後押し　リング縮小し足封じ…２０日・ＷＢＣ世界Ｓフライ級王座決定戦

ＷＢＣ世界スーパーフライ級王座決定戦で対戦する河野（左）とロハス

　◆報知新聞社後援　プロボクシング・ダブル世界戦　▽ＷＢＣ世界スーパーフライ級王座決定戦　同級１位・河野公平―同級２位・トマス・ロハス（２０日、埼玉・さいたまコミュニティアリーナ）　王座決定戦に出場する河野公平は、得意の接近戦に持ち込むために狭めのリングでロハス撃破を目指す。

　まな弟子をどうにかして世界の頂点に立たせたい。アマのエリートだった内山と違い、練習生として入門した河野に対する渡辺会長の思いは強い。「河野はゼロからのスタート。内山とは違った意味でベルトを取らせたい」。そんな思いがリング縮小につながった。

　世界戦のリングの広さは規定の範囲内で主催者が決めることができる。ルールでは一辺の長さが５・４７メートル以上７・３１メートル以内で、通常、約６メートルとされている。しかし、今回は５０センチ短い約５・５メートルに。アウトボクシングを得意とするロハスが少しでも足を使えないようにと、同会長が主催者の権限を生かしてリングをやや小さくした。「ロハスはスピードがあって動く。リングが広いとつかまえられないが、狭いと捕らえられる」と説明した。

　河野も感謝の気持ちを忘れない。「勝てることができたら、会長への恩返しになる。何としてもベルトを取りたい」と宣言。苦しかった減量を乗り越え、前日計量をリミットの５２・１キロでパス。治療院を経営する父・豊蔵さんのマッサージも受けて体調は万全。支えてくれる人のためにも、ベルトをつかみ取る。