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[21187] 渡る世間は危険地帯(習作)Rー15指定
Name: マッチポンプさん◆7ecc4de2 ID:50cfc0ed
Date: 2010/09/14 21:00
一応ヘルシングを基本にしつつ色々な危険地に行く男の話です。
最初は俺最強の分類に入るキャラだったが、今は割とクリリンポジションを維持しています。
不定期連載物なので更新は割と作者の気分次第、ネタ全開(ヘルシングを基本に小ネタが続きます)
エロよりもグロイギャグが多い作品ですので、一応R15指定っす。



[21187] 第一話~死亡→転生→憑依→ただいま
Name: マッチポンプさん◆7ecc4de2 ID:50cfc0ed
Date: 2010/08/15 22:13

人の死亡原因は多数ある。
犬に驚いて車道に飛び込んで車に追突される。
ボインな婦警の怪力により頭を紅葉下ろしにされる。
敵のエンジン部にドリルで体当たりして吹き飛ぶ。
作者の都合でライバルが亡くなる。
それ以外にも死因は多々ある。
この男の24年の人生はいきなりの赤い髪のオカマ口調の男にチェンソーにより訳の分からないまま刺され終了してしまった。
体から魂が抜け・・俗に言う例の川を越えた先には大きな役所や銀行みたいな建物がたっていた。
東京ドームの倍以上に及ぶ面積店内と。そして椅子に座り何かを待つ人々がびっしりと店の中に存在した。
銀行職員みたいな七三分けの男にいきなり番号の書かれた紙を手渡され長い列の最後尾に座り込んだ。
すぐに別の七三分けの銀行職員風な格好の男に声をかけてられ。
銀行らしき施設に設けられた死神管理課の会議室に呼び出される。
座ると一杯のお茶とお菓子が出され、数分もしない内に責任者らしき人物が顔をボコボコにされた赤い髪の部下を引きずりながら現れた。
「死神派遣協会管理課のウィリアム・T・スピアーズです。この度は魂回収班のグレル・サトクリフの不始末によりご迷惑をおかけした事への謝罪に参りました。」
渡された名刺と共にいきなりの挨拶に男は驚いた。
「へっ?どうゆう事かな?」
「はい。死神派遣協会所属の死神が同姓同名を間違えて貴方を殺してしまいました。走馬灯劇場により判明した時には既に蘇生不可能となっています」
「そうですか・・」
いきなりの事実に男は少々困惑しつつも、渡された紙コップ入りのお茶を飲み少し気持ちを落ち着かせた。

「この死神協会としてはこのまま予定外の死人をダンテの門に連れていくのは協会の信用問題になります。」
ウィリアムから一枚の書類を差し出した書類に目を通した。
転生許可申請書・・“この者特例を許可する”渡し守カロン。裁判官ミーノス等見覚えがあるのような無いような名前とサインが書かれていた。
「転生先は完全に指定は出来ませんが。時代は現代に転生は可能です」
よくわからないが生き返れるとの申し出に男は二つ返事でそれを了承した。
しかし直ぐに彼はこの事を後悔したのだった。

“転生や憑依ってのはパソコンや携帯小説であるからスゲーよくわかる。だが現実に起こるってのはどういう事だああ~~っ!?フィクションな出来事が本当に起こるわけないのが当たりだ!!ナメやがってこの俺をこんな状況に追いやった神って奴に超イラつくぜぇ~~ッ!!現実におこなったらフィクションじゃねよ!!”
混乱する気持ちをよくわからない事にギレて騒ぐと何とか気持ちだけが落ち着いた。
地獄から現実に戻り、どこかの山奥の林にボロボロの服のままで寝そべっていた。
首をゴキゴキならしながら立ち上がると周囲を見回した。
散乱した荷物と壊れて燃え上がる小型飛行機。
身体の節々は痛みが少しあるものの特に異常は無い。
元の肉体よりも身長は少しでかく髪は元の黒髪とは違う銀色または灰色で手で触れる限りは得に顔に傷類はない。
周囲を見回し時間は分からないが周囲の暗さから夜だという事は分かったが、パチパチと燃える炎のみが周囲を照らしている。
飛行機の残骸のそばに散らばっていた箱にはえらく型が古いが新品同然な旧ドイツ軍が使っていた。
半自動式のモーゼルC96と軍用のナイフ。
それらを転がっていたリュックと小物が入る装備品ベルトに積めた。
ボロボロの上着の変わりの服を探すと。
ビニールに包まれた新品の灰色の制服が入っていたのが何故か上着には立派な鉤十字が入っていたが一応Tシャツとズボンを着用し。
上着の変わりに迷彩柄のコートを羽織り、山道を考えやや凹みがあるヘルメットを被り、
辺りに散乱した書類も適当に数枚拾い。
使えそうな装備をかき集めて背中に背負い、麓に降りる為に数時間も月明かりの照らす山道を歩き続ける。
少し進むと村を示す看板が掲げられていた村の名前はチェダース村。
「今夜は馬小屋でいいから屋内で休ませてもらえるかな」
男はそんな予想をたてたが見事にそれは切り崩れゆく。
村に向かう道を進む最中。
銃声と悲鳴。
そして何かを喰らう音と唸り声を聞こえ、まるでジョージ・A・ロメロが監督しているゾンビ映画みたいに警官が生きたまま腕を食いちぎられ。
クビを噛まれ血が飛び散る姿に思わず男は少し顔を背けたが、心に何かが妙に沸き立つ感覚が体内を支配しいつの間にか銃を引き抜くと警官だった肉塊に喰らいつくグールを撃ち込んだ。
月明かりがあるものの、闇夜の森で遺体にかじりつくグールの距離は150メートル。
特に問題なく次々にグールの頭がスイカみたいに吹き飛び破裂する。
身体が自然と動き空になった拳銃から予備弾に手をかけた時。
草むらより不意に一体のグールが襲い掛かるが。
慣れた手つきで飛び出してきたグールの足を払いのけ、勢いよく片腕で相手の頭を木に叩き込む。
グシャッと鼻か何かが潰れる音共にグールの頚椎におもっきり軍用ナイフを突き立てると一撃で文字通り屍に変わった。
転生又は憑依した肉体は緩慢な動きで近づくグールに遅れをとることなく。
次々と敵を始末していく途中。
絹を裂く女の声と拳銃の銃声が聞こえた。
「少しでも生きている奴の所に行ってみるか・・。」
残り弾数の心細いモーゼルC96に弾を込め直し、敵のいる森の中を突き進んだ。
戦う度に身体や足腰がゆっくりと軽くなり、足のスピードも速くなってくる。

異形の化け物に同僚が食われ。更には食われた同僚があの化け物の仲間に加わり近づいてくる。
生き残る為に恐怖で引き攣る足を必死に動かして進む内に何かが足を引っ張られてその場に倒れた。
振り向いて見ると足を食いちぎられた同じ警官隊の一人が腕だけで自分に近づいてくる。
「嫌、なんで、夢なら早く覚めて」
必死に足に纏わり付くグールを払いのけようとしている内に、一体また一体とセラスの前にノソノソとだがゆっくりわらわらとグール達が迫る。
必死になり拳銃で自分の足を掴むグールに撃ち込む。
しかし頭以外の急所に命中してもぴんぴんしながらゆっくりと唾液の糸を付いた口がセラスの身体に近づくが。木の枝がいきなり足を掴む警官だったグールの口からクビを貫き動かなくなり。
彼女の前に近づく数体のグールの頭が吹き飛ぶ。
唖然とするセラスの足を掴むグールの指を切り外してから立ち上がらせた。
「貴方は?」
「ただの厄介者さ。早く逃げんと吸血鬼が来るぞ」
そんなやり取りしていくうちに既に目の前にはグールの大群とチェダーズ村を地獄の一丁目に変えた張本人である神父の格好をした吸血鬼の男と共に別の場所からは違う殺意をみにまとった赤いマントの男が現れた。

「なんだ、貴様らは!」
その吸血鬼の問いに最初に口を開いたのは赤いマントの男である。
「俺の名はアーカード。特務機関ヘルシングの手先。そしてゴミ処理係だ」
「ゴミだと?ヘッ特務機関だと?その迷彩野郎もか?」
「いや俺はただのボランティア。ヘルシングなにがしってのは、あまり知らない。」
それは嘘・・アーカードとチェダーズ村とこの巨乳婦警を見た時にどこにきたのが俺には分かった。
昔読んだヘルシングの世界に来てしまったのだ。
「まあいい。その女をグールにする前に貴様らはここで死ね」
神父の格好をした吸血鬼が左腕を上に上げると同時に男は側にいたセラスを地面に伏せさせる。
それと同時に草むらから銃器を装備したグールの激しい銃声が平然と避ける気のないアーカードに浴びせられた。
銃声が収まるとアーカードの穴だらけの身体は地面に倒れ伏し肉体が辺りに飛び散る。
「そっそんな・・」
「後はボランティアの貴様だけだ。」
思わず婦警セラスの言葉が漏れると同時に吸血鬼の声が響く。
男はセラスを伏せさせながら身体を転がして近いにある大木を壁にし、モーゼル拳銃を向けて撃ち続けた。
「化け物は、化け物小屋に帰りやがれ。」
一発撃つ間に倍以上の射撃を受けながら諦めずに撃ち続けた。
10発中全弾がグールに直撃しているが、グールはその倍に及ぶ数で銃弾を浴びせてくる。
「無駄だ。諦めろ、諦めは幸福だ」
「諦めろ?化け物らしい言い分だ」
銃撃を加えつつ隙を見てナイフを吸血鬼の脳天に投げつけ深々と額に突き刺刺さったが平然とした顔で笑みを浮かべた。
「それで終わりか?さっさとさっきの奴に再会させてやる」
ヘヘと笑いながら神父服の吸血鬼はアーカードの遺体の方に目をやると。
先程まで倒れていた遺体が立ち上がり何事もない様にな姿に戻っていた。

「フフフ・・。圧倒的な数の前に“化け物は化け物小屋に帰れ”か中々面白い。後の処理は任せろ」
ニヤリッ笑う口元に光る犬歯と馬鹿デカイオートマチックの拳銃が月夜の光が移りこんだ。
「グール共、さっさと奴を殺せ!!」
グールに指示を出す吸血鬼はすぐにアーカードの使う454カスールの威力を知る事となる。
当たると先程の男が持っていた銃よりもグールの身体に深くデカイ傷が出来る。
ドンドン撃ち出す銃弾は一気に吸血鬼の生み出したグールを吹き飛ばしていく。
銃弾をぶっ放し空になったマガジンを地面に何本か投げ捨てた時にはグールのほとんどは全滅しさせていた。
「後は貴様だけだ」
すぐにアーカードの殺意が向けたが吸血鬼の方は額に刺さったナイフを引き抜き、伏せて隠れていた婦警セラスにナイフを突きつける。
「唯一の生存者を殺されたくはないだろう?人質と交換に俺の逃走を手伝え。目をつむるだけでもいい」
ナイフがセラスの首にゆっくりと当てられる。
焦る男とは裏腹にアーカードはゆっくりと銃口を犯人である吸血鬼の心臓部分に狙いをつける。
一応男もモーゼル拳銃を敵に向けながら大木の裏から顔を出した。

「おい、お前は処女か?」
「え?」
「はあ?」
問いの意味を知る男とその問いを出した本人以外は突然の問いに驚いた。
「へ?」
「処女かと聞いている」
「はい」
その問いにニヤリッと笑うアーカードは銃弾を吸血鬼と共にセラスに撃ち込んだ。
腹にデカイ穴が空いた瞬間、更にもう一発が吸血鬼の頭を撃ち抜き灰に変えた。
「まさか本当に撃つのかよ」
倒れたセラスの傷口を手持ちの布で男は押さえたが、ダラダラと流れる出血を止めるには効果はない。
「どうする。このままだと死ぬぞ」
「・・この女次第。おいまだ生きたいか?」
出血でゆっくり消え入る意識を保ちながらセラスは小さく“生きたい”と言いながら手を上に上げた。
「お前の選択だ」
その問いを聞いたアーカードはゆっくりとセラスの首の所を軽く噛む・・。
事件解決を確認した男は迷彩柄のコートにモーゼル拳銃を収めた。

「そういえば、貴様は何者だ?」
「ただの変わり者さ。」
全く殺気を向けない男だが警戒を解かず。
疲れて眠り込むセラスを男を軽く担ぎ上げる。
「少なくとも敵意はない。」
「・・まあいいだろう。貴様の名を聞いておこう」
「俺の名?俺の名は・・・ドリフターズだ」

死亡フラグを立てれば、即座に死が近い作品に来てしまった事を男はやや後悔していたが、それでも男はまだまだ死ぬつもりはなかった・・。
しかし原作知識はややあるものの、イレギュラーを加えた事で原作がどうなるかが気掛かりである。

心臓を撃たれたセラスはヘルシング機関に移籍され、ベットで休養。
ドリフターズを名乗った男は局長室の天井を見つめながらボソッと呟く。
「知らない天井だ」
男はあの事件後にヘルシング機関の屋敷に設けられた会議室に招かれ、面接と平行しての取り調べを受けた。
目の前にはギャリソン時田・ノーマン・バーグに匹敵するヘルシング家の最強執事のウォルター・クム・ドルネーズ。
そして背後には、MP5を構えた軽装の隊員が左右に控える。
「それで装備類はどこで手に入れた。」
既に走り書き的な地図と拾った書類や装備品は全て差し出し分かっている事は一応話した。
飛行機墜落で記憶が喪失(元の記憶が憑依した際に消失。)した事や残骸を拾い集めて下山した先に村があり、なし崩し的に協力した事。
ヘルシングと対立する意志がない事を精一杯説明した。
一応は敵意がない事は理解されたのかマーガレット・サッチャーやハマーンみたいな鉄の女であるインテグラ局長が会議室に現れた。しかもあのアーカード連れ。
正直かなり恐すぎる。マジでもうヤクザに絡まれたみたいで恐すぎる。
「でっ、貴様はどうするんだ。」
ハマーン様ならぬインテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング局長はプカプカと葉巻に火をつけながら尊大な態度で睨みつけてくる。
「ヘルシング機関に移籍したいのですが。」
「貴様、軍隊経験があるのか?」
「記憶が喪失していてわかりませんが、拳銃を撃つのと数十メートル先のグールの眉間を撃ち抜けました。」
「・・ドリフターズとはなんだ?」
「名前以外で何故か覚えている言葉がそれだけです。」
まさか黒のサファリ帽を被り、黒いYシャツにネクタイを締め、妙なワッペンを沢山貼ったジャケットの肥満な眼鏡男姿が世界の創造主が作り上げた新たな世界の言葉と言っても信じてもらえないだろう。
「ではまず貴様の力を試させてもらう」
インテグラ局長は男が座っている席の所にいつの間にか造ったパスポートと数万$分の紙幣と数枚のカードと共に数枚の書類の束を差し出した。
「貴様の名はジャック・ドリフターズ(仮)。イギリス出身の旅行者だ。これより東南アジアのインドシナ半島辺りに行ってもらう。もし成功すれば正式にヘルシング機関の在籍だ」
「(仮)って何ですか?」
「(笑)でも可能だ」
「(笑)は勘弁してください」
断る選択肢はない、もし断れば。
最強のアーカードと最強の執事と世界最強の女傑を相手にする事となる。

