【ルポ】豆満江周辺で進む国際的な経済協力(上)
吉林省東端の都市、琿春のホテルはロシア人でいっぱい
羅先特区を訪れる香港の企業家が急増
中国による長吉図計画が基盤に
開発が遅れている北東アジア辺境を国際産業都市に、延辺の朝鮮族も期待
金正日総書記「この地域に関心が高い」
2回の中国訪問をきっかけに交流協力の可能性高まる
長吉図と羅先を連携させる可能性も
中国は交通網を大幅に拡充
琿春-長春を4時間で結ぶ時速350キロの高速鉄道が着工、北京-琿春もほぼ半日で
豆満江下流の中国国境都市、琿春市内から南東に車で20分ほどのところに、中国とロシアの国境を分ける「琿春入国管理局」がある。別名「長嶺子事務所」とも呼ばれる。今月10日午後1時ごろ、「yB628」と書かれたナンバープレートを付けたバスが検問所の向こう側に停車すると、40人以上の観光客が降りてきた。身分証や所持品を手にした人たちは同局で入国手続きを終え、わずか3分ほどで中国側出口から出てきた。中国人ガイドに「どこから来たのか」と尋ねると、「ウラジオストクからやって来た」と答えた。
「ロシア人は観光よりもショッピングに関心がある。中国製品は安いからだ。ロシア人観光客が増えたことから、今では琿春にあるホテルの宿泊客は3分の2がロシア人だ。そのため、人口25万人の小都市では今、ホテルの建設ラッシュが起きている」
入国管理局の前には、土産物を売る店が立ち並んでいる。正方形の大きな看板には、「ロシア観光記念品」「蘇俄旅游記念品」などとハングル、中国語、ロシア語の3カ国語で書かれている。ロシア人観光客が再びバスに乗り込むと、今度は中国内陸部からやって来た中国人観光客が土産物店に入り、ロシア製の望遠鏡や石弓、金属工芸品、木製人形などを購入していた。「犬の鳴き声が3カ国で聞こえる」といわれる国境都市、琿春で見られるごくありふれた風景だ。