巨額の外貨建ての資産を抱え、政府の事業仕分けの対象となっているいわゆる「外為特会」は、急激な円高で保有する資産の評価額が目減りして、いわば債務超過の状態に陥り、事業仕分けの議論にも影響しそうです。
国の「外国為替資金特別会計」、いわゆる「外為特会」は、為替市場への介入に備えてアメリカ国債など外貨建ての資産を管理するもので、今月15日に政府・日銀が行った市場介入でもこの特別会計が利用されました。外為特会は、為替相場の変動で資産の評価額が目減りするのに備えて、およそ20兆6000億円の積立金を持っています。しかし、急激に円高が進んだことから、大幅に膨らんだ評価損が積立金を上回り、1ドルが85円として、11兆7000億円余りのいわば債務超過の状態になっているということです。外為特会は政府が来月から行う事業仕分けの対象になっており、財政事情が厳しいなか、積立金を取り崩して来年度予算の財源に充てるべきだという意見が出ています。一方で、債務超過の状態で積立金を取り崩せば財務状態がさらに悪化するだけに、円高が事業仕分けの議論にも影響することになりそうです。