貴方はこの依頼受けますか?
はい←
だが断る

「喜んでやらせていただきます」

数日後・・インドシナ半島の某国の某港街。
“イエロー・フラッグ”と書かれた場末のバーでジャック・ドリフターズ(仮)はブラッティーマリーを飲み干した。
「観光客って面じゃねえな。仕事探しか?ここいらは海賊やマフィアの使いパシリくらいの仕事しかねえぜ。ホテルモスクワや暴力教会達に許可なしで商売やりゃあ、玉を吹き飛ばされてから魚の餌にされちまうぜ」
「そいつは怖いね。じゃあもう一杯同じ物を頼む」
「へいへい」
このイエロー・フラッグに入ってから妙な視線を感じる。
銀色の髪と緑色のコートは非常に目立つ。
酒場に入ったのは酒を飲む為ってゆうより、現地の情報収集を考えていた。
この任務は例のチェダーズ村の事件だけでなく、他の事件で回収された吸血鬼の遺体から謎の電子チップが発見され、この電子チップの一つが東南アジアの某国のこの地域で製作されたとの不確定な情報が入り、その為に彼が一応調査の為に送られた。
“おいバオ。そんな変な外国人とつるむより常連のアタイらにサービスしたらどうなんだ?”
「何が常連客だよ。お前らのおかげで何度俺の店が爆破されたんだよ。グラスと瓶を置いておくから勝手に飲め。」
マスターのバオは普通にポイっと常連客風なメンバーに差し出していく。
「彼らは?」
「あいつらは一応ここの常連客でラグーン商会って運び屋をやっている」
「そうか・・。」
電子チップが作られているとすれば、工場地区か住宅地区での密造か。
それとも作られた機材を運び屋が運んでいる可能性もある。
ラグーン商会。ホテルモスクワ。暴力教会か・・調べてみるか。
吸血鬼やグールが血を求めてうごめく大英帝国。
金を求めて悪党らがうごめくロアナプラ。
どちらも危ない事には変わりはない。
「さて、これからどうするか・・」
三杯の酒を飲みながら男はこれからの状況を考えた。



[21187] ロアナプラ編~銀髪の姉妹とホットパンツはお好き?(少し修正)
Name: マッチポンプさん◆7ecc4de2 ID:50cfc0ed
Date: 2010/08/23 05:39
「よう、そこの銀髪野郎。お前、ガキの飲むカクテルばっかり頼みやがって。アタシの酒が飲めないのか~」
妙に喧嘩腰な態度がかなり悪いホットパンツの女が酔っ払って絡んできた。
どうやらさっきのラグーン商会の社員の一人みたい。
悪酔い全開でラム酒の瓶を男の前に置くと。
左手で空のグラスをジャックの額にビシビシ当ててくる。
「あっ、こらぁレヴィ。他のお客さんに失礼じゃないか。」
ワイシャツを着たビジネスマン風の日本人がさっきまで絡んできた女を席の方に連れていった。
「すいません」
「いえ別に気にしてはいない。酒は人を酔わせる物です」
英語で言われた言葉をジャックは何故か日本語で返してしまう。
それを聞いたビジネスマン風な男は驚いていていた。
「日本人を見たらついつい日本語を使いたくなってね。よし、お嬢さんの酒をいただくかな」
やや苦笑いしながら、渡されたラム酒を瓶ごと飲み干し。
新しいラム酒を一杯を悪酔い気味のレヴィに渡すと彼女の何かに火が付いた。
「けっ、やるじゃないの。だがアタシはまだ飲める」
クイッとレヴィは渡されたラム酒のグラスを飲み干した。
「そうか。じゃあ久しぶりに少し飲んでみるかな」
「そうこなくっちゃ。ナメんなよ!銀髪野郎」
「俺は銀髪じゃない、ジャックって名前だよ」
「じゃあ酒の飲めないゲコゲコ野郎でない所をみせやがれ!このクソインポ野郎」
次に出されるラム酒を互いに、飲み返しながら何杯も飲んだ。
ジャックの体は射撃だけでなく酒も凄かった。
身体能力が人並み以上である故に、酒への耐性と肝臓の解毒作用ですぐにアルコールが分解される為に、酒には全く酔わず。
飲み比べをしていたレヴィが酔い潰れる。
酔いは少ないが酒の余韻は口に残る為に、ゆっくりとラム酒をグラスで楽しんでいる時である。
カラカラと店の出入口がドアが鳴る音が聞こえ。
何と無く目をゆっくりと来客に目がいった。
まるで空気の違う少女と少年が、ゆっくりと店に入ってくる。
血の脂。
血の臭い。
戦いの臭い。
そして何よりブラックラグーンに出てきたあの銀髪の姉弟である。
(原作って、例のロシアマフィアの店を襲うんじゃないのか?)
「おいレヴィさん、そしてロックさん。悪い知らせだ。」
「けっ、どうした?まさか敗北宣言か?」
「カウンター席の下か、テーブルの下に隠れた方がいい。とにかくこのままだとアルコール中毒じゃない死因で天に飛び立つ事になる」
酔いで判断力の鈍るレヴィと違いロックは何と無く。
あのぶっ飛びメイドや例のテロリストに会った時の危うさを感じとり。
レヴィを掴んでバオの制止も聞かずにカウンター席に飛び込んだ。
(確か原作ではキャリバー50までなら耐えられるって言ってから多分大丈夫だろう。)
少女は背中にしょっている可愛い布に包まれた袋を開くと。
少女は中からアメリカ軍の軽機関銃のBARではなく。
アメリカ軍使っていたブローニングM1919重機関銃を取りだし。
少年の方は両方に刃の付いた斧を取り出す。
「お姉様。そこのバーカウンターに飛び込んだ二人と。そこにいる銀髪のお兄さんが今回のターゲットね」
「そうね。彼らに天使を呼んであげるわ」
(オイィィ。ブローニングはブローニングでも軽機関銃のBARじゃなくて。重機関銃のキャリバー50かよ。チーズみたいに穴だらけになっちまうぜ)
マシンガンを構えて狙いを向けた瞬間。
必死の踏み込みで距離を詰め。
ジャックの足蹴りがマシンガンの銃口を蹴り上げ。
銃口は上に弾を反す。
弾道はイエロー・フラッグの天井に弾が飛んでいく。
突然の光景に固まっていたお客はテーブルの裏に隠れるか、窓から店の外に逃げていく。
「お兄さん、邪魔しないでくれる?」
少年がジャックの横腹に向けて斧を振り下ろしたが剣撃を片手で装備していた対怪物用のナイフを受け止める。
両手で叩き込まれながら何とかガチガチと受け止める。
「お兄さん、邪魔なんだけど。抵抗したら苦しいわよ」
「だから早く僕らに殺されてよ」
「好き好んで死にたい奴はいない。」
ガンと強い衝撃で先程までぶっ放していたグレーテルのマシンガンをティシュ箱の様に蹴り飛ばし砕き。
ナイフで斧と共にヘンゼルを弾き飛ばす。
「こらぁ~ガキ共。刃物や花火で遊ぶな。火遊びをやるのは悪ガキだけだ!!」
今までのターゲットと違い自分らを簡単に撃退した相手にその場に膝をついたままでぽかーんと座りこんでいた。
「悪ガキにはお仕置きが必要だな」
手をポキポキと鳴らしながらジャックが、近づいていく姿にあわわと慌てる二人組にゆっくりと近づく。
「とんでもない恥ずかしめだよ。姉様」
「今度会ったら絶対に殺しますわ。」
ヘンゼルとグレーテルは武器を失いひりひりと腫れて痛む尻を摩りながらほうほうのていで逃げ出していく。
「悪ガキにはな、古今東西。尻叩きと相場が決まっている。」
ジャックはヘンゼルとグレーテルの姉弟を武装解除した後に、店長や残った客の前で、姉弟の尻を20発ほど叩いた後に解放した。
「あのハッピートリガーみたいなガキ共を逃がしていいのか?」
悪ガキのお仕置き時間中に酔いが醒めたレヴィは逃げた客が、置いていった未開封のビールに口をつけていた。
「花火や刃物を振り回しただけのガキの仕置きの相場はあんなもんさ」
(少なくともターゲットを俺にしぼらせば、ホテルモスクワに手を出して死ぬ事もないだろう)
「それにしても貴方は一体何者なんだい?あんな二人組に囲まれながら平然としているし、ナイフを持っているし。」
「熊の解体も出来る護身用の頑丈なナイフさ。」
護身用ってのはけして嘘ではない。
熊用って部分には若干の嘘はあるが。
熊みたいな化け物が相手で、歯こぼれしないのは確かな事である。
「今日はどうするんだ。自称旅行客さんよ?あの銀髪のガキ共にあんたも含めてるんなら、あたしらと手を組まないか?」
原作にはない、ヘンゼルとグレーテルの襲撃をしのいだジャックの前にレヴィの提案に驚いた。
「それじゃあそうさせていただきますかな」



三人はイエロー・フラッグからラグーン商会の事務所に移り。
泥酔で事務所のベッドでスヤスヤと寝息をたてるレヴィ。
汚れたソファーの上に座り込み、ロックの煎れたコーヒーと共にロックが、ジャックの前に向かい合う。
出されたコーヒーはジャックが口に入れると、インスタント特有の苦味が口に広がる。
「酔い覚ましにどうぞ。しかし貴方は一体何者なんですかね?」
「このロアナプルに来た観光客さ。まあ色々観光地を見て回るだけでなく、見学もしに来たのさ。後はその観光地と状況次第さ」
ゆったりした状態でも、互いに腹の探り合いとなる。
「ここラグーン商会の社長は留守かな?」
「ダッチの事かな?今日は留守。」
「留守か・・。」
湯気の立つコーヒーに口をつける。
「ロックにレヴィ。帰ってきたのか?」
やや無精ヒゲをジャリジャリとしながら、白人のプログラマー的な格好の男が事務所の奥から出てきた。
「ベニー。ちょっとした事でね知り合いになったもんで、お茶をご馳走した所さ」
「どうも、ロアナプラの観光客ジャック・ドリフターズと言います」
「こりゃあ、どうも」
日本人みたいに軽く頭を下げた姿に、少々困惑しながらベニーも頭を下げた。
ベニーはこのジャック・ドリフターズの見た目が一応同じ白人に思えたが、同じユダヤ系とは違うヨーロッパ系に見えた。
しかし何故ロックみたいな東洋人的な物腰である所が。
実に不思議な人物。
そして、ロアナプラに珍しい天然記念物的な良い奴に思える。
だが一方で、レヴィやダッチみたいなガンマン的な感じもする。
ベニーから見て実に不思議に思える人物である。
本人が観光客と言いながらもあまり観光客っぽくはない。
多分何かの目的で来たんだろう。
ベニーには何と無くそう感じたが少し話をしていく内にジャックはラグーン商会のソファーに寝転び泊まっていく事となった。
そして。
「おい、ベニーボーイ。それにロック。そこに寝てるのは客か?」
「客は客でも運び屋の客ってゆうより客人って客さ」
「失礼しまった。ラグーン商会のダッチさんですね。」
「そうだが、まさか仕事か?」
「仕事と言いますか、世間話です。ここいらに関係ある世間話。実は私は観光客ではないですよ」
(それは分かるから)
ロックとベニーは心の中でツッコミを入れる。
「何故か最近金の回りが良くなって。現有勢力を怖がらなくなった奴はいないか?」
ダッチ曰く。
ロアナプラの現有の最大勢力は大体4つほどある。
ホテル・モスクワ~ロシアン・マフィア系の組織。
タイ支部の頭目を任されている大幹部のバラライカは元ソ連軍特殊部隊出身。
顔には拷問による火傷の跡がある為にフライフェイスとも呼ばれている。
三合会“さんごうかい”
香港系の国際マフィア。
張維新がボスを勤めている組織。
ヴェロッキオファミリー。
イタリアン・マフィア。
ボスはヴェロッキオ。
マニサレラ・カルテル
コロンビアマフィア。
アブレーゴってのは。
ロアナプラに存在するコロンビアマフィア“マニサレラ・カルテル”
タイ支部のボス。
マフィア組織ではないが。
悪党に恐れられている暴力教会ってリップオフ教会がある。
表向きは普通の教会だが。
裏ではロアナプラで唯一武器の手配屋をやっている。
「現有勢力を無視して金儲けなんてしたら今頃は足に重しを付けて海にダイブか。例の始末屋にミンチかバラバラにされて魚やカモメ連中の糞に変わるだけだが、そういえばあの野郎はバラライカに弾かれているってのに、かなり羽振りが良くなっている。それに数日前にこんな事を言ってやがる」

それは数日前のロアナプラ市内での出来事である。
ダッチはジャックに聞く前にいつもの様に電話ボックスから特定の口座に幾らかのお金を振り込む電話をしていた時である。例のチンの車が近づいてきた。
“ようダッチ景気はいいか?”
“まあまあだ。”
“そうかい、俺はスゲエ景気いいぜ。あのイワンのスカーフェイスビッチにペコペコする必要はないぜ”
“おいチン。商売相手とは言ってもバラライカの悪口を大声で言ってれば。本人にケツをローストされるぞ”
“ビッチに気をつかう気はないぜ。じゃあな”


「そうか・・情報の対価はこれでどうかな?」
500ドルをダッチに渡した。
「・・お前、随分と羽振りがいいな」
「ちょっとした情報でも今は貴重でしてね」
「密輸をやる同業者の小悪党の中に、チンって野郎が最近金回りが良くなって、それに最近はルアクって輸送船団を引いている連中とも最近手を組んでいやがる。」
(チンって確か、バラライカにC4爆弾を点けられてアポロ並にぶっ飛で爆死した奴だな。後はルアクってのも輸送船団を扱う小悪党だったな)
「そんじゃあ、ありがとうさん。俺はそっから調べさせてもらうかな」
「ちょっと待ちな銀髪。その調査やらを協力してやるよ」
数時間前まで泥酔していたレヴィが起きてきた。
「やあおはよう。」
「やあおはようじゃない。外から来た奴にロアナプルの奴がホイホイ教えてくれる訳はねえよ。幾らまでなら出せる?」
(断る→“あっそうかいじゃあ死ね”→バッドエンド→タイガー道場行き。なら断る必要はないか・・それにラグーン商会の協力を得ればホテルモスクワや他の組織にも接触しやすい)
「前金が5000ドル。成功報酬は5万ドルでどうかな?」
「どうするダッチ。あたしはやるよ。」
「あのチンの動きに迷惑している連中はゴマンといる。少なくとも各勢力で色々借りが作れる」
ニヤリッと笑うダッチの顔と共にラグーン商会の依頼が始まった。
「さて、早速チンの野郎とロアクを締め上げようか」



[21187] 番外編・ロアナプラの某所のネオナチと隠し砦の三オタク
Name: マッチポンプさん◆7ecc4de2 ID:50cfc0ed
Date: 2010/08/30 02:12

ここはロアナプラでも噂になりつつある電子チップ生産工場である。
何の目的で作られているかはわからない、謎の電子チップを昼夜作り続けている。
この工場の管理を任されているのはラッチマンは白人社会主義団結党と呼ばれるネオナチ組織の団長である。
彼の目の前に、ある日現れたシュレディンガー准尉と称する少年の主の命令で、ここの工場の警備と管理を任された。

「これが代行様にお渡し予定の量が書かれた書類です。特使シュレディンガー准尉殿」
「ラッチマン団長さん。予定通りの分は出来ているみたいだね。これで総統代行殿もお喜びなられます」
ヒトラーユーゲントの服装をした少年が、ピコピコと猫耳を動かす。
その側に深々と男は頭を下げた。

