芸能人初の裁判員裁判としても注目された元俳優・押尾学被告に対する刑事裁判は17日、懲役2年6月という実刑判決で幕を下ろした。しかし、閉廷後、会見した弁護団は、判決に「納得できない」と押尾被告が発言していたことを明かし、遺棄罪も成立しないと主張を変えず、無罪判決を追って即日控訴。一方、一般傍聴人からは量刑に対して「短い」と声が上がっていた。
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実刑判決後に接見した弁護団に対して、押尾被告は「法廷では自分に不利なことも含め供述したのに、全く信用できないと言われて、納得できない」と無念さをにじませたという。弁護団は押尾被告の意思も聞いた上で即日控訴した。
泉田勇介受刑者の証言の信ぴょう性や、田中香織さんの死亡時刻を、弁護側が主張している時間より遅い午後6時50分ごろと裁判所が認定したことなどを、控訴理由に挙げ、「裁判所が認定した事実を精査して、遺棄罪さえも不成立なのではないのかというのが、(控訴審の)中心テーマになる」と声高に訴えた。
弁護団は、すでに7度も行っている保釈申請が認められていないことにも不満を漏らした。初公判があった3日以降は、手紙など外部との連絡も可能になり拘置所内では大量のファンレターに目を通しているというが、「押尾さんが健全な状態で、無罪を主張することが必要。早く保釈が認められるのが希望」と“今後の戦い”を見据えた。
一方、押尾被告の裁判を傍聴した人からは、懲役2年6月の判決に「短い」と口をそろえた。
30代の女性は「求刑が6年でも短いと世間で言われていたし…。致死の部分が認められなかったからでしょうか」とし、法廷での被告の様子には「ふてぶてしい感じがした。反省した感じはなかった」と振り返った。
また、32歳の男性は「短いですね。求刑が6年なので、4年くらいと思っていた」と感想。さらに別の30代の男性は量刑を短いとしながら「裁判員裁判で下された判決。(一般人が加わっての判断なので)納得できます」との見方を示していた。
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