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【国際】

ジョンウン氏「後継」文書 北朝鮮一般党員が学習

2010年9月19日 07時01分

 【ソウル=城内康伸】北朝鮮が金正日(キムジョンイル)総書記(68)の三男ジョンウン氏への後継体制を構築するため、朝鮮労働党員に学習させている内容が十八日、明らかになった。北朝鮮関係者を通じて確認した内部文書には、「先軍(軍事優先)革命の偉大な継承者としての品格と資質を備えられた」などと記されている。ジョンウン氏の要職就任が焦点となる党代表者会の開催を控え、同氏の知名度を高める作業が進んでいるようだ。 

 北朝鮮関係者によると、文書は首都平壌中心街の地区党幹部が八月、一般党員を対象にした学習で使用したとされ、本紙は文書の一部が撮影された写真で内容を確認した。

 文書ではジョンウン氏を「青年大将 金ジョンウン大将同志」と表現。「敬愛する最高司令官同志(金総書記)」が「文武を兼ね備えた傑出した政治家、無敵必勝の名将の資質と品格を身につけさせるのに、この上ない大きな心血を注がれた」と記述。

 さらにジョンウン氏が「白頭(北朝鮮が金総書記が生まれた聖地とする山)で立てた先軍の旗を変わりなく高く掲げていくよう、(金総書記は)最大の関心を傾けられた」として、ジョンウン氏への権力継承の正統性を強調している。

 「金日成(キムイルソン)軍事総合大学卒業証と金日成軍事総合大学研究院(大学院修士課程に相当)卒業証の授与を受けた集い」に参加したと記されていることから、ジョンウン氏の学歴の一部が分かる。

 文書は「(金総書記は)人生の第一歩を踏み出した私に、銃隊の深遠な真理を与え、銃隊と縁を結ぶようにしてくださった」とのジョンウン氏の発言も紹介している。

 母親については「尊敬するお母さま」とだけ記しており、母親の高英姫(コヨンヒ)さん(二〇〇四年に死亡)の名前は伏せられていた。

 北朝鮮関係者は「いま一般党員まで、ジョンウン氏を称賛する内容を暗唱できる程度になるまで、繰り返し学習させられている」と説明している。

(東京新聞)

 

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