「代行殿にここでの功績が認められたら。ラッチマン団長さんに永遠の命と白人社会主義団結党(ネオナチ)に今以上の援助を約束します~」
「ありがとうございます。」

深々と少年に頭を下げたラッチマンが、頭を上げた瞬間に先ほどまでいた少年は姿形が消えていた。

「また消えた?やはりあれが例のニンジャって奴か?」

それはまるで最初から存在しないみたいだが、渡した書類は確かに無くなり。
代わりに運用資金の振り込まれる口座にそれなりの額が振り込まれている。
少年が総統代行に確かに連絡が送られている事は分かった。

「我が白人社会主義団結党の為に今以上の成果を上げねばならぬな。」
「フフフ。我々第4帝国の力は世界一ィィィイイ!!ですね団長殿」
行動隊長のブリッツ・スタンフォードはミレニアム機関から譲渡された“ブルムベア”と呼ばれる特殊な強化装甲服を着て笑みながらベラベラと話し始めた。
「そもそもこの強化装甲服ブルムベアはあの屈辱の敗北から虎視眈々とチャンスを待つ第4帝国が開発した強化装甲服!!前面装甲は105ミリ溜弾の直撃に耐え。側面でもイワン共が使うRPG7やヤンキーの使うM240・7.62mm機関弾を弾き。背面ですら5.56ミリ弾や7.62ミリ弾も至近距離で撃たねば一発も貫通はしない~!!!まさにブルムベアは最強の歩兵用の兵器であ~る!!!」
「全く騒がしい奴だな」
ラッチマンは変に熱い部下の言葉にやや呆れていた。

白人社会主義団結党の連中に管理された工場は作業員を交代させつつ。
24時間(機械のメンテナンス時間を除き)も機械を止めずに稼動させつ続けていく。
箱詰めされた電子チップはルアクの輸送船団が輸送。
そして輸送した電子チップを更にチンが所定の場所に運び料金を貰う。
そのやり方で電子チップの生産による利益がうなぎ登りになっていく。
ロアナプラの暗い夜道をニヤつきながらシュレディンガー准尉は歩きながら衛星電話を取り出して電話をかけた。
「少佐~どうやら、ここにはすでにヘルシングの奴らが嗅ぎ付けてきたみたいです~。そろそろ例の破棄をしてしまいませんか?」
“准尉。証拠を消す準備は出来ているが、残りの廃棄物の始末はヘルシングと原住民の連中に任せる事にしよう。”
「そうですか、わかりました。後一つ面白い事があります。あのイギリスで行方不明になっていた猟犬の奴がみつかりました。」
“ほう・・それは廃棄物が処分されるより面白い”
「それでは切ります。」
“報告を期待しているぞ准尉”
電話を切った瞬間にシュレディンガー准尉の頭が風を裂く様な音と共に吹き飛んだ。
「変な観光客だぜ。」
「まあいい、懐を調べるか・・」
シュレディンガー准尉の頭を吹き飛ばしたのは、ただのしがない小悪党な二人組である。
だが二人組がシュレディンガーの屍に手をかけようとした瞬間。
死体は元からなかったかのように消えていた。
「消えただと?」
「そんなどこに?」
二人組が辺りを見回していると、目の前に先程殺したハズの少年がニヤニヤと笑いながら立っていた。
「お探しは僕の事かな?」
「確かに頭を撃ち抜いたハズ」
「今度こそ死ね!!」
小悪党が拳銃を構えたが、先程まで小悪党な持っていた拳銃はいつの間にか少年の手の中に収まっていた。
それはまるで最初から少年の持ち物のように。
「へえ~おじさんの拳銃はコルトガバメントM1911A1か~ハハハ。」
軽く笑いながらまるで極々普通に自分の頭を一度撃ち抜いた小悪党の二人組の眉間や心臓を正確に撃ち抜いた。
「はあ~おもしろくないな~相手が弱すぎる~殺し甲斐がなさすぎる。早く猟犬の実力を確かめてみたいな~」
興味が失せた拳銃をおもちゃの様に投げ捨てて歩いていく少年の姿はゆっくりと陽炎の様に消えていった。



隠し砦の三オタク。

“――問おう。貴方が、私のマスターか”
ミレニアム南米基地の大型スクリーンに映る騎士の少女と少年が出会うシーンをじっくりと見る三人の姿がある。
総統代行と呼ばれた少佐。人体実験担当のドク。
そして人狼の大尉。
「・・准尉がこちらに戻る前にアキバに寄って貰おう」
「代行殿。私も准尉に頼みたい物が。」
ピキーンと某ニュータイプ的な閃きが少佐の脳裏を過ぎった。
「ドク・・セイバーは私の嫁だ」
「いえ代行殿。それは代行殿でもセイバーは渡せません」
「セイバーは俺の物だ!」
「いえ、セイバーは私の嫁だ」
博士と少佐がセイバーの嫁の座を巡りもみ合いになる中で。
大尉は自分の嫁であるキャスターのイラストを見てウキウキしている。



[21187] 出会いは突然~恋ではなく悪い方の出会い。(少し修正)
Name: マッチポンプさん◆7ecc4de2 ID:50cfc0ed
Date: 2010/08/30 23:07

ダッチの紹介で一応ホテルモスクワに呼ばれたジャックだったが。
“あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
俺はチンやルアクの奴らの情報を調べていた思ったら。
いつの間にか無数のロシアマフィアに囲まれて一室に押し込まれた。
何を言っているのかわからねーと思うが。
俺も何が起こってこうなったのかわからなかった。
頭がどうにかなりそうだった。
いきなりの超体験に恐怖している”
正直な所。
ジャック・ドリフターズ(レヴィが名付けた名前は銀髪)は時を止める吸血鬼と戦うフランス人の男の気分になっている。

事務所の奥に呼ばれた途端に10丁ほどの銃口が彼を向かえた。
「すまないが武器を預からせてもらうぞ。良いかな?」
ジャック所持武器は。
ヘルシングの世界に憑依した時に最初に拾った武器をヘルシング本部で改造してもらったモーゼルC96改。
対怪物用の純銀製の法儀礼済みの特殊弾頭の入ったマガジン数本。
双子の片割れの斧を防いだ時に使用した同じく法儀礼済みの対怪物用に特殊加工が施された大型のナイフ。
もう一丁の対怪物用にヘルシング機関から支給されたマテリアルライフルの13ミリ改造弾を使用する。
対怪物用特殊拳銃“トルーパー”はラグーン商会に置いてきた。
威力と反動の強い大口径の対物ライフルを拳銃にした様な“トルーパー”は普通の人間は持てず。
敵は狙えず。
例え撃てても。
2発で引き金を引いた相手の肩が壊れるシロモノ。
そして例え盗んでもガラクタとあまり変わらない。
持ち主以外ではアーカードが使えみたいだが。
アーカード曰く“私の向きの銃ではない”との事。
変な威嚇にならないように置いてきたのだが。
自分の前にいるウィィィな吸血鬼よりも。
怖いホテルモスクワのバラライカが目の前にいる。

「チンとルアクが最近目につき始めてはいる。」
ロアナプラのホテルモスクワのシマの飲食店や港の一部に手を出して始めた。
「しかしダッチの紹介でも。得体の知れない者に肩入れは出来ない」
ジャックが渡したナイフをバラライカは興味深く眺めた。
「切れ味と強度が尋常じゃないな軍曹」
「はい、マチェット型のナイフと思われますが。我々の所有しているマチェット型のナイフが逆に斬れました。刃こぼれもない・・これならば恐らく人を斬れます大尉。それにこのモーゼルもしっかりとした改造がされています」
「そうか・・やはり貴様はどこの手の者だ?」
大尉の言葉と共にボリス軍曹の懐からも、ロシア製のスチェッキン・マシンピストルが向けられた。
「私はただの観光客です。バラライカさん」
その問いにジャックの足元の床に無数の銃穴が開く。
「Mr.ジャック・ドリフターズ。私はそんな問いは聞いていない。もう一度聞く・・貴様は何者だ!」
バラライカからも軍曹と同型のスチェッキン・マシンピストル引き抜いていた。
「わかりました。私の正体は・・」
“ミ・ミ・ミ・ミラクル・ミックルンルン・・”
そう言いかけた時である。
某アニメの導入歌の着メロ音が響いた。
「すいません、バラライカさん。少し電話出てよいでしょうか?」
「好きにしろ」
電話に出ると聞き覚えのある自分の上司の声が電話から聞こえた。
“おい、あれからどうなっているんだジャック?”
「すんません。今ホテルモスクワってロシアマフィアに囲まれています。返答次第では脚にコンクリートを付けて海にダイブか、射的の的にされます。」
“吸血鬼ほどの力がある貴様にしては随分と弱気だな”
「はい。今いる方々は多分撃退可能です。しかし例の組織調査どころか。現地組織から狙われて調査どころの話ではなくなります」
“大丈夫だ。とにかくボスに電話をまわせ”
「すいません、うちの上司からお電話です」
おそるおそるジャックは携帯電話をバラライカに差し出した。
「よしわかった。」
電話を受け取ったバラライカの電話の先の相手に驚いた。
“お久しぶりですね。ソーフィヤ・イリーノスカヤ・パブロヴナ、いやソフィヤ姉さん。”
「ほう~インテグラのお嬢ちゃんか、プリピャチの事件以来ね。商売は上々かい?」
“上々でないのが一番な稼業が忙しい位さ。それより昔馴染みのお願いとしてと、ゆうよりもビジネスマンとしてお願いしたい”
「フフフ・・インテグラお嬢ちゃんのお願いなら聞いてあげるしかないね」
“協力を感謝します。プリピャチの時と同様に報酬はスイス銀行に振り込む”
インテグラがホテルモスクワに依頼した内容は、現地調査員への情報協力。
そしてその支援である。
報酬は相当の額が振り込まれる事なり。
ジャックは銃口から解放される事となるが。
その後何故かボスのバラライカ。
構成員のサハロフ。
メニショフ。
腹心のボリス軍曹。
4人に連れられて地下の訓練室の様な部屋に連れてこられた。
「インテグラお嬢ちゃんのお願いは聞いたが、少しうちのボリス軍曹と手合わせを願おう。いいかな軍曹?それにジャック」
「異存ありません」
(これも協力を受ける為だ。仕方ないか)
「わかりました。しかし互いの体を考えて素手でお願いします。」
提案は直ぐに了承された。
(吸血鬼と同様か、それに近い体力と腕力ならば、コンクリートを素手で豆腐みたいに潰せるって事だから。やはりあれしかない)
「坊やがヘルシング機関のエージェントなら。うちのボリス軍曹はこのロアナプラ最強の軍曹よ」
マーシャルアーツの構えで近づく相手に。
ジャックは奇妙な構えのままで相手にデコピンを叩きつける。
「ボリス軍曹さん。俺は東洋秘技のカラーテの一つ、デコピンで戦います」
予想外の攻撃と予想外の威力に、軍曹の意識が少し削がれかけながらも。
何とか両足でふらつく体を支えた。
しかし体の震えが収まるより早く。
二発目のデコピン。
そして三発目のデコピンをボリス軍曹の顔面に連続して叩き込んだ。
「はっ早い。それにただのデコピンで頭がクラクラします、大尉。これが東洋秘技カラーテなのか?」
ハアハアと肩で息をしながらボリス軍曹は辛うじて、倒れずに踏み止まった。
「東洋秘技のカラーテとやらはよくわからないが、同志軍曹をヨロヨロにしたのは貴様が初めてだ。」
「私は東洋秘技、カラーテの中でもクロオビクラスです」
まさか自分は吸血鬼と同格の化け物だから強いです。
と説明は出来ない為に適当に東洋秘技をでっちあげた。
「見事だ。機会があればその東洋秘技のカラーテとやらを我が部下達に伝授してもらえるかな?」
「カラーテは一日や二日で覚えれる秘技ではありませんが、今度機会があれば他の技もお教えします」
「そうか、それは残念だ」
(東洋秘技カラーテか・・東洋人のロックに聞いてみるか)
後日バラライカはロックから聞いたカラーテならぬ空手を胴着を着て遊撃隊の部下と行う事となるが。
特に本筋とは関係はなく。
少しだけ遊撃隊のメンバーの拳筋が素早くなったとかならなかったとか。
何とかホテルモスクワの送りの車からラグーン商会に戻るとヘトヘトになりながら、事務所に座り込んだ。
「どうやら始末屋ソーヤにミンチにされたり。ドラム缶にコンクリート詰めて沈められずに済んだみたいだなジャック」
疲れたジャックをニヤニヤと笑うレヴィに迎えられたのはゆうまでもない。
「生きた心地はしない。まるで肉屋に連れて来られた豚の気分だ」



[21187] 前菜は海賊狩り
Name: マッチポンプさん◆7ecc4de2 ID:50cfc0ed
Date: 2010/09/04 22:02
「おい、ジャック!ホテルモスクワからの情報だ。」

一枚のファックス用紙と共に情報が入ってきた。
「無茶苦茶早いよ全く。珈琲を飲む暇もない」
出されていたカップを一気に飲み干すと送られてきたファックス用紙に目を通す。
銃口を向けられたり、デコピンをボリス軍曹に叩き込んでから、まだ数時間しか経っていない。
「チンの野郎やルアクの連中が金に糸目を付けず。大々的にあっちこちの縄張りを荒らし回っている。そんで三合会やホテルモスクワが手を組んで。チン達の襲撃の為に下調べをしていたんだが。結局、火中の栗を拾いにきた奴に任せるって事だ。貧乏くじを引いたもんだな。ジャック」
「貧乏くじはあたしらも一緒さ。依頼された以上、依頼完遂はあたしのモットー。だからあたいらも火に手を突っ込む馬鹿達の一人さ。まあその馬鹿を送り込んだボスの顔をみてみたいもんだ。」
ひゃははと笑いながらレヴィは口にくわえたタバコに火を着けながら、暇そうに愛用の二丁拳銃を磨く姿を珍しげにジャックは眺めた。
「ベレッタの改造銃さ。あんたの得物は何だ?」
「とりあえずこの拳銃と、このナイフだけど、どうかな?」
着ていた上着の裏をジャックはレヴィ達に見せた。
それは拳銃と言うにはあまりにも大きく。
大きくぶ厚く重く長くそして大雑把すぎる。
それはまさに武器である。
「すごく。大きいです」
「確かにデカイ」
「黒光りでそそり立つ位デケエな」
「その長いのは確か、モーゼルC96。その拳銃は初めてみるよ。どんな拳銃なんだい?熊も撃てば殺せそうだ」
ベニーがマジマジと眺める為。
ジャックは対怪物用の拳銃から一応弾を抜いてからベニーとロックに差し出した。
「片手で持てば肩が外れるから、二人で持つ事をオススメするよ」
ゆっくりとジャックから拳銃を渡されたベニーとロックの二人があまりの重さよろめいた。
「弾が未装填でもかなりの重さになる。」
「重!」
「パソコンのモニターを担いだ気分。しかし二人掛かりでも重い」
フラフラする二人から重い拳銃を普通に掴むと懐にある特製のホルスターにしまい込んだ。
「弾装填済みで約15キロ。よほどの変態でない限り扱えないシロモノさ」
「得物も分かった事だし。そろそろデカイケツを上げる頃だ。ジャック。悪いがあんたも来てもらえるか?」
「もちろん、そうさせてもらうよ。後現場の指揮や段取りはダッチ、あなたにお願いする」
正直な所、憑依した体は戦士。頭脳はオタクな自分では、仲間を守り、ボスの娘を守りきった某イタリアマフィアの幹部な事をやる自信がない。
「依頼人は一応ジャックだが。その方がやりやすい。ベニーとロックは船から情報支援。残りは突入班だ。」

