小沢一郎・民主党元幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は18日、小沢氏から4回目の事情聴取を行った。東京第1検察審査会が7月に07年分の政治資金収支報告書の虚偽記載容疑で「不起訴不当」と議決したことを受けた再捜査の一環で、小沢氏は自身の関与を改めて否定した。再捜査はこれで終了し、特捜部は月内にも小沢氏を改めて不起訴処分とする見通し。
関係者によると、聴取は東京都内のホテルで午後4時ごろから同7時ごろまで約3時間行われた。小沢氏は「検察官から、今までの事情聴取で話したことについて更に尋ねられたが、疑念を受けているような事実がないことを、記憶に基づいて率直に話した。今後とも私に対する疑惑が根拠のないものであると理解いただけるよう、しっかり説明責任を果たしていく」とのコメントを発表した。
07年分を巡っては、土地購入の原資となった4億円を小沢氏に返却した事実を同年分の収支報告書に記載しなかったなどとして、特捜部が今年2月に元秘書の池田光智被告(33)らを起訴し、小沢氏を不起訴処分とした。
第1審査会は「池田元秘書らが小沢氏に収支報告書の内容をある程度詳しく説明していると十分推認できる」と指摘したが、小沢氏はこの日の聴取でも「秘書に任せていた」などと自身の関与を否定した。池田元秘書ら3人の元秘書は「既に起訴されており、応じる必要はない」として聴取を拒否している。
一連の事件を巡っては、東京第5検察審査会が4月に04、05年分の虚偽記載容疑で小沢氏を「起訴相当」と議決。特捜部が両年分を改めて不起訴としたことを受け、現在、第5審査会による第2段階の審査が進められている。ここでの議決は10月末までに行われる可能性が高く、同審査会が再び起訴すべきだと判断して「起訴議決」をすれば、小沢氏は強制的に起訴される。【三木幸治、鈴木一生、山本将克】
毎日新聞 2010年9月18日 20時53分(最終更新 9月18日 21時38分)