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“でか目アイメイク”で目の障害が急増

日経ウーマンオンライン(日経ヘルス) 9月16日(木)12時57分配信

“でか目アイメイク”で目の障害が急増
目に悪いアイメイク
間違ったメイク落としでコンタクトレンズの変形も

最近、若い女性向けファッション誌のメイク記事のトレンドは「でか目&たれ目」。パッチリした「目ヂカラ」のあるメイクを実現するため、メイクはどんどん派手になり、その影響は30代、40代の女性にも広まりつつある。こうしたなか、アイメイクの目の健康への影響について、眼科医たちが警鐘を鳴らし始めた。特にコンタクトレンズ利用者は、裸眼より目の負担が大きいので、より目にやさしいメイク習慣を心がけたいという。

【詳細画像または表】

 象徴的なアイメイクトレンドがインラインメイク。アイラインは、本来、まつ毛の外側に入れるのが基本だが、最近では、まぶたの内側の粘膜までアイラインを入れる人が増えてきた。確かに目元がキリッと引き締まるが、化粧品メーカーの想定外の使い方であり、このメイクが原因の目のトラブルで眼科を訪れる人が増えているという。

月山医長とチバビジョンによるアイメイク習慣の調査結果では、専用クレンジング剤を使わない人や、レンズ装着のままメイク落としをする人が多いことがわかった。しっかりアイメイクをする人ほど、目のトラブルが多いことも判明。

 博寿会山本病院眼科の月山純子医長は「まつ毛の内側にはマイボーム腺という分泌腺があり、わずかに脂肪分を分泌している。それによって目の表面に薄い油膜ができ、乾燥から守っている」と話す。そのため、マイボーム腺を化粧品でふさいでしまうと、ドライアイを悪化させたり麦粒腫(ばくりゅうしゅ)<ものもらい>の原因になる。また、インラインメイクをしている人はアイシャドーも目の粘膜のギリギリまで入れることが多いので、化粧品が目に入り角膜を傷つけるなどの原因になる。

 国民生活センターにはアイメイクのほか、まつ毛エクステ、まつ毛パーマなどによる目のトラブル例が多数報告されている。そして目に悪いアイメイクの方法として、まぶたの際の粘膜に化粧をする例を挙げ、ドライアイの原因にもなりやすいとしている。

 特にコンタクトレンズをしている人は、ドライアイや異物の影響を受けやすいので注意が必要だ。月山医長は「油性の化粧品はレンズに付着すると落ちにくい。しかもメイク後の手には目に見えない化粧品成分が付着する。メイク前に入念に手を洗ってレンズを装着するように心がけてほしい」と話す。

 さらに、月山医長とコンタクトレンズメーカーであるチバビジョンは、メイク落とし時にもレンズトラブルが起こり得ることを共同研究で明らかにした。シリコーンハイドロゲルなど高酸素透過性素材のソフトコンタクトレンズの一部がクレンジングオイルと反応し、レンズの白濁や変形が起こり得るというもので、今月、研究成果をまとめた論文を発表する予定だ。

 メイク落としの方法だが、手にクレンジングをつけてメイクを落とすやり方は、化粧品成分が目に入りやすい。目の健康を守るためには、コットンや綿棒にクレンジングをつけて丁寧にふき取ってほしいと月山医長。使い捨て以外のレンズは使用後にしっかりこすり洗いをして汚れを落とすことをお忘れなく。

Profile月山 純子 眼科医長
博寿会山本病院
近畿大学眼科非常勤講師を兼務。コンタクトレンズとメイクの関係を研究。「アイメイク習慣などライフスタイルに合ったコンタクトレンズを眼科医と相談して選ぶことも大切です」。

荒川直樹=科学ライター


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最終更新:9月16日(木)12時57分

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