それから数時間~。
事務所から揺れるラグーン商会の船内でジャックはホテルモスクワから送られた情報を読み返した。
売人らを締め上げ。水攻めや自白剤により得た情報は、目的地の秘密工場はロアナプラ郊外に位置し、
陸路は使えず。
海路から秘密工場の港に近づく以外に道は無かった。
そしてチンやルアクの連中以外にも変なメカを操るネオナチみたいな集団が工場を護衛しているとの情報である。
「無謀だが、やらないと後が怖い」
読み返したファックスを畳み懐に入れると。持って来ていたコートに羽織ったが、いきなり船内が揺れだし、
急ぎ操縦室に飛び込んだ。
レーダーを見つめながら船のハンドルを握るダッチ。
ひっくり返っているロック。
そしていつものギラギラとした目のレヴィ。
三人の無事を確かめていた辺りで船のスピーカーより通信が響いた。
“良いニュースと悪いニュースだダッチ。”
「分かっている。一つはルアクの船団を見つけた事。悪いニュースはその船団がこちらに近づいている事だろう?」
“当たり。”

敵の船団は12隻。
6隻別れて左右からラグーン号に近づいてくる。
「当たりたくもないぜ」
「どうやら銀髪さんよ、奴らは素直に行かせてくれないみたいだ」
「だったら簡単、ラグーン商会の歓迎のしたかたで歓迎してやるだけさ」
「銀髪のクセにこっちの流儀が分かっているみたいだ。ジャック」
「ダンスの始まりだ!」
二人が操縦室から船の甲板に出る頃にはジャックはレヴィの余波で戦士の血が沸き上がっていた。

「「ショータイム!!」」

左右から挟み撃ちをかけようと機関銃を構えていた武装商船の船員は半ばア然としていた。
一隻はレヴィのグレーネード・ランチャーの弾頭で船が傾き。
そしてア然としていた船員のいる船には、オリンピックの高跳びのごとく男が飛び込んだ。
直ぐに銃口を男に向ける暇もなく。
機関銃を構えていた男の視界はいきなり左右に三分割され、数秒で頭がバラバラに切れ。
他の船員は男の持っている。
対怪物用拳銃の“プレデター”から撃ち出された13ミリ弾の直撃よるエンジンの爆発で海に投げ出される。
閃光と共に吹き飛ぶ前に、
男は敵の船から奪った機関銃で。
隊列を組む武装船の上空から機関銃弾を浴びせて2隻目を沈めていく。

「何あの化け物達は!?」
レヴィもある程度飛び越えられる距離に近づいてきた敵の武装船に飛び乗りながら敵を蹴散らす。
ジャックの担いだ機関銃を撃ち込まれてボロボロの船に数発の銃弾を撃ち込み船を葬っていく。
空になった機関銃を海に投げ捨てると。
弾切れの“プレデター”をしまい。
代わりにモーゼルC96をコートから出した。
AK47やM16を構えて乱射する敵の乗る三隻目の船は飛び込み無数の弾丸が迫ってくる。
しかし妙な感覚がジャックを包み込む。
それは先程まで捉えきれない弾丸が、まるでゆっくりとふわふわと浮かんで見えた。
ゆっくりと浮かぶのは、
銃弾だけでなく敵の動きも同様に鈍くなっている。
サッと敵の後ろに飛び込むと、対怪物用のナイフで次々と相手の肉体を切り裂き。
モーゼルC96で相手の心臓に向けて銃弾を撃ち
直ぐに次の船に飛び込む。
無人となった船が船列に突っ込み追突していく。
無我夢中で船団を沈めてラグーン号に飛び乗った時には、ルアクを除きほとんどの船が海に沈んだ。
「俺の12隻の船団が全滅・・30分経たずにか・・撤退!撤退!あんな奴らに関わってられるか」
ルアクの乗る船が舵を切り逃げ出そうとするが例外は無く。
「今更遅いだよタコ」
ポンと弾ける音と共に、ルアクは船と共にレヴィの手で葬られた。
かっこよく決めてるレヴィの後ろでジャックはラグーン号に戻ってから船酔いの様な症状になり海にゲーゲー吐き出していた。
「銀髪!船にゲロをつけたらぶっ飛ばす!」
「すいません。」
朝食った食い物が口から流れ出た。
「何か船同士が追突して自滅したのはラッキーだな」
「レヴィの動きで多分混乱したんですよ」
(あのさっきの感覚は一体?昔やった西部劇の主人公が使う技みたいな感覚・・まさかスタンド攻撃!ってのは流石にないだろうな)
使用方法は分からない。
ただ、この肉体は何らかの特殊能力がある事は分かる。
そんな事を考えながら。
ルアクの船団を藻屑に変えてからゆっくりと秘密工場に向け。
ザワザワなエトワープ号・・ならぬラグーン号は舵を向けた。

キャラ紹介。

特別出演。
死神派遣協会管理課のウィリアム・T・スピアーズ

高枝切りハサミで魂を刈る七三な管理職。

魂回収班のグレル・サトクリフ
オカマ口調で中がルルーシュなオカマ。
主人公は彼の誤殺から話が始まる。

山守義雄
“いいケツしてんな~”
広島の山守組組長。

一応主人公な人物。
ジャック・ドリフターズ
憑依前は一応日本人でオタク。
憑依して新しい肉体を入手する。
何の肉体か分からないが、吸血鬼並の身体能力はあるが陽射しに当たっても灰にならないので吸血鬼ではない。



[21187] 潜入には段ボール着用~ブラックラグーン編~完
Name: マッチポンプ◆5eb824ef ID:1116c2b5
Date: 2010/09/11 09:38
「こちら蛇・・聞こえるかオタ・・いやベニー」
「聞こえているよ、蛇」
「小型の通信装置と防水加工の段ボールが役に立っている」
「現在地は?」
「工場の資材置場に到着。中心部に潜入したら合図を送る」
「了解」
ジャックが段ボールを選んだ理由は前世の世界。
近所に住んでいた蛇爺さんの事を思い出したからである。

老人曰く
“ダンボール箱は敵の目を欺く最高の偽装と言える。
潜入任務スニーキングミッションの必需品”
老人曰く
“ダンボール箱をいかに使いこなすかが、任務の成否を決定する”
老人曰く
“ダンボール箱に命を救われたという工作員は古来より数知れない”
そんな変な格言以外にも、かくれんぼ。
格闘の組み手。
そして段ボールの使用方法等を伝授してくれた。
まあ近所では変人と言われていたが、
その昔の蛇爺さんの忠告を思い出し。
ラグーン号が荷物運びに使用する防水段ボールを被っていくと。
何故か怪しむ奴は皆無い。
まさか段ボールで入り込む変な奴はいないと思う心理なのかも知れない。
資材置場からチップ生産ラインから作りかけのチップと完成品と金庫から設計図の一部をゲットしたまではよかった。
“発電所を爆発して、レヴィ達に合図を・・”
ゆっくり進みながらこれからのプランを考えていると、
いきなり背後でいきなりチェンソーの音が響く。
「怪しい段ボールですわ、お姉様」
「そうだな。怪しい段ボールは切り裂くのが一番」
運悪くヘンゼルとグレーテルの二人と再会してしまった。
「あらあら、あの時のお兄さんね」
「あの時の辱めは忘れていないよ」
段ボールにチェンソーの刃が迫る。
切り裂かれる段ボールとチェンソーを受け止めながらも、ジャックの掴んだ大型のナイフからはバチバチと火花を飛び交う。
不意にグレーテルの構えた機関銃の弾薬装填音が聞こえ、いきなりヘンゼルが身を下げる。
避けようと体が動いた瞬間。
ヘンゼルから強烈な閃光が走った。

「うぉっ眩しい」

「フフフ、目の良さが命取りねお兄さん」

更にワイヤー式のスタンガンがグレーテルから撃ち込まれ、体がビリビリと痺れた。
「お兄さんは動きが良いからまず体の痺れさせるのが一番よ。」
追い撃ちをかけるように倒れたジャックの首にMG42の肩当てが何発も叩き込まれ。
先程まで眩しかった視界が戻るが肩当ての一撃とスタンガンの衝撃で体はまだ麻痺していた。
「侵入者は殺せって、おじさん達は言ってたけど。お兄さんに人の前でケツを殴られたし。ただで死なせるのは惜しいわ」
「そうだね姉さん。どうやってなぶり物にしょうかな?」
斧やチェンソーや釘やトンカチをポケットから取り出しぶつぶつ考えているヘンゼルとグレーテルだった。
「じゃあまず、足をトンカチで砕いてから足の先から斧で斬っていくのはどうかな?姉さん」
「良いわね。私達を人前で尻叩きをした相手に十分な仕打ちになるわ」
さてと言った感じに振り返るといきなり二人の体が何かの力で持ち上がる。

「獲物を前に舌なめずり、それは三流のすることだファッキンキッズ(クソガキ)。」
目からピカンと光る彼の顔を見たヘンゼルとグレーテルは恐怖が頭で理解するより早く、体が恐怖に反応して失禁していた。
「幾ら震えても無駄。泣いても無駄。これより肉体言語を開始する」
「「うあぁぁーん」」
二人の絶叫と関節技で骨が砕ける音が工場内に響く。
二人のお仕置きを済ませたジャックはすぐに発電所の燃料タンク。
そして制御装置に爆薬をつけた。
関節技でボロボロにした二人のクソガキを担ぎ。
安全な地点に運んでからスイッチを点けた。
腹に響く轟音と、燃える炎が工場に高らかに上がる。


レヴィ&ダッチ

段ボールでコソコソやる趣味のない二人は合図と共に工場内を進み、向かってくる敵を次々と蹴散らす。

「あの銀髪、まだ見つかってなければいいが。」
「ヘッ、レヴィさんよ、一丁前に他人の心配出来る状況じゃない。また奴らがくる」

その言葉と共に、部屋や廊下から、
ネオナチやチンの部下の連中が襲い掛かるが、
二丁拳銃のレヴィの動きについてこれずに死体に変わっていく。

銃声が響く中で二人が、進む廊下の壁に機関銃の音と共にデカイ穴が出来て、中から強化装甲服を着た一人の馬鹿が現れた。
「ここまでやってくるとは中々やるではないか~!だが我が団の行動隊長である。このスタンフォードが貴様らを我が第四帝国の科学技術で造り上げた強化装甲服の四連装式のMG3が毎分1,150発×4で貴様の身体を挽き肉にっ!?」
スタンフォードのお喋りはレヴィが撃ち込んだ数発の銃弾で地面に倒れた。
「前置きが長えだよ、お前はテレビの解説者か?相手を殺すならさっさと撃っちまえばいいだよ馬鹿。1,150発/分だろうが弾の速度が早かろうが。ようは撃って当たればいいんだよ。じゃあなナチス野郎」
両足関節の部分を撃ち抜かれ、倒れ伏していたスタンフォードの眉間に銃口を押し付けた零距離射撃で引き金を引いた。
「全く今の馬鹿は一体?」
「さあな、まあ行動隊長が直接出てくるって事はそろそろ連中も打ち止めだ」


ラッチマン&シュレディンガー

工場責任者室の中でラッチマンは一人うなだれていた。
工場を発見され、警備兵や団員が次々と始末された。
机に手を組みうなだれていると。
「あのデカイオッサンが死んだようだね~」
「!?シュレディンガー准尉」
「ははは、どうも~部下を失って仕事に失敗した団長さんにお電話です~どうぞ」
いきなり渡された携帯電話を団長を恐る恐る耳を傾けた。
「君が例のネオナチを名乗るクラブの団長かね?初めてお会いする。私が准尉の上司、君は今から死ぬ、私が処断せずとも死ぬ事なる。せめてもの贈り物を送る」
電話がプツリと切れると共に、デスクの上に拳銃が置かれていた。
その拳銃はグレイゴースト“灰色の幽霊”とも呼ばれているが、正式名称はワルサーP38。
第三帝国の使用していた拳銃である。
「弾が入っていますので、お好きに使用して下さいとの事です。団ちっ!?」
笑顔で説明していたシュレディガーは自決用に団長に渡した拳銃で頭が半分に潰れた。
「ふざけるな!ふざけるな!」
数発の銃弾をシュレディガーの肉体に撃ち込む、そのままデスクに銃を置いて椅子に座り込み肩で息をしている時である。
頭を撃ち抜いた少年が何事も無かったかのように自分の横に立っていた。
「アハ~自決用の武器で僕を撃つなんて中々だね、原住民に殺してもらう予定だけど、少佐の許可をもらっているし。今この場で始末するよ」
笑いながらシュレディガーはデスクに置かれた程まで握っていたワルサーP38を恐怖で震えるラッチマンの眉間に無理矢理押し付けて引き金を引いた。

数分後。

ドアを蹴破り男女二人組が現れ、更に壁を蹴破り別の銀髪の男が現れた。
「壁ぶっこわさないで、入口を使えよ銀髪」
「よう、無事かジャック。そこに担いでいるガキ共は確かイエローフラッグで銃をぶっ放したガキだったな」
「ガキを殺す趣味はない、尻叩きの代わりに関節技で改心させた。それよりも・・どうやら死んじまっているみたいだ」
デスクに転がる遺体は写真でみたネオナチの団長のものであった。
(情報掴めずか)
引き出しや死体のポケットまであさって数枚の書類と弾切れのワルサーP38くらいしか証拠になりそうな物はなく、ジャックはとりあえずポケットに詰めた。
「あったのは現金くらいか、弾代の代わりにもらっていこうぜ」
「死んじまった奴に金はいらんだろう」
レヴィらは散乱した部屋にあった数十万ドルをチップ代わりにポケットに押し込めた。
「目的も済んだ事。帰るかジャ」
と言いかけた時、轟音が工場内に響く、何故か発電所以外の所から火の手が上がり出した。
「レヴィ、ダッチ、ヤバいぜ逃げた方が良さそうだ」
「盗掘した遺跡がぶっこわれるのは冒険物の基本ってやつだ」
「チッ、さっさと逃げるぞ銀髪」
爆発していく工場内を行き掛けの駄賃の数十万ドルを担いで逃げるレヴィとダッチ。
そして何故かジャックの肩に掴まるヘンゼル&グレーテル。
燃え上がる工場の階段は各所で燃え上がり、道が塞がれていた。
「万事休すって奴だ」
鞄を担いだダッチはレヴィ達と共に周囲を見回す。
「おい、ダッチ!レヴィ!こっちだ」
ジャックが指差す方向に窓があるが、下は海ながら高さはビルの四階に匹敵した。
「まさか飛び降りるつもりか?馬鹿か銀髪!!」
あまりの無理加減にレヴィは叫んだ。
「そうするしかない。焼け死ぬのと、確率五分で命をルーレットにかけるか。俺はこのルーレットにかけるつもりだ」
「このお兄さんどっかぶっ飛んでるわね、姉様」
「そうね。」
仲よさげな顔でジャックの体にすがみついた。
「行くぞガキ共!ヒャハー!!」
「ひゃは~」
「ヒャホ~」
モヒカンマッチョが叫ぶみたいな掛け声でジャック達は飛び込んだむと水柱が上がる。
「本当に飛び込みやがった!!」
「ヒュ~、イカレているが中々ぶっ飛んだ奴だぜ」
後ろから強烈な熱風がチリチリと背中に当たり始める。
「畜生!」
「ジェロニモー!!」
覚悟を決めて金の入った鞄を担ぎながら二人も海に飛び込んでいく・・。


