菅首相あからさま改造！「無小沢」内閣　ついに直系ゼロ

初閣議を終え、記念撮影に臨む菅改造内閣の閣僚

　菅直人首相（６３）の改造内閣は１７日、皇居での認証式を経て正式に発足した。外相に前原誠司国交相（４８）、総務相には民間人の片山善博・前鳥取県知事（５９）を起用。鳩山グループからも入閣したが、代表選で小沢一郎元幹事長（６８）を支持した原口一博氏（５１）が総務相から外されるなど“小沢系”は完全排除された。小沢グループを分断し、小沢氏を政治家として葬り去る目的との見方も浮上。首相は「有言実行内閣」と胸を張るが、実際には「小沢殺し内閣」の様相だ。

　「ノーサイド」は幻想だった。菅首相は１７人の閣僚中、１０人を交代させる大幅改造。代表選で小沢氏を支持したメンバーからは、それぞれ鳩山グループの海江田万里氏（６１）を経済財政担当相に、大畠章宏氏（６２）を経産相に、旧民社系の高木義明氏（６４）を文科相に起用しただけだった。

　菅首相は夜の記者会見で「有言実行内閣」を表明し「どこかのグループを外したとか外さないということは、全く念頭にもありません」。岡田克也幹事長（５７）も記者会見で「意図的に（小沢色を）排除したものではない」と強調した。しかし午前の両院議員総会に小沢氏は不在で、集まったのは約３００人。空席もあり、党の新たな船出とは思えない熱気のなさだった。

　前夜の岡田氏の人事や、枝野幸男氏（４６）の幹事長代理就任に加え、組閣でも“脱小沢”を推し進めた。「脱」どころか、人事をテコにした小沢陣営の切り崩し、分断、無力化との見方も出てきた。

　菅首相は記者会見で、小沢氏に近い議員の処遇について副大臣や政務官で処遇する考えを示した。そんな配慮も「小沢さん本人だけを排除して、政治家として終わらせるつもりでは」と小沢グループのある中堅議員は冷ややか。「グループを弱体化させ、民主党に小沢氏はいらない、という結論に持っていきたいのではないか」と警戒する。

　記者会見で菅首相は、代表代行を打診した小沢氏と輿石東参院会長（７４）から就任を拒否されたと明かした。小沢氏が「かなり長い間、選挙などの先頭に立って、相当体力的に消耗したので、しっかり支えるからそういうポストは勘弁してほしい」と言ったと説明した。

　一方、１６日午後、首相が秘書を通じて小沢氏側に電話したがコールバックがなかったとの情報も。首相自ら、小沢氏の秘書に電話して「お会いしてきちんと代表代行をお願いしたい」と伝えたが、明確な返事はなかったという。

　小沢陣営で特に怒りの的になっているのが“原口外し”と、枝野氏の人事という。首相と小沢氏との権力闘争激化は不可避で、党分裂の危険もはらむ。代表選後は「ノーサイド」どころか、第２ラウンドのゴングが鳴った。

（2010年9月18日06時02分スポーツ報知）