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【プロ野球】

原監督 不完全燃焼 動かず完封負け…

2010年9月19日 紙面から

阪神−巨人 9回表2死三塁、脇谷(右)が空振り三振に倒れ、ゲームセット。初戦を落とし、渋い表情の巨人・原監督(奥左)と村田コーチ(同右)=甲子園球場で

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◇阪神1−0巨人

 ペナントが遠ざかる。1敗の重みが身に染みる。巨人が優勝争い生き残りをかけた大事な3連戦の初戦を落とした。投手が踏ん張っても打線が得点を奪えない。総力戦で臨んだはずが、手持ちのコマを使い切ることなく不完全燃焼で完封負けを喫した。

 届きそうで届かない。スコアボードに並ぶ9つのゼロが恨めしい。初回と4回の得点機を逃し、9回にも無死一、二塁と球児を追い詰めたものの、試合後の原監督は「チャンスらしいチャンスがなかった」と完敗の弁。好機を実感することができないほど、王者は余裕を失っていた。

 激しい代打攻勢で1点を奪いにきた阪神とは対照的に、指揮官は“動かざること山のごとし”を貫いた。7回の守り、1点を防ぐなら、2死三塁で代打桧山に左腕山口をぶつける手もあった。しかし「ずっといい投球をしていた」と原監督はゴンザレス続投を選択。攻撃でも、9回の2死三塁で23打席無安打の脇谷をそのまま打席に送って三振。高橋、谷、大道をベンチに残したまま試合は終わった。

 今季を象徴するようなチグハグな1点差負け。それでも、後ろを振り返っている時間はない。3安打と気を吐いた主将の阿部は「ここからは精神力。技術どうこうじゃない」と語気を強めた。残り13試合。これ以上の敗戦は優勝争いからの脱落に直結しかねない。リーグ4連覇を狙う王者が最大の危機を迎えようとしている。 (井上学)

 

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