それから~数日後のラグーン商会の事務所

「ヘクション」
「あの時のずぶ濡れで風邪か、レヴィ」
「ロック、風邪何かよりもせっかくの10万ドルの金が海にしずんじまったんだよ。残ったのはパンツやポケットに詰めておいた分だけ、ボーナスがパー」
「いいじゃないかレヴィ、命があっただけでも。それに予定していた分の報酬以外にイエローフラッグで二日酔いするくらいジャックさんに奢ってもらったんだし」
「あいつどうしてんだろうな」
ロックとレヴィは空に浮かぶ雲の様に旅立った男の顔が浮かんだ。

あれから。
悪事の片棒を担いでいたチンは逃げようとした所を道に張っていた三合会に捕まり、ホテルモスクワの提供した爆薬で月までケツが吹き飛んだ。
ホテルモスクワや三合会は商売相手のチンやルアクやネオナチの連中が吹き飛べば、後の残党や雇われた殺し屋の処断は割と緩かった。

ヘンゼルとグレーテルの二人はジャックに雇われる形でロアナプラを離れた。
経費が予定よりかかったが、応酬品と一部書類の情報により不問となったが報告書をダース単位で書かされたのはゆうまでもない。
そして双子によりジャック・ドリフターズ(元オタクで元日本人)の苦労は重なる事となる。









作者のカキコミのコーナー

ヘルシングを持っていきながらかなり回り道だらけです。
ブラックラグーンの世界を抜け出した主人公ジャックは本来死亡予定のヘンゼルとグレーテルを自分の義理兄弟と引き取る事となります。
とりあえず主人公が大変な世界にばかりインテグラの命令により行かされます。
ちなみにヘルシングの時間帯は大体二巻の円卓会議の前辺り、円卓会議でインテグラが取り出したチップはジャックの手柄になっています。
婦警やアーカードが強力若本なアンデルセン神父と戦闘済みです。

おまけの一言
黒王「婦警の胸マジデカイ」



[21187] ジャック・ドリフターズの憂鬱“ヤンデレの妹に好かれて夜も眠れません”
Name: マッチポンプ◆5eb824ef ID:1116c2b5
Date: 2010/09/11 20:53

長い空の旅が続くとそこは霧の街ロンドンだった。

イギリス・ヘルシング・ロンドン本部

ジャックから渡されたロアナプラでの報告書を読み終えたインテグラ局長はゆっくりと背筋を伸ばして直立するジャックを眺めた。

「任務ご苦労、起動前の無傷の電子チップと一部だが設計図を手に入れたのは中々の収穫だ・・少々経費が予定より多い。次は経費にも気をつけて行うように」
「了解しました。」
その言葉にジャックはピシッと踵を鳴らし背筋を伸ばした。
「それより、そのガキ共は何だ?貴様の性欲処理の為に買ってきたとか言ったら人として容赦しないが?」
最初に口を開いたのはジャックでは子供らだった。
「ねえねえジャック大兄さん、あのお肌が曲がり角を過ぎて下り坂になおばさんは誰?」
「僕も肌が紙鑢みたいな加齢臭いおばさんが気になる」
ピクッと局長が二人の言葉に反応を示した。
「この方がヘルシング機関長で、俺の上司だ」
「へえ~こんな深いクレパスみたいな目尻のシワがあるおばさんが、ジャック大兄さんの上司なんだ」
この言葉に肌年齢の気になりインテグラの眼鏡のレンズがいきなりヒビが入った。
(局長の爆発数分前だ。ヤバい)
「すいません、すいません、実は引き取り手もなく計画もなくただ殺しを続けさせるよりはと思い、ロアナプラから引き取った私の義理の兄弟なんです。ほらおまえらも謝れ」
「バーカバーカ、妖怪シワシワオババ~」
「バタリアンのオバンバ~脳みそおくれとでも言ってなさい」
その言葉に局長の眼鏡のヒビが増大していく。
だがその瞬間、先程まで騒いでいた二人の口が止まる。
「おい、あまり悪戯が過ぎると肉体言語を始めるぞ」
「「ご・ごめんなさい」」
肉体言語の言葉を聞いた二人はすぐに局長に謝った。
「それでは、うちの妹達が失礼してしまい、急いで次の仕事を急ぎますので失礼します局長!!」
電光石火の早業で二人を担ぐと局長室から逃げたした。

「・・肌荒れに目尻のシワ、一度エステに行ってみるか」
一人局長室でインテグラは鏡で肌や目尻をゆっくり眺めた。

「良い子のお約束その5、インテグラ局長におばさん呼ばわりや肌の話題は禁止、命が惜しいならなおの事禁句」
「「わかりました。」」

そう双子が答えた時に廊下の向こうからアーカードが歩いて来た。
「ふっ、変わった趣味ね、ジャック」
「アーカード様、貴方こそ、いつもの赤いマントをどうしたんですか。」
「姿形なんての私には関係ないわ」
「要約するに気分転換ですね」
「そうゆう事。」
ニヤつくアーカードの姿はいつもの赤いマントとサングラスをした大人アーカードではなく、白い服を着たトンプソン銃の似合う幼女姿になっていた。
「大兄さん、この子は?」
「紹介が遅れたが、この職場の先輩のアーカード。見た目は気分で変えるヘルシング機関最強の怪物さ」
「怪物・・」
それを聞いたヘンゼルとグレーテルはいきなり斧と拳銃を取り出しアーカードに向けようとする。
その拳銃を構えたグレーテルは瞬時に拳銃をジャックに奪いとられた。
一方ヘンゼルは震えていた。
完全な奇襲
そして全力を込めた一撃
しかしそれは自分と見た目変わらぬ少女の指先一つで刃が止められた。
「どうしたの?貴様の全開はこれくらいか・・」
「どうして片手で受け止められるんだ」
「貴様のような、ひよっこに遅れをとると思う?いや遅れすらない」
ニヤつきながらヘンゼルから斧を指二本で奪い、ゆっくりと近づく。
圧倒的な力の差をみせられながら、もう一本の斧を取り出し向かっていくヘンゼルだが。
これ以上はヤバい事が分かっているジャックが間に入った。
「ストップ、これ以上は危険だから止めて下さい。」
「まあいいだろう。諦めずに抵抗したお前自身の勇気に免じて今日は引く」
ニヤつく様子の幼女アーカードがいきなりいつもの標準型のアーカードに戻っていた。

「アーカード先輩が機嫌が悪いと紙みたいに体を引き裂かれる。良い子のお約束第6はアーカード先輩や隊員への攻撃行為を禁止する」

「「は~い」」
「全く、分かっているんだか、分かっていないんだか」
やれやれと言った感じでジャックは頭をポリポリと掻いた。
数日後
一応正規採用となり、完全武装で隊員らと共にジャックは昼間のトレーニングを行い。夜間はヘンゼルとグレーテルの二人で一緒に地下でマネキンをターゲットにした射撃や組み手の訓練を行っていた。
少なくとも人間離れはしているが、訓練を行えば行うほど筋力や体力等が上がっていく。
成長がある事はある程度の能力アップが見込めた。
「よし、相手のグールや吸血鬼はお前らを同胞にする為に襲い掛かる。俺を吸血鬼だと思っ・・いでで、ちょっオマ待てまだ撃つな。幾ら機関銃用のゴム弾でも痛い」
「敵の前で口上した奴を撃って何が悪いの」
「油断大敵」
その言葉に彼の本気スイッチが入った。
「頭の風船を壊されたら、訓練所でランニング3周だ、行くぞ」
そういいながらグレーテルはマガジンを入れ替えたが、ジャックには分かっていた。
(また俺を殺すつもりみたいだな。どこからか演習弾の中に実弾を詰めたみたいだ)
そしてヘンゼルも訓練用の斧とは別に軍用ナイフを隠しているのがジャケットの影から見えた。
(俺への殺意はあるのは仕方ないか。)
互いに睨み合いながら相手の動きを見た。
汎用機関銃を担いだグレーテルの銃弾が唸る。
至近距離&中距離の戦闘スタイルのジャックには遠距離のグレーテル。
至近距離のヘンゼル。
動態視力と身体能力で機関銃を避けるのは難しくない。
しかし機関銃よりも二人の動きが怖い、彼らも僅か数日の訓練でロアナプラの時より連係がよくなりグールの群れや並の吸血鬼よりも厄介である。
一人が派手動き相手の注意を引き、もう一人が不意に相手の首や急所を襲う。
今の所は狙う場所が急所のみだが、手足に機関銃やナイフによるかすり傷が増えていく。
(体力消耗して動きが鈍り始めるには早過ぎる)
「あらあら効いてきましたね、お姉様」
「大お兄さんは凄いですわ、コブラの毒の付いたナイフや痺れ薬の付いた弾を何発も掠りながら、まだ動けるなんて凄いけどね、ジャック大兄さんはここで終わり。」
「そう、貴方は嫌いじゃない、僕も姉さんも貴方は大好き、でも私達は誰かを殺さないと生きていけないの」
「だからね」
「「さようなら」」
“くそ”
そう叫びながらジャックは地下演習の床のコンクリートを剥がして壁を作り上げ、ポケットに入れていた煙幕弾を2本と閃光弾1本を同時にピンを抜き投げ込んだ。
瞬時に閃光と煙りが周囲を支配した。
「うおっ眩しいわ」
「うおっ眩しいよ」
そういながら即座に互いの背中を引っ付けて左右を死角をカバーした。
「来るよ姉様、ジャック兄さんは煙りに紛れて接近する。」
「大事よ、大兄さんも条件は同じ」
だが煙りの中からいきなり一発の弾がグレーテルの機関銃を吹き飛ばし。
演習用の斧が柄の部分から吹き飛ぶ。
「見えていないのよ、何で分かるの?」
グレーテルは壊れた機関銃を投げ捨てるとポケットから拳銃を引き抜き、
ヘンゼルもナイフを二本取り出して構えた。
するといきなりグレーテルの横から人が飛び込んでくる。
ヘンゼルがそれに気がつき、手に持っていたナイフを全て投げつける。
人とおぼしき物に確かにナイフが突き刺さり更にグレーテルの銃弾が何発も命中したが。
「これはマネキン!」
「変わり身!?」
いきなり頭にパシッ音と共に二人の頭に付いた風船が割れ、側にはジャックが二人に向けて銃を向けていた。
二人は観念して武器を捨てたが銃口は二人を向けたまま。
「言い訳は地獄で聞く」
そして銃に二人に命中した。
しかし二人は痛みはない、ヘンゼルもグレーテルも顔に思いっきり水鉄砲の水をかけられた。
「二人組死亡~つうわけでランニング3周しにいくぞ」
(やっぱりジャック兄さんには敵わないや)
(殺すつもりで来たのに殺さない)
(でも““いつか必ず殺しますわ””)

翌日

いつもの訓練を終えた後に、夕方にジャックは通信教育を受けているヘンゼルとグレーテルの勉強を見る為に部屋に行く。
二人からコーヒー風味のアーモンド入りのパンケーキをプレゼントされた。
「昨日のお礼ですの」
「二人で作ったんだ」
「そうか・・ありがとう兄弟」
そうお礼を言った後に、朝は寝床でグウグウしていたセラスが顔を洗い起きてきたので、とりあえず彼女にパンケーキをあげた。
「何かよくわからないけど、いただいていいの?」
「気にするな」
「じゃあ頂きます」
食べた途端にセラスの顔を紫色に変わり泡を吹いて倒れた。
「シアン化カリウムにトリカブトか、コーヒー風味とアーモンドでごまかしたつもりだが、まだまだ甘いな。」
二人にお仕置き(くすぐり30回)を加えた後に三人仲良く食堂で飯を平らげた。
今日も三人は仲良い。

セラスはこの日、体調不良を訴えて休んだのはゆうまでもない。




作者のカキコミ

今回はどちらかと言えば外伝または番外編みたいな扱いっす。
とりあえずジャックは身体能力や一部の能力で考えると総合的にはセラス(覚醒前)よりは少し強いくらい。
力的にはナチのインスタント吸血鬼よりは強いです。まあアーカードや人狼の大尉とアンデルセン神父から見たらかなり弱い。



[21187] ヘンゼル&グレーテルの天気予報~本日のヘルシング家の天気は血の雨
Name: マッチポンプさん◆7ecc4de2 ID:cfdf6bc2
Date: 2010/09/13 22:30
ある日の朝、寝息を立てて寝ていたジャックは何かの気配を感じて目を覚ました。
「起きみたいだね姉様」
「そうね、失敗ね」
何故かチェンソーと鉈を構えた義理姉弟がいたような気がするが、あえてスルーした。

昼頃


“おいジャック、葉巻が切れたからすぐに買ってこい。釣りごまかすと殺すからな”

いきなり葉巻切れで機嫌の悪い局長からの命令でマジパシ中。
パシリにされた兄貴が面白いって言って双子がついてきました。
義兄として恥ずかしい限りである。
ヘルシング機関の車でロンドン市内を走り、馴染みのタバコ屋でトルコ葉巻を買い車のドアを閉めていく時である。
「ジャック兄様、今日は何だか偉い感じのおじ様達が来て円卓会議するって言ってましたわ」
「へえ~会議か・・円卓会議」
何かを思い出して携帯をかけたが緊急連絡先も局長の番号もかからない。
「ヘンゼル、グレーテル、局で何かトラブルだ」
「トラブルって?」
「ヤクザ用語なら、殴り込み」
急ぎ関係機関に救援と緊急の連絡を送り、外周りをしていた数人の隊員に緊急を知らせると、ロンドン市内のセーフハウスから武器を車のトランクに詰めた。
手に入った情報を元に各情報機関らに連絡で回っていた隊員に指示を出した。
“ヘルシング本部の通信が不調”
“緊急連絡先も、円卓会議のメンバーにすら連絡がつかず”
“爆音と数十名以上の武装集団がヘルシング本部に入っていく所を地元警察や市民が目撃している”
“すぐに敵の情報を調べろ”
“俺とヘンゼルとグレーテルはここのチャカを担いでヘルシング本部に向かい時間を稼ぐ。残りはありったけの兵隊かき集めて来てくれ”
「俺の連絡が救援が早くなれば良いが。」


