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押尾被告 えっ!?オレが実刑?…即日控訴

 押尾学被告裁判の傍聴券を求めて列を作る人と報道陣でごった返す東京地裁前
 押尾学被告裁判の傍聴券を求めて列を作る人と報道陣でごった返す東京地裁前

 合成麻薬MDMAを一緒にのんで死亡した飲食店従業員・田中香織さん=当時(30)=を救命しなかったとする保護責任者遺棄致死と、麻薬取締法違反(譲渡、譲り受け、所持)の罪に問われた元俳優・押尾学被告(32)の裁判員裁判が17日、東京地裁で開かれ、懲役2年6月(求刑懲役6年)の判決が言い渡された。地裁は争点となった保護責任者遺棄致死罪の「致死」の部分を認めず求刑を下回る判決となったが、押尾被告は「執行猶予付き」なのか「実刑」なのか理解できず、閉廷後に担当弁護士から実刑判決であることを知らされ、肩を落とした。押尾被告は判決を不服として即日控訴した。

  ◇  ◇

 「被告人を懲役2年6月に処する。未決こう留日数中180日をその刑に算入する」‐。開廷直後の法廷に裁判長の乾いた声が響き渡っても、押尾被告は表情を変えることなく平然としたまま。それもそのはず、実刑を告げる主文を聞いてもそれが「執行猶予付き」なのか「実刑」なのか理解できていなかった。

 執行猶予を求め、裁判員に「見殺しにしていない」と訴え続けてきた。検察側は保護責任者遺棄致死罪までを含めた懲役6年の求刑に対し、判決は“減刑”された形の懲役2年6月。約40分間の判決理由読み上げが終わり、弁護団の説明でやっと実刑判決を理解すると、押尾被告はへなへなとイスに崩れ落ちた。

 判決では、押尾被告の主張に対して、厳しい言葉が並んだ。山口裕之裁判長は「自己保身のため、自らに責任のある保護をしなかったことについて酌量の余地はみじんもない。保護責任がないと主張するなど、真しな反省の情は皆無」と実刑の理由を挙げた。

 主な争点となったのは、MDMAを持参したのはどちらか、救命は可能だったか、の2点。

 MDMAは押尾被告が譲渡したものだと認定し、事件前に田中さんに送った「すぐいる?」というメールの意味を“自分の体のこと”との主張を「被告人の弁解は虚偽」と一蹴。

 即日控訴 しかし、保護責任者遺棄致死罪については「被告以外に田中さんの生存に必要な保護をできる人間はいなかったのに、119番通報しなかった」と指摘したものの、「救命が確実だったか合理的な疑いを入れない程度に立証されているとはいえない」と“遺棄罪”までにとどめた。

 芸能人初の裁判員裁判で実刑判決を受けた押尾被告は、地裁地下で会った弁護団に再び刑を確認。「がっかりしていた」(弁護団)という落ち込みようも即日控訴。今後は、高裁という審判の舞台に立つことになる。

(2010年9月18日)

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