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マムシ減った?イノシシ食べた? 仙台西部「見かけない」の声
 | 仙台市内で捕獲されたマムシ。「昨年より見る機会が減った」と話す人は多い |
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仙台市西部の山林で「マムシが少なくなった」という声が、山歩きの愛好家らから上がっている。その数を把握したデータはないが、昨年までに比べて、目にする機会がめっきり減ったというのだ。周辺では近年、イノシシによる農作物の被害が拡大しており、ヘビの専門家は「イノシシがマムシを餌にしている可能性がある」と言う。
「昨年は夏までに30回ほど見たが、今年は8月に入ってサイカチ沼(青葉区上愛子)周辺で2回見ただけ。本当にマムシがいなくなった」 週に2回は沼周辺の山林を散策するという青葉区錦ケ丘の男性(54)は、こう証言する。 仙台市よると、マムシは鳥獣被害などの対象外のため「生息数などのデータはない」(環境都市推進課)が、マムシを「見かけなくなった」との声は多い。 マムシ酒用などとして、捕まえた人から買い取ることもある太白区秋保町馬場の農業太田勝美さん(83)も「昨年までは山に入ると一度に何匹も持ってくる人がいたが、今年はほとんどいない」と首をかしげる。 一因と考えられるのが、イノシシだ。 市によると、イノシシによる農作物の被害は2009年度、前年度の約2倍の413件に上った。本年度は春先の低温で農作物の生育が遅れたことなどから、7月までの被害は78件と09年度同期の半数以下だが、イノシシの生息範囲は青葉区大倉や太白区秋保町などを中心に、急速に広がっているとみられている。 ヘビの生態に詳しい日本蛇属学術研究所(群馬県太田市)の鳥羽通久所長は「沖縄ではハブがイノシシに食べられるケースがある。マムシも餌にするだろう」と指摘。仙台での「異変」について「気候変動などの影響は少ないのではないか。イノシシの分布が急激に広がり、食べられたことでマムシの数が一時的に減ったことも考えられる」と推測している。
2010年09月06日月曜日
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