1995年12月11日、Jリーグ表彰式で最優秀監督のベンゲル氏と握手するMVPのストイコビッチ(右)
|
 |
名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(45)が、18日の横浜M戦(瑞穂陸)で、現アーセナルのベンゲル監督に並ぶ、クラブ史上最多のJ1通算47勝目を狙う。J1首位と好調のチームは17日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで練習し、さらなる首位固めに挑む。
横浜M戦に向けた最終調整を、ストイコビッチ監督は満足そうに見守った。時折、現役時代さながらのCKをけり、練習後には、DF闘莉王と大きなジェスチャーを交えて、戦術確認をするなど精力的に動き回った。
横浜M戦は、前回の対戦(7月31日、日産ス)で豪快なミドルシュートを決めたアンカー(中盤の底)のダニルソンと、守備での貢献度も高い攻撃的MFの中村がともに累積警告で出場停止の非常事態。しかし、アンカーに三都主、攻撃的MFにブルザノビッチと小川を配した戦術練習で対策を図ってきた。「2選手の欠場はマイナスではあるが、われわれのスタイルを変えることはない」。4−3−3の攻撃的布陣の継続を明言した。
グランパスと同じく3連勝で乗り込んでくる横浜Mの絶好調コンビの中村、山瀬を「残念ながら、いい印象がある」と警戒。「(2選手による得点シーンは)ビデオで3回見た。守備陣には戦術を指示する」と、自陣付近でFKを与えないなど対策を授ける。
横浜M戦には、日本代表のザッケローニ新監督が視察に訪れる予定。選手として、監督として、日本サッカーを熟知するピクシー監督は、「どんな質問にでも答える」と歓迎する。ただ、「1番重要なのは横浜戦」と、試合に集中している。2位以下との勝ち点差を7と広げた山形戦(12日)後も「勝利は満足だが、過去は忘れて次戦に臨む」と、すぐに気持ちを切り替えた。
ピクシー監督は今季、クラブ史上最長政権となる3年目に突入した。Jリーグ最優秀選手賞を獲得した1995年、最優秀監督賞を受賞した偉大な指揮官に肩を並べ、その先の、悲願のJ1初制覇に向かって突き進む。 (伊東朋子)
この記事を印刷する