セーフハウスから飛び込むようにヘルシング本部に向かうと、原作知識が浮かんでくる。
「グールの集団。バレンタイン兄弟」
ジャック達が外から見る限り、1階での銃声は少なく、2階で抵抗する隊員らの銃声が響く。
セーフハウスにあったM79・グレネードランチャーと予備弾とMP5サブマシンガンを構えるジャック。
機関銃が無かったので代わりに持ってきたアサルトライフルを構えるグレーテル。
斧を構えたヘンゼルはヘルシング本部の内部に急いだ。
無数の噛み傷だらけの隊員の死体
かろうじて息があるものの噛み傷のある隊員
そしてグールの死体
ジャックは最初に苦しむ噛み傷のある隊員を楽にする為に、一人一人に名前を言いながら銃を構えて引き金を引く。
そして死体になっている隊員の一人一人名前を告げながら頭を撃ち抜ていく。
全員が数週間だが一緒に同じ釜の飯を食った奴をグールにするのは彼として辛い。
そしてグールになるかも知れない隊員の介錯をしないといけないのはさらに辛い気持ちである。
玄関ホールにいた10名程に介錯を済ませると廊下に向かう。
“グルグル”と吠えながら死体にかじりつく数体のグールはMP5でジャックが蜂の巣に変え。
笑顔のヘンゼルが鉈で首を切り落し。
グレーテルが脳天をブルバップ式のファマスライフルでぶち抜いていく。
途中で敵の銃器により負傷した隊員を担ぎ込みながら、所属小隊が壊滅により散り散りになった生き残りの隊員を集めつつ、一時的に休めそうな地下に向かった。
力にヘルシング最強メンバーが揃っていた。
「セラスさん、ウォルターさんご無事でよかった」
「ジャックさん、こんな危ない所にヘンゼル君とグレーテルちゃんを連れてまずいでしょう」
セラスがジャックに文句を言うが。
彼は冷静に言葉を返した。
「笑顔でグールの首を叩き折り、笑顔で脳天を撃ち抜くガキはガキの計算に入らない。今は外回りの数名の隊員も関係機関に応援を呼びに行っている以外、隊員がいない以上は一般隊員より強い二人を連れて行かない訳にはいかない。それより生き残りの隊員の治療を手伝ってくれないか」
地下に運び込めた隊員の内訳は軽傷で戦闘に耐えられないが、かろうじて動ける隊員は6名
負傷した隊員12名
戦闘可能な隊員5名は治療と負傷者の護衛に残さないといけない。
戦闘可能なのはヘンゼルとグレーテルと隊員の治療に当たる隊員を除き、セラスとウォルターとアーカードしかいない。
「かろうじて動ける奴はここでグールから負傷者を守ってくれ」
地下演習室にある少々の武器と弾薬を渡して地下を守らせた。
「ヘンゼルとグレーテルもここで負傷した隊員の護衛を行ってくれ」
「え~僕もグールを殺したい~そうですよねお姉様」
「そうそう」
「廊下や地下までのルートに10体以上もぶっ殺しただろう。それにもしかしたら地下にグール連中が来る可能性もある。その時に暴れればいいじゃないか」
「わかりました。大兄様を待っています」
「絶対に戻ってきて下さい、大兄様を殺すのは私達の役目なんだから」
朝の事を思い出してジャックは少々苦笑いを浮かべる。
「約束は出来んないぜ、戦争やアクション映画なら死亡フラグになるからな」
ハハハという笑いが重い空気を少し和ませた。

最初に口を開いたのは婦警だった。
「それで地下から3階までどうやっていきますか?」
その婦警の問いにウォルターさんは余裕を持って答えた。

ヘルシング家~エアダクト内

ダクト内は体を低く這うように進めば、大人でも何とか通れる広さがあった。

「こんなエアダクトがあるとは思いませんでしたよ。それにしてもキツイです」
「昔インテグラ様もこのダクトを使いアーカード様にお会いしたとの事です」
「そうか」
一応担いできたMP5サブマシンガン
M79グレネードランチャー
ハルコンネ及び専用弾頭は各人が三人で分けて運んだ。
「ここのようです」
先頭を進むウォルターは円卓会議の頭上のエアダクトの金具を一応外して先に降り立った。
ジャックが降り立つと何故か、一斉に会議メンバーから拳銃を向けられたが、アイランズ卿とペンウッド卿、そして雇い主のインテグラ局長は他の円卓会議のメンバーを制止した。
「騎兵隊の登場です、局長」
「戦闘配置を急げ」
「了解」



局長室

弾と破片が転がる部屋の中でバレンタイン兄弟の弟ヤンは引き出しを漁るも、文房具やら書類やらはあるが、灰皿あれどタバコや葉巻がない。
「あんのは飲み物だけかよ」
局長室の小さな冷蔵庫には肌荒れ防止のビタミン剤
カフェインのたっぷり入った栄養ドリンク
後はイギリスの美味い水的なミネラルウォーターしか入っていない。
「絶対あのクソビッチのヘルシングちゃんは肌荒れ防止の薬が飲みまくりかよ。これじゃあ絶対にあのビッチが処女でもガキの安い駄菓子みたいなマズイ味がしそうだ。はあ~ビッチは犯して殺すだけに予定は変更だな」
そう言いながらヤンはポケットに入れていたラッキーストライクを数本を口に加えて、引き出しに入っていたライターで火をつけた。
「そんじゃ、そろそろ行くとするぜ。とりあえず発酵のしずぎて酸味があるワインみたいなジジイの血で我慢するか」

勝利を確信しつつ、ヤンはピクニック気分で三階に向かっていく。
血の川と悲鳴の聞こえるピクニックに・・。





作者書き込み

割とネタ全開です。
インテグラが23歳、キシリア24歳、サザエさん24歳。
全く23歳には見えない。
やや原作とは違う感じなのは主人公乱入よる影響っす。
なので乱入によるバタフライ現象をどうするか考えています~。

やはり重要なのは・・。

オッパイである。

諸君私はオッパイが好きだ!諸君私はオッパイが好きだ!諸君私はオッパイが大好きだ!!

貧乳が好きだ。
巨乳が好きだ。
美乳が好きだ。
世界のありとあらゆるオッパイが好きだ。



[21187] 天気予報ハズレ
Name: マッチポンプさん◆7ecc4de2 ID:50cfc0ed
Date: 2010/09/14 21:08

陽気でこの場には不釣り合いな歌が三階の廊下に響く。

「スパム、スパム、スパ~ム、スパム、スパム、スパ~ム。はあ~気分はバイキングだぜ」
と小歌を歌いながら、プカプカとタバコを吹かしてグールの軍団の先頭を歩くヤンの目の前でいきなり扉が開き、一人の老紳士が現れた。
「何だ?まだ殺しそうこねが・・っ!!」
不意に何かの殺気を感じてヤンは体を動かした。
その途端にくわえタバコが無残に切れ、後ろにいたグール連中がバラバラに切り裂かれる。
「ジジイ、テメエ!!ッハ」
いきなり別の殺意を感じてヤンは側にいた盾持ちのグールを掴んで肉の壁にした瞬間、盾にしたグールの首から上が粉々に吹き飛んだ。
紳士風な男の横にはいつの間にか、M79・グレネードランチャーに新しい次弾を取り出して詰めて構える男がいた。
「昔ようにいかないモノだ。ウォルター・クム・ドルネーズ。ヘルシング家の執事、元国教騎士団のゴミ処理係だ。行くぞ」
迫ってくる相手にヤンは反応した。
「撃てグール共!撃て!!」
ヤンの命令でサブマシンガンを構えるグール達をウォルターの放つワイヤーが切り刻まれていく。
銃弾を余裕で避ける辺りに戦い慣れした歴戦の匂いがする。
ジャックはそんなウォルターの動きとは正反対に何とか銃弾を避けながら片手に構えていたグレネードランチャーで1体を仕留め。
片手に握った愛用のモーゼルC96で更に三体のグールを同時に仕留めた。
「へへへやるじゃないの、ハンデがあるのはちょうどいいぜ。隊列をマーチの隊列に変更」
先程までのバラバラに進む隊列から、盾を構えて横一列に並んで進み始めた。

その隊列をみたウォルターは後方でハルコンネンを構えるセラスに指示を出した。
徹甲弾が飛び込み、弾は盾を構えるグール達を縦一列に穴をあけていく。
「次弾装填・弾は爆裂徹甲」
「了解」
無線機からの指示を聞きながらセラスを次弾に
「畜生!!!あのジジイが指示を出していやがるのか!?」
周囲を見回す先には先程の紳士がドアを壁に立っている。
「野郎!!死ね」
ヤンがウォルターのいる飛び込んだ瞬間に背後のグールが次弾により粉々にちぎれていく。
「寿命だぜジジイ」
銃口がウォルターに向けられた途端にポンと何かが飛び出す音と共にヤンの脳天にグレネードの弾頭が直撃する。
近距離な事もあり、安全装置により爆発はしないまでも強烈な一撃はヤンが吸血鬼でも人間の体をしていれば。
強烈な一撃による脳への振動は皆無ではなく、数秒頭がクラクラとなった瞬間、気がつくと胸のデカイ女に地面に組み手で押し付けられていた。
力ずくでヤンが体を動かそうにも全く体が動かない。
「デカイ胸が背中に当たんのはいいが、痛すぎる。」
「おい、坊主。祭は終わりだ。観念してお前の雇い主を言え」
「俺をナメてるのか、雇い主を簡単にゲロするかよ、俺のケツにキスしたら教えてやるよ」
「お前、そっちの趣味かよ」
「ちげえよ!俺はホモじゃない」
「私にはそのような趣味はないのでごめんこうむりたい」
「だから違う!」
「だったら本当の目的はなんだ?まさか・・ウォルターさんの尻を狙っての犯行か!?」
「誰がジジイのケツに興味を持つかよ!!俺の目的はヘルシング機関の破壊だ」
尻を隠すウォルターとジャックの行為にキレたヤンはついあらいざい白状してしまう。
「円卓会議のメンバー全員とヘルシング本部の完全殲滅、兄貴の任務はアーカードの抹殺」
「兄貴?ガチムチの兄貴?」
「さっきから俺はホモ扱いかよ、俺の兄貴の名前はルーク・バレンタイン、アーカードをぶっ殺せるくらいの無茶苦茶強い野郎だ」
「アーカードの旦那を倒せる?あんなチートみたいな吸血鬼に勝てる気がしない。直視魔眼か元気玉でもないと死なないだろう」
ヤンと話はウォルターの言葉により終わる。
「どちらにしろ、お前は終わりだ小僧、お前のみすぼらしい軍隊は消えた。」
「みすぼらしい軍隊だと?俺が何の作戦をたてていないと思ったかよ。さっきから俺が何でぺらぺらと情報をもらしていると思う?俺が時間を稼いでいるんだよ!」
いきなりヤンがつけていた腕時計が鳴り始める。
「ウィィィーツ」
某最強吸血鬼みたいな叫び声と共に何かが近づいてくる。
しかし足音はかなり少なく、何故かヨロヨロとしている。
数体の元国教騎士団の団員だったグールが歩いてくるかに見えたが、一体はヘルメットと共に顔に大穴が開き、はいずり回るグールの心臓に銃弾が撃ち込まれる。
そしてチェンソーが体を縦に切り裂く。
「大兄様が心配で来ちゃいました。」
「ははは」
そこにいたのは無数の返り血だらけの黒いゴスロリの義理の兄弟ヘンゼルとグレーテルである。
ジャックが介錯した数十人の隊員の他に、切り刻まれたり、撃たれた隊員を除き、30体の遺体がグールとなる。
地下から退屈過ぎていたヘンゼルとグレーテルと遭遇する。
最初に鉢合わせしたグールは普通の少年と少女なら、おやつ代わりに食いちぎり腹の足しになっていたが。
グールの不幸は相手がただの少年と少女ではなかった。
笑いながら躊躇せず、鈍重なグールの脳天を鉈で叩き割り。
鉈で首を切り落とすよ。
心臓と頭を撃ち抜き、弾が切れるとアサルトライフルを振りまして鈍器の代わりにした。
大暴れをするヘンゼルとグレーテルだがアサルトライフルや鉈が折れる。
一斉に襲い掛かるグール達を避けて入り込んだ部屋には彼らの愛用する武器が置かれていた。
「天使を呼んであげますわ」
BAR(ブローニング自動小銃)をグレーテルが担ぎ。
「は~い」
元気な声で両手で斧を構えるヘンゼル。
結果は一方的な虐殺場に代わるのに数秒もかからず。
二人が3階に向かう一団を蹴散らすと、途中でふわふわと歩く数体を蹴散らしながら進んでいき。
3階の会議室に着いたのである。
「大兄様が無事でよかったですわ」
笑顔のグレーテルとヘンゼルの返り血がついてガサガサとなった銀色の髪を撫でる。
「無茶するな、お前らは俺の大切な家族何だから」

「おい、何か忘れていないか?」
MP5サブマシンガンを構えたインテグラ局長が会議室から出てくると、チェンソーで切り刻まれた騎士団員の遺体。
足を撃たれてはいずり回るグール化した隊員の姿にインテグラは驚いた。
「我が機関員がグールだと?」
「よう、肌荒れにを気にし過ぎだぜビッチ。」
先程まで両手を組み手で押さえられていたヤンの体はウォルターのワイヤーにより両手や両足を抑えされていた。
タタタタタとMP5サブマシンガンの銃弾がヤンの体に命中し、軽い反動によるダンスをヤンは踊った。
「ガハッ」
撃たれて膝を着くヤンに空になったMP5サブマシンガンを投げ捨ててから手持ちの拳銃を向ける。
「俺は知らんぜ、ルークの兄貴しか知らんよ。だが一つだけ教えてやるよビッチ、俺の体には雇い主に向けて情報が絶えず送り続けられている。そして今情報を漏らしている俺はすぐに始末される・・やっぱりな」
ヒャハハと笑うヤンの体が突然燃えだし始めた。
「せめてヒントくらいは教えてやるぜ、ビッチ!・・・ミレニアム・・・」
燃え盛る中指を立てたヤンの体は灰の様に消えていく。
ミレニアム・・その言葉を残して事件は幕を引く事となる。


ヘルシング機関所属の構成員の大半が負傷又は殉職している。
施設内での生き残りも局長とウォルターを除けば僅か5~6名しかいない(アーカードとセラスは死人故に数に入らず。ヘンゼル&グレーテル&ジャックの三人トリオは正式採用なれど、一般隊員ではない為に除外)
別件でアイルランドに派遣されていたメイソン・フォックス小隊の25名と外回りの9名。

これによりインテグラ局長(23歳)のシワやシミが増えて顔がより荒れたのゆうまでもない。


作者の戯れ事

“この物語は、スーパーハンサムボーイの、このジャック・ドリフターズ。そして彼を取り巻く美女達や血のつながらい妹達の、
愛と肉欲と首やオッパイがポロリのバイオレンスコメディーエロ小説である~”







いじられるつもりでやった今は反省している。



[21187] 出張出張出張出張!!(月姫編)
Name: マッチポンプさん◆7ecc4de2 ID:a0b119ad
Date: 2010/09/15 20:53


あれから数日・・。
ジャックは、ときより寝ている最中に首を絞めようとする義姉弟を撃退しつつ、日々の鍛練と書類書きを続けた。
「原作知識で俺最強は無理だな、よくよく考えても俺自身の正体はイマイチ掴めねえ」
最近義兄弟との組み手にセラスが加わり、婦警時代の組み手を教わり前よりも戦闘技術が少し向上した。

地上射撃演習地

「この俺の“プレデター”とモーゼル96改はどうかなセラス?」
「凄く大きい、黒光りしているって、何を言わせるのよ。女の子に失礼」

夜間冷えた風が吹く夜間射撃をジャックは最近婦警ことセラスと行っている。
「アーカードさんの454カスールやジャッカルには総合的には微妙だが、一発一発のダメージはジャッカルよりはデカイ。まあ弾が3発しかマガジンに入らないから、連続射撃性能と総弾数11発のモーゼルC96改で補うしかないけど悪い銃ではないよ」
ジャックから借りた二丁の拳銃を構えながらセラスは的に撃ち出した。
「あら反動が少ないし、手にぐっと馴染む」
「そいつがこの二丁の利点かな・・俺はこのハルコンネを借りて撃たせてもらうよ・・大砲だなこりゃあ」
「主力戦車以外なら倒せるってみたい」
「倒せるか、ちょいとやってみるか」
前方のジープにハルコンネを向けて引き金を引く、デカイ反動が腕と肩に伝わる
弾は直撃するが数秒間だが反動で腕が痺れる。
「三発で腕や肩が壊れる・・。」
イテテとジャックは肩と腕を振るった。
「そういえばジャックさんって吸血鬼なの?」
「さあな、宇宙からきたメタル刑事でも、飯普通な物しか食わんし、日は別に大丈夫、銀も普通触れる・・よう分からん。」
「ここに来る前は何を?」
「チェダース村の近くの山で気が着く前の記憶がないだ。記憶喪失・・どっかの研究施設から抜け出したモルモットってのが一番の候補だな」
体に残っていた記憶はない、ただ戦闘技術や経験的な技術だけは残っていた。
「流れ流れて、今では銀色の髪をした二人の姉妹の兄貴さ。」
「そう、私はわりと好きなんだ、銀色」
「そうか・・ありがとう」








