野球:釜山ドーム構想、費用問題で足踏み(下)

■成功の可能性は?

ロッテの観客動員力に複合施設も加わり有望

 これまで国内のドーム球場建設は、膨大な建設費用がかかる割には収益性が不透明で、リスクが高いとされてきた。釜山ドーム球場の建設には、約8000億ウォン(約576億円)の費用を要するが、そのほとんどは土地の買い上げ料とされる。

 しかし豊山グループは、同グループが所有する土地を利用するため、建設費の総額を半分の4000億ウォン(約288億円)に抑えることができる、と見込んでいる。さらに豊山側は、同費用をドーム球場周辺の開発利益を通じて回収する計画だ。

 つまり、ドーム球場を皮切りにレジャーや医療、居住施設を造成することで、新たな収益を生み出す地域として発展させたい考えだ。また、ドーム球場の近くにある盤松農産物市場やソクテ川の湿地公園、ソクテ樹木園などと共に、地域一帯を人と自然が共存する環境配慮型の自然公園に作り上げることで、経済効果を拡大することができる、というのが豊山側の説明だ。

 こうした動きと関連し、野球やスポーツ産業の専門家は、韓国でドーム球場の経営が最も成功する地域として、ソウルよりも釜山を挙げている。その理由としては、釜山が人口400万人を超す大都市である上、自他共に認める野球都市だからだ。

 釜山に本拠地を置くロッテ・ジャイアンツは、2007年と08年に2年連続で観客動員数130万人を突破し、国内最多の観客動員記録を打ち立てた。米国の元メジャーリーガー、ジェリー・ロイスター監督でさえ「釜山ファンの野球熱は、世界でも最高水準」と、豪語するほどだ。

 ただし釜山は、多くの人口を抱えている一方で、市民が楽しむことのできるレジャー施設が不足している。このため、ドーム球場と共に複合レジャータウンが建設されれば、市民の余暇生活はもちろんのこと、海外からの観光客も増えるなど、各分野への波及効果は高い、と期待されている。

高錫泰(コ・ソクテ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る