金賢姫元死刑囚:「新しい情報出ず」面会のめぐみさん両親

2010年7月22日 11時14分 更新:7月22日 12時4分

金賢姫元死刑囚との面会を終え、記者会見をする横田滋さん(左)と早紀江さん夫妻=長野県軽井沢町で2010年7月22日、西本勝撮影
金賢姫元死刑囚との面会を終え、記者会見をする横田滋さん(左)と早紀江さん夫妻=長野県軽井沢町で2010年7月22日、西本勝撮影

 北朝鮮の元工作員、金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚(48)と21日夜、初めて面会した拉致被害者の横田めぐみさん(行方不明時13歳)の父滋さん(77)と母早紀江さん(74)が22日朝、長野県軽井沢町で記者会見した。滋さんはめぐみさんの消息について「特段新しい、期待していたような情報は出なかった」と述べた。金元死刑囚は「めぐみさんと1回だけ会ったことがある」と改めて話したが、詳しい時期や場所などについては語らなかったという。

 金元死刑囚によると、めぐみさんが日本語を教えていた同僚工作員の「金淑姫(キム・スクヒ)」に「久しぶりにめぐみさんに会いに行くので一緒にどうか」と誘われ、初めてめぐみさんに会ったという。韓国料理のチヂミをごちそうになり、印象は「素直で物静かな感じだった」。

 同僚工作員は金元死刑囚に「猫が好きで、たくさん飼っていた」「言葉の表現がおもしろくて、いつもみんなを笑わせていた」などと、めぐみさんについて話していたという。

 金元死刑囚や帰国した拉致被害者のこれまでの証言では、めぐみさんは80年代前半~84年末、同僚工作員と拉致被害者の田口八重子さん(行方不明時22歳)と3人で一緒に暮らし、同僚工作員に日本語を教えていたという。金元死刑囚がめぐみさんと会ったのはこの後で、大韓航空機爆破事件のために北朝鮮から出た87年10月ごろまでの間とみられる。

 北朝鮮は、めぐみさんは「94年4月に病院で自殺した」と説明しているが、金元死刑囚は「絶対に生きている。希望を持って頑張ってほしい」と激励。早紀江さんは「勇気をもらった。(拉致被害者家族が)誰も倒れないうちに一刻も早く、元気でいる姿を一目見られるよう頑張っていきたい」と声を震わせた。

 金元死刑囚は昨年になって、日本政府関係者に「めぐみさんと会ったことがある」と証言したことから、拉致被害者家族会などがめぐみさんの家族との面会を求めていた。

 金元死刑囚は22日、東京に移動し、他の拉致被害者家族らと面会し、23日に韓国に帰る。【袴田貴行】

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