野球:ヤン・ジュンヒョク、18年の現役生活にピリオド(下)
SKの先発・金広鉉(キム・グァンヒョン)は、2007年4月のデビュー戦で本塁打を浴びたヤン・ジュンヒョクに対して、「ヤン先輩から三振を奪う。それが先輩に対する礼儀だ」と言い、その約束を守った。ヤン・ジュンヒョクは初打席で空振り三振に倒れ、4回と7回の打席でも三振した。9回裏の最後の打席では、ソン・ウンボムに二ゴロに仕留められたが、一塁へ向かって全力疾走した。常に最善を尽くすヤン・ジュンヒョクらしい最後だった。
ファンは、ヤン・ジュンヒョクの最後のプレーをあたたかく見守った。平凡な送球を受けるときも、外野手として平凡なフライを処理するときも、大きな歓声を上げた。
■SKマジック1
ヤン・ジュンヒョクはこの試合への出場自体が記録だった。ヤン・ジュンヒョクは2135試合出場、7332打数、2318安打351本塁打など、9部門で韓国プロ野球の通算最多記録を保持している。サムスンの宣銅烈(ソン・ドンヨル)監督やSKの李万洙(イ・マンス)コーチは、「このようにファンの祝福を受けながら引退するヤン・ジュンヒョクを、ほかの選手も見習うべき」と話した。
この日は、ヤン・ジュンヒョクの最後を見ようとするファンの間で、「チケットの争奪戦」も繰り広げられた。13日に発売が開始されたインターネットによる前売り券は、7000枚が25分で完売し、当日券3000枚も55分で完売した。およそ100人のファンは、チケットを購入するため、試合前日から球場の周りにテントを張って順番待ちをした。球団関係者は、「ヤン・ジュンヒョクのユニホームを着たファンが普段より2倍ほど多かった」と話した。なお、闇チケットは、一般席(6000ウォン=約440円)が6万-7万ウォン(4400-5200円)に跳ね上がったとのことだ。
この日の試合はレギュラーシーズンに1位を競う両チームの最終戦でもあった。試合はSKが3-0で勝利し、SKは、レギュラーシーズン1位のマジックを1とした。金広鉉は、8回を8奪三振無失点に抑える好投を見せ、17勝目を挙げて最多勝争いの単独トップに立った。
大邱=チョン・セヨン記者