広島平和式典:米英仏が初出席 核軍縮へ結束

2010年7月26日 15時1分

 米英仏3国が、来月6日に広島で行われる平和記念式典にそろって出席することがほぼ決まった。在京外交筋が26日明らかにした。核兵器を保有する西側3カ国の式典出席は初めて。3カ国は今春以降、駐日大使館レベルで協議してきた結果、犠牲者の慰霊と核軍縮・廃絶への結束した意思を示すことで一致した。【西川恵】

 国連安保理常任理事国で、核政策で緊密に連携する3カ国の式典出席は、核開発を続ける北朝鮮やイランに一致した強いメッセージを送る機会にもなる。式典には駐日大使館ナンバー2の公使級が出席する予定。

 これまで式典に出席しなかった米英仏が方針転換したのは、昨年4月にオバマ米大統領がチェコのプラハで行った核廃絶演説がきっかけ。米国は原爆投下について「戦争終結を早めた」と正当化してきたが、大統領が「核なき世界」を打ち出し、今年5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議でも取りまとめに強いイニシアチブをとった。昨年10月にルース駐日米大使が広島原爆慰霊碑に献花したのもこの脈絡にある。

 ◇長崎も検討

 米英仏は8月9日に長崎で行われる平和祈念式典についても出席を協議している。

 広島市は98年から核保有国に式典への招待状を出し、同年にインド、パキスタン、その後、ロシア(00年)、中国(08年)、イスラエル(09年)が出席。核保有国では米英仏だけが残っていた。

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