2009年02月17日
崩壊系イラスト・小説
少女が独り、ワンピースを纏い小部屋に立っている。黒い髪をおかっぱにしていて、前髪は少し眼に掛かっていた。
僕も同じ小部屋のなかに居て、丁度少女と向かい合う位置に立っている。望んできたわけではない。目を瞑った瞬間、この小部屋に落とされていた。身動きは一切取れない。
少女はこちらを僕をずっとみている。口元は裂けんばかりに吊り上がり笑っている。
否、笑った形をしている。ずっとその形だ。そのまま少女は叫ぶように繰り返しつぶやきつづけている。
「真赤ナ緑ノ真赤ナ緑ノ」
少女の目は虚ろでありながら、僕を間違いなくみている。それも何か念の籠もった眼でみている。その眼には想いがある。マイナスの感情が込められているのだろうが、睨んでるとは言えないが、直視されている。瞬き一つしない。
僕は眼をそらし部屋をみた。部屋は壁も床もペンキで真っ白だ。
少女の向こう側。部屋の左側奥に出口、扉が一つあった。扉の下の隙間からは真赤な血液がドロドロとマグマのようにこぼれ、流れ、白い床を徐々に犯していた。おそらく、このまま血液が流れ続ければこの小部屋は血液に満たされ少女も僕も血液により溺れ死ぬ。おそらく肺を血液が満たし生暖かい中での溺死だろう。耽美な瞬間かもしれない。
天井をみるとスプリンクラーがあり、そこから甘い香のする液体が降っていた。液体はだけに降り掛かり少女を濡らしていた。液体に濡れたワンピースは少女の身体のラインにぴったりとまとわりつき透けて未発達な胸や未だ毛の生えていない秘部を見せていた。
小部屋のなかでは僕は何も出来ない。
突然小部屋をビートが満たした。
ミュージック、テクノだ。
少女のつぶやき「真赤ナ緑ノ」に合わせたドラムンベースビートだ。
真赤ナ緑ノ真赤ナ緑ノ真赤ナ緑ノ真赤ナ緑ノ真赤ナ緑ノ・・・
ビートに合わせ僕の身体は僕の意識を無視して動き始めた。つまりはきっと僕の頭はイカレテルいや、これからイカレルのだ。
あぁ、夢なら醒めてくれ。
僕はまともでありたい
しかし、そして、音に支配されながらも解放された僕の身体はビートに合わせ
踊った。