ルース駐日米大使:広島平和記念式典に初の出席

2010年7月29日 12時8分

 【ワシントン草野和彦】クローリー米国務次官補(広報担当)は28日の記者会見で、ルース駐日米大使が8月6日、広島市で開催される平和記念式典に出席することを発表した。原爆を投下した米国の代表として米大使が平和記念式典に出席するのは初めて。

 国務次官補は大使出席の理由について「第二次世界大戦のすべての犠牲者に敬意を表するため」であり、「今こそ出席するのが適切だと判断した」と説明した。8月9日に長崎市で開かれる平和祈念式典への大使出席については、否定的な見解を示した。

 一方、オバマ大統領が今年、被爆地を訪問するかについて、ホワイトハウス高官は毎日新聞の取材に「発表の予定はない」としている。米国内では依然として大統領の被爆地訪問に反対する声がある中、初の大使の式典出席を実現させることで、大統領の核軍縮・不拡散に取り組む姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。

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 ルース大使の平和記念式典出席に関し、仙谷由人官房長官は29日午前の記者会見で「原爆投下の惨禍を繰り返してはならないという、核軍縮に向けた我が国の強い願いへの理解を深める機会になる」と述べ、核兵器使用国である米政府代表の初出席を歓迎する意向を示した。

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