2010年7月25日 19時28分 更新:7月25日 20時37分
【ソウル大澤文護】韓国海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没事件への対抗措置となる米韓合同軍事演習「不屈の意志」が25日、日本海で始まった。演習に参加する米原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)は同日朝、停泊していた釜山港を出た。北朝鮮労働党機関紙・労働新聞は同日、「新たな朝鮮戦争を挑発することで共和国(北朝鮮)を力で制圧し、ひいてはアジアに対する軍事的支配権を確立しようとするのが米帝の戦略的目標だ」と演習実施を強く非難した。
演習は28日まで。北朝鮮に米韓同盟の結束を誇示し、新たな軍事的挑発を抑止するのが目的。参加するのは▽GWや米原子力潜水艦、韓国の大型揚陸艦「独島」など約20隻▽米ステルス戦闘機F22、対潜哨戒機など約200機▽両国軍の計約8000人にのぼる。
韓国軍当局によると27日には、実際に発射された魚雷を爆雷などで破壊する訓練が予定されている。そのほか空軍機の空中給油、海軍艦艇による対潜哨戒・攻撃訓練などが実施される。日本海側の南北軍事境界線となる「北方限界線(NLL)」付近も今回の演習海域に含まれる。
今回の演習は中国の反発を考慮して日本海側に限定された。しかし、米韓両国は今後、日本海と黄海の両方で数カ月にわたって演習を実施すると公表している。北朝鮮は今後、強硬姿勢を強めるとみられ、韓国軍は北朝鮮軍の動向を注視している。