米国:銀行破綻100行突破…昨年より3カ月早く

2010年7月24日 12時4分 更新:7月24日 12時9分

 【ワシントン斉藤信宏】米連邦預金保険公社(FDIC)は23日、フロリダ州の地銀など計7銀行が経営破綻(はたん)したと発表した。これで米国内で今年破綻した金融機関の数は計103行となり、100行の大台を突破した。08年秋の金融危機の影響で米国景気に急ブレーキがかかった09年と比較しても約3カ月早いペースで、地方の中小金融機関を中心に、米国の金融機関の苦境が続いていることを改めて浮き彫りにした。

 この日破綻したのはフロリダ州のスターリング・バンクなど中小銀行で、預金は全額他行に引き継がれる。

 米大手金融機関6社の業績は、10年7~9月期の決算でいずれも黒字を確保するなど堅調だが、地方の中小金融機関は個人向けや商業不動産向け融資の比率が高く、雇用悪化の影響で融資の焦げ付きが膨らんでいる。

 FDICによると、財務状況の悪化した「問題銀行」が3月末時点で775行と、09年末(702行)から約1割増加している。FDICは、金融機関の破綻が今年7~9月期にピークに達し、今後は緩やかに減少すると見込んでいるが、景気動向次第では、さらに破綻件数が大幅に膨らむ可能性もある。

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