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金本、連続試合出場記録より逆転V

 横浜遠征を終え空路帰阪した金本=伊丹空港(撮影・山口 登)
 横浜遠征を終え空路帰阪した金本=伊丹空港(撮影・山口 登)

 右肩故障による打撃不振で先発を外れている阪神・金本知憲外野手(42)が17日、1747試合まで伸びた連続試合出場に対する「本音」をデイリースポーツに語った。連続試合フルイニング出場の世界記録は長年のモチベーションにしてきたが、連続試合出場へのこだわりはない。だからこそ、自身の記録に対する必要以上の配慮はいらないとも感じている。金本は必要とされる選手であるために早期先発復帰を目指す。優勝に貢献する強い気持ちは、決して失っていない。

  ◇  ◇

 記録のための出場は、信念に反する。金本の判断基準は明確だ。チームのためになるのか。勝つために必要かどうか。首脳陣の配慮には感謝しつつ、自身の記録継続に必要以上の気遣いが生じるなら、それは金本の本意ではない。

 「チームに迷惑をかけてまで、やる(記録にこだわる)つもりはないよ」。横浜から空路帰阪したこの日、金本は偽らざる胸の内を明かした。広島時代の1998年7月10日(ヤクルト戦・広島市民)から継続する連続試合出場の記録は、16日の横浜戦で1747試合まで伸びた。衣笠祥雄氏の持つ2215試合に次ぐ歴代2位の大記録だが、金本にはこの記録に対する執着心が全くと言っていいほどない。

 実は前夜の横浜戦でも記録ストップを覚悟していた。逆転に成功した八回。なお2死一、三塁の場面で林威助が打席に向かうと、金本は坂の代打としてネクストサークルへ向かった。だが、林は凡退。この回に出番の巡らなかった主砲はベンチへ下がり、ヘルメットを脱いだ。直後のオーダー変更によって、九回に自身が代打出場すれば裏の外野守備に桧山しか残らない状況。金本の出番がないまま試合終了か…。ベンチ内が一時バタバタしたようにも映ったが、金本には冷静に現状を受け入れる準備があった。結局、九回先頭で代打出場したが空振り三振に倒れた。金本の出場には、真弓監督ら首脳陣の大記録継続に対する配慮が働いていたことは確かだ。

 15日の練習前、金本は真弓監督に先発辞退を志願した。理由は右肩故障による打撃不振。7月16日に6番で先発復帰した主砲は、8月に月間打率・303、5本塁打を残し、随所で勝負強さを発揮した。だが、9月に入ると一転、先発辞退するまでの12試合で打率・167と低迷。兆しの見えない不振で、自ら申し入れた。

 連続試合フルイニング出場が途切れた4月18日も金本は今回同様、真弓監督に先発辞退を直訴した。「チームが勝つためなら、自分の記録は途切れても構いません。勝つための手段として、僕は外れます」。指揮官の慰留にも金本は首を縦に振らなかった。長年モチベーションにしてきたフルイニング出場も、王さんから激励された節目の1500試合達成直前に「チームのために」と自ら大記録に幕を引いた。

 この日、金本は伊丹空港から甲子園へ直行し、右肩のリハビリに励んだ。18日も代打で出場が濃厚だが、今は早期復調を目指し、優勝戦線で先発復帰することしか頭にない。残り16試合。きょうから迎える巨竜との6連戦がペナントを左右する最大のヤマ場になる。金本は、記録を配慮される立場に甘んじるつもりはない。

(2010年9月17日)

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