「WBA世界フライ級タイトルマッチ」(25日、東京ビッグサイト)
王者・亀田大毅が「相撲トレ」で王座防衛を果たす。17日、東京・葛飾区の亀田ジムで公開練習を行い、1カ月半前から「相撲トレーニング」を導入していることを明かした。大相撲の元横綱朝青龍のマネジャー一宮章広氏(32)の実兄で元プロレスラーの一宮章一氏(41)を練習パートナーに迎え、下半身を鍛え上げた。挑戦者・坂田の猛烈アタックに押し負けない下半身をつくり“横綱ボクシング”でベルトを堅守する。
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挑戦者の前進を真っ正面から受け止め、パワーではね返す。「1カ月半前から相撲の練習を取り入れた。100キロ以上ある人と相撲の練習をしてきた。目的はパワーアップ。坂田選手は下がったことないから、俺が押し込む」。大毅は鍛え上げた太ももをさすりながら笑顔で語った。
練習で取り入れたのは、相撲のけいこの一環として行われる「押し相撲」。胸を出すパートナーの胸に頭を付けて押し込む練習だ。ミット打ちの直後にグローブを装着したままリング上で「押し相撲」を行う。この1カ月半の間、1日1ラウンド、3分間みっちりけいこを行ってきた。
「相撲トレ」は突貫ファイターの坂田に押し負けないためのものだ。接近戦を得意とする坂田は、馬力にものをいわせ接近戦での「押し合い」に絶対の自信を持っている。坂田に負けない接近戦での「押し」の強化には、相撲の「押し相撲」が最も効果的と考えた。
パートナーとして迎えたのが元プロレスラーの一宮章一氏。亀田家と親交のある朝青龍のマネジャーの実弟・章広氏の紹介。章一氏は学生相撲出身で、東日本学生相撲選手権2位の実績を持つ。現在の体重は、フライ級リミット50・8キロの約2倍の110キロだ。
連日、坂田の2倍の体を押し続けた大毅は「ふくらはぎと太ももがパンパン。効果は絶大やで」と収穫のほどを口にした。一方の一宮章一氏は「最初のころと比べると足腰がだいぶ強くなった。押す力もだいぶついたし、下半身が安定してきた」と太鼓判を押した。