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私は北朝鮮スパイではない 15年服役の在日男性に再審認められる

 北朝鮮スパイとされ韓国で国家保安法違反罪などでの無期懲役判決が確定し、1996年まで15年間服役した在日韓国人の元サムスン電子社員、李憲治(イ・ホンチ)さん(58)=神戸市在住=に対し、ソウル高裁は20日までに再審開始を決めた。

 在日韓国人政治犯では、7月に京都市の男性が初の再審無罪判決(その後確定)を受け、8月に奈良市の男性も再審が決まったが、李さんは一審で死刑、上訴審で無期懲役判決を受け、これほどの重罪に問われた人の裁判やり直しは初めて。

 韓国国防省が2007年、李さんの事件はでっち上げられた疑いが強いとの調査報告をまとめており、再審で無罪判決が出るのは確実だ。

 確定判決では、神戸生まれの李さんは日本の大学在学中に北朝鮮工作員の指示で北朝鮮へ密航して教育を受け、機密探知目的でサムスンに入社、韓国入りしたとされた。

 しかし、国防省調査で工作員は存在自体が確認できず、李さんが北へ渡ったとされる時期に日本にいたとのアリバイを大学教員が証言した。高裁決定は、李さんが81年10月に軍保安司令部(現・機務司令部)に令状なしに連行され、19日間の不法監禁と拷問があったと認めた。

 当時、臨月だった妻の朴貞淑(パク・ジョンスク)さん(53)も同時に連行され、6日後に軍施設で長男を出産。李さんは出産直後の妻子の姿を見せられ「もう一度顔を見たければ言うとおりにしろ」と脅され捜査官が作成した「犯罪事実」を陳述書に書き写したと訴えてきた。

 韓国では70〜80年代に在日韓国人の「スパイ事件」の摘発が頻発したが、民主化運動つぶしのため事件が多く捏造された疑いが強い。李さんは「少しでも早く無実を証明して被害の存在を日韓の社会に知らせ、他の被害者の名誉回復の力にもなりたい」と話している。 (共同)

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年09月20日 16:19 ]

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