野球:釜山ドーム構想、費用問題で足踏み(上)
「野球の街」として脚光を浴びている釜山市には、ドーム球場の建設計画がある。しかし、釜山市のあいまいな態度により工事は一向に進んでおらず、1年にわたって足踏み状態のままだ。釜山ドーム球場の建設事業については2009年7月、豊山グループの柳津(リュ・ジン)会長がソウル商工会議所で開かれた官民合同会議で、李明博(イ・ミョンバク)大統領に報告した。全国経済人連合会副会長を務める柳会長は、大企業の積極的な投資が雇用を創出し、全体的な経済成長をもたらすとの観点から、ドーム球場の建設を計画した。
豊山は、釜山市海雲台区盤如洞にある豊山海雲台工場一帯を開発し、ドーム球場を含む最先端の「スポーツ・コンプレックス」(いくつかのスポーツ競技施設を併せ持った施設)を建設したい考えだ。豊山が所有する土地は、海雲台の新市街地から北西に約10キロの所にある。1950年代に弾薬製造など軍事産業中心の工場が建てられた場所で、1987年に軍事施設保護区域から解除されたものの、いまだ開発制限区域となっている。これに対し、豊山側は「開発予定地43万坪(約142万平方メートル)のうち、約21万坪(約69万平方メートル)は調整可能地域に指定されており、公益を伴う開発は可能というのが国土海洋部の指針」と、法律上は一切問題ない点を強調している。
だが、「公益を中心とした開発をすべき」とする政府の指針に従って、釜山市が建設費用の50%以上を支払わなければならないため、着工が遅れている。豊山側は「建設後に寄付するなどの形でドーム球場の所有権を市に移管することもできる。現在、韓国国内にはドーム球場が一つもなく、これを建設することは公益に一致するため、釜山市の積極的な協力が必要だ」と主張した。同グループは、ドーム球場と共にホテルやショッピングモール、公園、医療施設、居住施設が共存する環境配慮型の複合団地を開発する計画で、これにより約15万人の雇用創出と7兆ウォン(約5036億円)の経済効果がある、と見込んでいる。