何が不思議な雰囲気の二人の姿を覗く偽装用の服を着たヘンゼルとグレーテルが覗いていた。

「姉様、悪い虫が大兄様についていますわ」
「あの巨乳で兄様を堕落させたんだよ」
「魔女よ、魔女は火あぶりですかわ。」
「汚物は消毒だね姉様」
火炎放射機を担いでいた二人であったが、いきなり白い服の少女に火炎放射機を奪われた。
「大人の付き合いですわ。大人の付き合いくらいは兄妹として認めてやるべきよ」
幼女アーカードは暴走する二人を制止した。



更に更に数日後

「新しい任務?」
局長室で葉巻を吹かすインテグラ局長は一枚の紙を渡した。
「極東の対魔組織からの依頼で吸血鬼騒ぎの火消しに行け、アーカードもセラスも戦力的に動かせない」
「・・詳細情報はもらえますか?」
「これだ、すぐに日本に向かってくれ」
書類及び旅行鞄がいつの間にか準備されている、しかも3つ・・。
「まさか残り2つは?姉弟の分かよ」
「そうだ」
インテグラ局長の言葉に観念したジャックは空港行きの車に乗り込み飛行機に揺られていった。



また更に更に数日後

インテグラ局長の命令で吸血鬼が現れた日本の彼岸島に潜入。
島で吸血鬼に抵抗する生存者と共に雅と呼ばれるボスの吸血鬼を501ワクチンを使用し倒す。
これで仕事完了と思ったが、新たな任務がジャックと双子に送られた。

日本・東京都・南社木市の三咲町

「彼岸島もそうだが、何で英国並に事件が起こっているんだよ全く。俺達だけで調べるのかよ~ふざけるな~!!」
「大兄様が荒れていますね、お姉様」
「そんな荒れてる大兄様は面白いですわね」
頭を抱えてぎゃあぎゃあ騒ぐ義理の兄の姿をみたヘンゼルとグレーテルはクスクスと笑い転げた。
「もうしょうがない、三咲町もロアナプラや彼岸島みたいに、ちゃっちゃっと調査して報告しちまえば済む」
ぴらっと書類を義兄弟らに見せた。
「日本政府からの新たな要請で今回は俺達三人で、三咲町に潜む奴の調査か・・グールを増やさない為に処分せよだと。」
「人の形をしたカボチャを潰せるなんて楽しみですわ」
「そうだねお姉様」
ルンルン気分でヘンゼルとグレーテルは楽器の入るくらいのトランクを楽しそうに担いだ。

「さて、それでは宿でも探すとするかな、連中は夜にならないと出て来ないし、せいぜい飯の美味くて高い所に泊まっておこう。経費は日本にある英国領事館を経由で、ペンウッド卿が払ってくれるし。そうだ、前に言っていた日本のファーストフードの回転寿司でも食いにいこうか」
「寿司って例の魚に米を巻いた食い物ね」
「例のヘルシーな食い物か本場はここなんだ」
わいわいと喜ぶ二人の姿にジャックの少し微笑んだ。
そして後に三咲町での多量の調査費用にかかった経費の請求書の束がペンウッド卿に送られてきたのはゆうまでもない。


夜の南社木市の繁華街

ホテルで仮眠を済ませた三人はゆっくり夜の道を進んでいく。
地元警察や公安から送られてきた事件発生現場を眺めながら現場を巡る。
何者に襲われた被害者の遺体の中に血液はなく。
首筋に小さな刺し傷。
そして遺体が数時間後に動き出し、検死解剖を行っていた検死監察官及び警備中の警備員を襲い。
次々と警備員や検死監察官の遺体も動き出し増殖していく。
地元警察が施設内を包囲
特殊部隊が動き出す遺体の鎮圧に何とか成功。
その後も行方不明が増えていく情報が政府を通じてイギリスに持ち込まれた。

情報を聞いたインテグラ局長はこの情報を見て直ぐに、吸血鬼が関わっていると考えた。
しかしイギリス国内での散発的な多数の吸血鬼事件が続出し。
更にはヘルシング本部自体が攻撃を受ける事なり、一時要請を断ろかと少々考えるたが、インスタント吸血鬼に対抗出来るジャック・ドリフターズ。
グールの頭をスイカみたいに叩き潰すヘンゼルとグレーテル。
この三人の戦闘能力を考えて派遣したのだが。
インテグラ局長の任務が過剰労働だと本人らはぼやいていた。

裏路地を歩く銀髪の義理三兄弟の前に手に血の付いた白いワイシャツ姿の男が高校生らしき少女の首筋に噛みつこととする牙を向けていた。
すぐに変態なワイシャツ姿の男に向けて、ジャックは銃を構えるが銃弾が何故か次々と避けていく。
「変態だ!!」
「すげえ動きの変質者~」
少し遅れてグレーテルがBARを構え、ヘンゼルは斧を構える。
だがあっという間に壁を蹴り上げながら姿が消えていく。
噛まれていなさそうだが、感染者となれば可哀相だが始末しないといけない、それが吸血鬼ハンターの指名である。
「安心しろ、警察の特別捜査官だ。名前は言えるか」
日本政府から渡された調査官の手帳には桜の紋がかかれていた。
ゆっくりと口を動かし始める。「大丈夫です、私は弓塚さつきです」
「怪我はないようだな」
電話をかけるとパトカーと分析班を現場に寄越した。
暗くて保護した彼女は知らなかったが、何体かの遺体が転がっていた。
「あの白衣の奴はまた君を襲う可能がある、一時的に身柄を保護するがよいかな?」
「はい、それより貴方は?」
「特別捜査官のジャック、ジャック・バウァーだ、特別捜査官はよくテレビ番組に出てくるFBIみたいなもんさ」
「この子達は?」
「特技専門官。調査官補佐って所だ。見た目よりも強い」
ジャックは懐から少女に一枚の名刺を預ける。
「何かあれば連絡してくれ」
少女を乗せた一台のパトカーが現場を離れていく。
完全に噛まれていないかは数時間待ってみないと分からず、彼女は一応監視兼保護を行う事となる。
裏路地にて出会った少女は聖杯の力を持ってしても恋人のできない不幸少女であったが、人生が少々変わったのかも知れない。
「あの白衣の男が今回事件の重要参考人って所だ」
「凄く動きが早いよ、姉様や大兄様でも反応できなかったよ」
「やりあうのはまだ先さ、やれる事はグールを始末していけばいいだけさ。子分が消されていけば、自ずと親分が出てくる。次のチャンスを待つしかないさ」

裏路地から表通りに行く中で、
久しぶりの前世の故郷は自分のいた世界とは若干違うパラレルワールドである事を感じ、
漫画やアニメみたいな事が現実として起こる。
そして自分自身の存在や家族すらもいない。
それに何と無く淋しさを感じかけたが、今側にいる新しい家族がいる事が彼の寂しさを忘れさせた。
「ジャック・バウァー捜査官、新しい情報が入りました。」
一枚の書類が対魔組織の隊員から差し出された。

白い魔女と紺色の死神・・その二人の事が書かれていた。


ホテルの一室

ゲゲゲだの、朝は寝床でグウグウと言う生活を現在経験している。
夜中のグール狩りを終えて吸血鬼が活動出来ない昼間は眠る・・。
体が僅か数時間の睡眠で済んでしまう体故に、起きたジャックは昨日の夜に渡された資料を読みながら考えていた。
「真祖・・アーカードさんみたいな元々から吸血鬼の存在だった者か、死徒は吸血鬼により吸血鬼になった存在、つまりセラスの事か。」
白い魔女と呼ばれる真祖のアルクェイド・ブリュンスタッド。
紺色の死神のシエル。
イスカリオテ機関の様に悪魔や吸血鬼に対応する異端の殲滅組織の戦闘要員
ワイシャツ姿の吸血鬼狩りを行うとしては、中々やりにくい。
確か記憶が正しければアルクェイドとシエルの関係はアーカードさんとアンデルセン神父みたいな仲良く殺し合う関係。
ワイシャツの男は恐らくロアかタタリ。
どちらにしてもプロテスタントの俺達はロアと共にシェルの異端狩りを受ける可能性が大。
「はあ~遠野シキを探しておくかな」



作者カキコミ



人は!平等ではない。生まれつき巨乳の者、美乳の者、微乳の者、生まれも育ちもオッパイも、人間のオッパイは皆、違っておるのだ。
そう!オッパイは、差別されるためにある。だからこそ人は争い、シリコンやバストアップ体操やブラの進化が生まれる。
不平等は!悪ではない。オッパイの平等こそが悪なのだ!!
オール・オッパイ!!



[21187] 特訓と朝食と人外外人と朴念仁な眼鏡君
Name: マッチポンプさん◆7ecc4de2 ID:3546bf84
Date: 2010/09/16 23:23
拳銃の影響で影が薄いがジャックはグルカナイフに似た大型の対魔処置が施されたナイフは携帯している。
強い風が吹くホテルの屋上でナイフを引き抜くと刃の先にカップを乗せると、勢いよく刃を動かしつつ、カップから水が零れないように一時間以上、刃を動かし続ける。
それが終わるとイメージトレーニングによる組み手
相手は吸血鬼だけでなく、人間サイズの蟷螂。
花山と呼ばれるヤクザを想像する時もある。
“握力×体重×スピード=破壊力”
それを常に頭に置きつつ、拳が空を切る。

昨日戦ったネロと戦うが、相手も強い、拳銃を向けるよりも速く。
手首と足を潰され、膝をついた途端に襲われる、
相手の頭を撃ち抜き引き分けに終わる。
イメージトレーニングで今の所はいつも刺し違えるか、かろうじて勝利、そのどちらかの結果しかでていない。
息を整えて汗を拭き、先程の置いたカップを拾い中の水を飲み干して空を眺める。
部屋に戻ると、寝息をたてるヘンゼルとグレーテルを起こさぬように二人のいる部屋を抜け、脱衣所に入り、衣服を脱ぎ綺麗に畳み。
浴室のバスタブに入るとシャワー用のカーテンを閉めると蛇口に手を動かした。
45度の熱めのシャワーが肌を刺す・・頭と体を洗い後ろを向く。
彼が浴室でシャワーを浴びている時にゆっくりと扉が開き、黒い影が近づく。
手に持った銀色のナイフが迫る。
シャワー用のカーテンが突然開きナイフが迫る。
「今日はサイコか、だがまだまだ甘い」
殺す気満々で振り下ろされたヘンゼルとグレーテルのナイフを弾き返してから、タオルで水っけを拭きながら服に着替えた。
「昨日ヒッチコックを見て思いついたのに残念だね姉様」
「そうだね、とても残念」


朝食の時間。
洋食を食べる二人とは別に、
和食を笑顔でモリモリ食べていた。
彼はイギリスの食事が苦手である。
ヘルシング機関で食っていた朝食は目玉焼き
スクランブルエッグ
ポーチドエッグ(落とし卵)
付け合わせのソーセージは日本やドイツで食べられる、皮がパリッとしたものではなく、モチモチした触感は前世の元日本人にはイギリス製のソーセージは口に合わず。
インテグラ局長に頼み込んだ、
「イギリスのソーセージではなく、ドイツ製や日本製のぱりっとした触感のソーセージが食いたいですが構いませんか?」
「だが断る、このが最も好きな事のひとつは、頼んだ本人の“イエス”と言って欲しい相手に“ノー”と言ってやる事だ。」
“パウッ”
妙な効果音と共に、ジャックの身体能力でいきなり跳び上がった。
“ドッギャァーン”
「なっ!?座ったままの姿勢!膝だけであんな凄い跳躍を!!」
このジャックのジャンピング土下座で頼み込んだ。
このジャックの体を張った動きでソーセージは、何とか彼のソーセージはイギリス製から、ドイツ製に変わったのはゆうまでもない。

それ以外のおかずは、甘くしょっぱいベイクドビーンズと呼ばれるトマト味の煮豆。
それは何故かフォークには刺ささらず!ナイフで切る事が出来ないカリカリ焼けたベーコン。
ソーセージ以外で食えるのは唯一、口に合うのは焼きトマトと焼きマッシュルーム
そしてかろうじて食えたのはポテトサラダ。
血を食うアーカード、生粋のイングランド人のセラス、ヨーロッパ系で食生活が似たようなヘンゼルとグレーテル、そしてインテグラ局長達を除く。
彼は非常に食事が苦痛であったが、頑強な肉体と精神やトレーニングで何とか忘れようとした。

その為、今日本に来た彼のテンションは転生及び憑依前に戻っていた。
「銀シャリ最高ー!!馴染む、米が私の体に馴染むぞーつ!!最高にハイってやつだ!!!」
「大兄様のテンションが最高になっていますね」
「今日も夜はグール狩り?」
「少々昼間も出歩いてみる、昼間は夜と違い、新たな発見があるかも知れないし」
「どこか遊びに行きた~い」
「この街を出るのは任務的には無理だ。まあすべての請求書は局長から、ペンウッド卿に渡るだけさ」
「「わ~い」」
二人がはしゃぐ姿は実に年齢相応である。

昼間の大通り、人の波を抜けてゴスロリの少女と少年
そして、黒いスーツの銀髪の青年
歩いて行く頭上で変な曲が聞こえた。
“サツガイ、サツガイせよ!!DMCのニューアルバムが発売中。買わぬモノは我輩自らサツガイする”
巨大なテレビジョンから聞こえる曲と魔王風なコスチュームと化粧をした男が映る。
そんな騒々しい中、自分らと同様に不思議な臭いのする白い服の金髪の美女がベンチに腰掛けていた。
ヘンゼルとグレーテルとジャックの姿を見た美女は珍しい感じに、興味深く眺めた。
「貴方達、血の臭いがする・・」
血・・そして気配はアーカードと同じ臭いがする。
「初めまして白い魔女さん。一緒にお茶でもいかがかな?」
「貴方は何者?」
「質問に対して、質問は失敬ですよ。」
「それは失礼、私の名はアルクェイド・ブリュンスタッド」
「ジャック・ドリフターズ、二人は血が繋がらないが、俺の大切な妹と弟さ」
「そう・・敵意はないみたいね」
「一々会う相手、会う相手に中指を立てて喧嘩を売るほどガキじゃない、それに美女は何であれ声をかけられるのは嬉しいもんだ」
「貴方、全く変わってるわね」
「褒め言葉として受け取っておくわ。」
「ありがとう、今の私は人を待っている所なの。私を一度バラバラに切り刻んだ少年にね」
「そうか、まあ暇なら一杯お茶でもどう?」
そう言って姉弟のコールドアイ(冷たい目線)にさらされながら数時間を喫茶店で過ごした。
美女(人外)とのお茶は中々楽しい。
「何かあれば、協力が必要な時に連絡して下さい。もしかしたら互いに同じ目的の可能性もある」
「そう、一応貰っておくわ」
そう言って渡された名刺をポケットに詰めた。
「ついでだから、その殺人鬼を見ておきたいな」
「暇な人達ね」
「好奇心は持って、おきたいんでね」
尻尾と猫の耳を付ければ似合う、猫の様な自由奔放な美女アルクはコツコツ歩きながらある場所に止まり、ガードレールに腰を引っ掛けた。
少し離れたベンチに座ると、数分もしない内に、黒い髪の学生服を着た青年が現れた。
「ちょいとカッコイイ、のびた君みたいな顔だ・・しかしあの顔はどっかで見た気がする。」
何かが沸き出してくる感覚。
オタクの前世の記憶が出てくる。
そう彼の名が出てくる。
そしてほんの少しだがこの先の出来事が浮かぶ。
あのアルクェイド・ブリュンスタッドと呼ばれる白い魔女を17分割に切り裂いた殺人鬼の名は
“遠野志貴”
人の死の線や点が見える
“直視の眼”
“魔法のお手伝いさんマジカルアンバー”
“洗脳探偵翡翠”
“知得留先生”
“白き月姫ファンタズムーン”
重要な言葉以外にも変な言葉が脳内に響く。


