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【北朝鮮問題】平壌でヤミ市沸く 野菜、果物、牛肉…法外な韓国即席めん2010年9月3日
【ソウル=城内康伸】本紙は北朝鮮の首都・平壌市内のヤミ市場で7月末に撮影された動画を、同国関係者を通じて独自に入手した。映像には、肉や野菜などの生鮮食品が比較的豊富に並んでいる市場の様子が収められている。平壌市内で開かれた非合法市場の映像は珍しい。 関係者によると、入手した映像は平壌中心部に位置する西城区域で撮影された。地元では「バッタ市場」と呼ばれ、当局の許可なしに開くヤミ市場の様子が映し出されている。 アパートに沿った路上の両脇に数百メートルにわたり、平壌市民らが包みを広げて並び、白菜やキュウリなどの野菜や桃、柿などの果物、魚や牛肉など持参した品物を売っている。韓国の即席めんを売る若い女性の姿もあった。 同市場では、長さ約50センチの魚が1匹1500北朝鮮ウォン、柿数個が500ウォン、韓国の即席めんが500ウォンで売られていた。韓国統一省によると市民の平均月給は2000〜3000ウォンとされ、市場に並んだ食品は法外な価格だ。北朝鮮ウォンの中国通貨に対する相場は8月5日現在で1元(約12・52円)=100ウォン。 北朝鮮は昨年末、デノミネーション(通貨呼称単位の変更)を電撃実施し、市場統制を強化。デノミ実施は物価を急騰させ、市民生活に大混乱をもたらした。国民の不満の高まりに直面した当局は今年春ごろから、市場統制を緩めている。 北朝鮮の専門家は映像について「商品の豊富さを見ると、デノミの後遺症から回復している様子が分かる。これだけ大規模なヤミ市場が開かれているのは当局も事実上、黙認しているはずだ」と話した。 PR情報
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