「貴方達、早速、協力してもらえるかな?」
アルクェイドの無茶な注文がなされる事となる。



数時間後のホテル
「まさか、ホテル一つを貸し切るなんて、思いもよらなかったわ」
アルクは最上階のスイートルームのベッドに腰掛けた。
「彼らは一体?」
「さあ、彼らは何者かは分からない。でも協力してくれのは本当だったみたいね」


ホテル内の廊下

「ジャック・バウァー少佐、何でこんなに爆薬や罠を仕掛けるんですか?」
ジャック・ドリフターズ改め、仮の身分としてイギリス軍の特務少佐のジャック・バウァーとして現場に指示を出した。
「ここに来る招かれざる客の為の歓迎さ」
ホテル全体に仕掛けを施す為に対魔組織の構成員をかなり借り出された。
「例の白衣の男ですか?」
「いや、白衣の男ではない・・しかしそれ位ヤバい奴だ。夜前にまでに準備したら、すぐに離れろいいな?」
「了解しました。」
ネロ・カオス・・666の使い魔と666の命を持つ男。
アーカードさんよりは使い魔の数は少ないが、ネロの命を殺さない限りは全ての命を潰さないといけない。

夕方

空になったホテルに送られてきたのは象撃ち用のマグナム銃
89式自動小銃
そしてアメリカ製の使い捨てのロケットランチャー
その日まで準備出来る銃器をかき集めて、夜を待った。
ペンウッド卿のツケは膨れあがり、ロブ・ウォルシュ中将とヒュー・アイランズ卿の二人の所にも送られてきた。
アイランズ卿やロブ中将がそのツケの額を見て、飲んでいた物を吹き出したのはゆうまでもない。



作者カキコミ

好みの胸は巨乳ではセルベリア大佐サイズ
ツルペタでは長門サイズ。
またはアーニャサイズ。
無口キャラでツルペタ最高ー!!巨乳でもあり。
ネタネタネタされどシリアスギャグ



[21187] ナカトミホテルと5人組
Name: マッチポンプさん◆7ecc4de2 ID:a0b119ad
Date: 2010/09/18 21:00
ガムテープで傷止めにしていたアルクの傷跡の消毒と包帯を巻いて処置を行った志貴は防音性の高い故に、作業に気がつかずにいつの間にか、最上階のスイートルームのベッドに眠りこけていた。
眼を覚ますと空は夕日が出ている。
部屋の冷蔵庫の飲み物を飲み干していた時である。
先程会ったばかりのアルクの協力者の男が先程のスーツではなく茶色のジャンパーを着て部屋に入ってきた。
「美女とのうたた寝はどうだったかな?少年」
「よく眠れましたけど、貴方は?」
「少々訳ありでね、化け物退治を行っている。スマンがこれに履き変えておいてくれ」
渡された靴は今の志貴が履いている靴と同じ柄だが、靴はやや重く頑丈であった。
「これは安全靴、そしてこれが」
更に幾つかの物を志貴に渡した。
特製の安全手袋(宇宙服の表面素材と同じ防熱と刃物に強い素材)と薄くて頑丈な防刃と防弾処置済みのジャンパーを渡した。
「このホテルが少し騒がしくなる。着る事で生存率が上がる」
「えっ?」
いきなりの展開に固まる志貴を尻目に、アルクの身を動かした。
「起きて、起きて下さいアルクさん」
「何?もう夜?」
「違います、ただこれからかなりデンジャラスな事が起こります。その為に早く起こしました。」
「・・・誰が来るのか。」
「貴女を追って日本に来た男、名前はネロ・カオス。」
「666の命を持つネロ・カオス!!」
「その通り、貴女はまだ完全回復はされていない。今の日本の対魔組織はロアかタタリの捜索と抹殺に眼を向けていた故に、ネロ・カオスの発見が遅れた」
「とりあえず、今いる場所の半径2キロ内は無人状態として封鎖済み、このホテルも購入したので発破しても問題なしです」
対魔処理の罠や通常の手榴弾やクレイモアみたいな罠を設置され。
従業員達も客も全員避難している。
「貴方達は一体?」
「我々は利害が一致しているんです。しかしネロ以外にも埋葬機関が動いている事も耳に入っています。」
「・・そこまでの情報をどうやって?」
「情報はないよりはあった方が良いでしょう、情報の有無で貴女やそこのシキさんに出会えたのですから」
「なら、それ以上の詮索は止めておくわ」
「ありがとうございます」

二人を部屋に残すと、最初に宿泊していた部屋に戻り。
夜までに武器の手入れと弾込める作業を行い、周囲の監視を強めた。


車一台、人も猫すらも通らぬ無人の街中を一直線に進む一人妙な風貌の男が歩いてくる。
「真祖の白き魔女、今度こそ仕留めさせてもらう」
男がデカイ魔力を感じるホテルの建物に近づいた瞬間、風を切る様な音と共に体内の使い魔が肉体をはい出て肉の盾となった。
使い魔の血と肉が顔にベチャリと飛び散る。
弾が飛んできた先はホテルの屋上
距離は約1・5キロ
「ふん、小賢しい」
足を早めながらネロ・カオスは体内より使い魔を取り出した。
盾になる使い魔とは別に蝙蝠やカラスが次々とネロの体より飛び出て狙撃を行っていると思われる屋上に殺到する。
「よってきやがった。お客さんの来店です」
スコープ付きのレミントンライフルで向かってくる敵に撃ち続けたが、使い魔に弾が当たるだけでネロの肉体には一切掠る事は無かった。
そうこうしている内にわさわさと黒いカラスや蝙蝠が近づいてくる。
「こっちにカラスや蝙蝠接近中、今度はグレーテルが奴に撃ち続けろ」
「は~い」
軽い返事と共に別の窓から機関銃の単発射撃がネロに撃ち込まれ始めた。
狙撃ライフルを置くと鳥類用の散弾入りのショットガンを構えて撃ち込んだ。
一発撃つ度に数体のカラスや蝙蝠に当たり、パラパラと地面に落下していくうちに、ネロはホテルの入り口近くにまで近づいてくる。
「大お兄様、あいつに当たっても中々倒せませんわ」
グレーテルの愚痴が通信機より伝わる。
最後の一羽を叩き落としてから、屋上の扉を開き室内に飛び込むと、
それと同時に入り口近く轟音が聞こえる。
「第一警戒網か、対魔結界と高圧電流の正面ゲートが破壊された。」
デカイ象に体当たりされた正面ゲートが突破された瞬間に突破用のデカイ象は、足元で感知する重さが調整された対戦車地雷で体が足と共に吹き飛び、黒い液体に変わる。
その黒い液体を体内に戻すと普通にホテルに入っていくと、ネロの目の前が強烈な光と音が襲い、正面と左右から法儀礼済みボールベアリングが乱れ飛びんだ。
M18A1クレイモアの20個の同時点火、更に相手の背後や左右から同時に跳躍地雷からのボールベアリングが180度全ての場所からネロを襲う。
ホテルの玄関は大量のボールベアリングの穴だらけとなるが、ネロは数体の使い魔を犠牲にしながらも瞬時に地面にこじ開けた穴に入り込み使い魔で蓋をした為に、顔にベアリングの一つが掠めた程度の傷しか負わせる事しか出来なかった。
体内から出した使い魔を先に進ませて、対魔結界や地雷や罠を潰した。
一度銀銃弾や罠で粉々になった使い魔もただの液体になりネロの体に戻るだけで、ネロにとっては大量の罠も有限でしかなく。無限の盾を持つ彼には痛くも痒くもない。
時より使い魔では防ぎきれずに少々ダメージは受けていたがそれは極々微弱なダメージであった。
ホテルも屋上の部屋の近くまで上った辺りで、地面がいきなり柔らかくなりをもつれさせた。
その途端に轟音と共にホテルの天井がネロの上に崩れ、盾として出た数体の使い魔と共に瓦礫が押し寄せられた。



ホテルの外


6.2L水冷V型8気筒ディーゼルエンジン音が無人の区画に響きつつ、5人を乗せたハンヴィーが30分程道を爆走していた。
「予想以上だ。まさかホテルをぶっこわして逃げないといけなくなるとは思わなかったぜ」
ハンドルを握りながらアクセルを全開にしたジャックはぼやいた。
「そういいながらしっかり逃走手段を準備しているのは準備が良いんだか、悪いんだか」
「ホテル吹き飛ばしちゃったけどよかったのかな?」
予想外のホテル爆破に遠野志貴はかなり動揺していた。
「一応売却済みだ、それに各関係機関には根回し済みだから大丈夫(多分)」

ジャックは笑って少しごましたが、遠野志貴はかなり不安そうな顔つきであった。




ぶっこわれたホテルの瓦礫からネロが這い出してその場を離れてから数分後

ピコピコと猫耳を動かす少年と寡黙な長いコートの男が瓦礫の山を眺めていた。
「アキバでセイバーのフィギュアを買って郵送に出した帰りに少佐とドクの命令で来たけど中々面白い事になっているよ」
少佐の命令でロアナプラからアキバに買物に行かせたシュレディガー准尉とその付き添いの為に極東に派遣された人狼のハンス・ギュンシュ大尉は急遽命令で情報収集にあたっていた。
「埋葬機関やらヘルシング機関がロアって奴を探しているみたいだね。それにネロって吸血鬼も中々面白いね大尉」
そう言った准尉の問いにコクっ意思表示を出そうとした瞬間、大尉は銃を引き抜き准尉に向けて投げつけられた銃剣を撃ち抜き准尉を庇う様に前に出て銃を構えた。
「いい月夜ね、化け物・・されば汝ら諸々の王よさとかれ、地の審判人よ教えを受けよ。
恐れをもて主につかえ、おののきをもて喜べ。
子に接吻せよ。恐らくは彼は怒りを放ち、汝ら途に滅びん。これは私の先生が言っていた言葉です。それではさっさと死んで下さいね」
月夜の光りが黒髪の少女の眼鏡を怪しく輝かす。
無数に飛び交う銃剣と銃弾が唸る。
彼女の名はシエル・・彼女は神の代理人、神罰の代行者、彼女の指名は神に逆らう愚者をその肉の一辺まで殲滅する事。
「塵に等しい貴方達は塵に帰れ」





作者

セイバーは俺の嫁


アキバでセイバーのフィギュアを買わせに行かせたのは極東編の伏線である。
又は月姫の伏線っす。



[21187] 最終回?・・全てを終わらせる為に?
Name: マッチポンプさん◆7ecc4de2 ID:2a90126e
Date: 2010/09/19 09:56
ネロをおびき寄せた遠野志貴とアルクと三人は遠野志貴の隠された力である直死の魔眼でネロ自身の命の中心を突き刺し倒す。
大尉との戦いに燃えてネロへの対処が遅れたシエルは埋葬機関から始末書をかかされる。
ロアも志貴と同様にジャックはロアナプラで使用したバレットアイ(バレットタイム・・映画でよくある複数のカメラを使用し複数の視点から映す事でシーンがスローモーションに見える演出)
で素早い動きのロアを見つけ、志貴に突き進むナイフを撃ち抜いた。

またまた遅れてきたシエルと戦いとなるが、再度大尉の介入によりうやむやとなる。



そして・・任務を終えた三人がロンドンで死闘を繰り広げる事となる。


V2改及びV1改ミサイルが全て迎撃され、各所を襲い混乱させる為の使い捨ての連中やインスタントの吸血鬼達も、全てジャックやヘルシング機関の素早い動きにより制圧された。
(予定とは違うが仕方ないか。)
裏切る予定が上手くいかなったウォルターは内心少し残念な気分になりながら、敵を始末していく。

飛行船が次々に墜落しつつ何とか降り立った大隊の生き残りはいきなり無数の銃剣に迎えられた。
満面の笑みを浮かべるアンデルセン神父とシエルの師弟コンビやイスカリオテの武装神父隊に殲滅されていく。

それでもゾーリンに斬られるベルナデット隊長、
婦警の覚醒・・ナチの吸血鬼を次々と紅葉下ろし、紅葉下ろし。


そしてもう一つの戦いが始まる。

「久しぶりですね大尉さん。」
「・・・」
「あの時の続きです。」
片手には亡き姉と弟の使っていたBARと斧を構えた。
「すでに決着はついた。少佐はインテグラ局長と撃ち合いで死に、博士も墜落した時に1分の1のセイバーのフィギュアに頭を打ちって死んだ、そしてあんたの大切な准尉もアーカードさんと刺し違えた。それでも貴方の腹は収まらないだろう・・大尉、いやハンス・ギュンシュ」
それを聞いた大尉の返答は言葉ではなく行動で返答した。
いきなりコートが破れ中から白銀の毛でフサフサとなった。
「俺も貴方も50年前に死にべきだった。精神は俺が乗りうったが肉体は常に戦いを望んでいた。この肉体は恐らくミレニアム機関が改造した異能者。ならばここで貴方を道連れにさせてもらうよ」


人狼の大尉とジャックが互いに火花を散らし殺しあった。






そして全て白く包まれる。









「そうか、俺はこの世界にいて良いんだ」
空間と周囲の何かが割れる音と共に取り囲むように拍手が聞こえる。
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」

「ありがとう」





世界中の全ての人々にありがとう。













作者自宅

ジャック・ドリフターズ「おい何だこのラストは?ふざけるな」
ヘンゼル&グレーテル「ぶうぶう勝手殺さないでよ」
ベルナデット「俺の扱い酷くないか?」

周囲をギラギラとした目つきの人達が一同に作者は取り囲まれた。
作者「ネタに詰まったんで、つい」
ジャック「だから某新世紀ネタはありえない」
作者「マジすいません」
ジャック「打ち切り漫画的な最終回はダメ」
作者「では、俺達の戦いはこれからだ」
ベルナデット「却下だ」
作者「青空に笑顔」
ヘンゼル&グレーテル「そんなの却下、却下、却下ー」
作者「最終回を却下」

ギャフン・・。



ある作者の日記


蚊に刺された所が妙に痒い、薬を塗ってからキーボードを打ち始める、ネタが浮かばない。

明日は仕事~何だかダルい


昨日かラ何度か書き直シテいるガ、中々ネタが浮かばナイ。

ヘルシングのTV版のDVDヲ見た。
コノネタならばいける。

蚊ニ蚊にサレタ所ガ痛イ。
薬ヲ塗リナオス。

休日シュッキン疲レタ
土曜キンムと代休ナシ

コシガイタイ
ダニニ足ヲカマレタ

ヨウツウガスルノデセイコツインニイク

ネムタイ・・アシガカユイ

ヤスミナシデネムイ・・チンギヤスイ
アシガカユイ

カユイ・ネムイ、カユイ・ネムイ、
カユ・ネム


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