郵便不正事件で、障害者団体向けの偽証明書を作成したなどとして、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元係長、上村勉被告(41)の公判が5日、大阪地裁であった。上村被告は、当時の上司だった厚労省元局長、村木厚子被告(54)の指示を公判で否定した理由について「本当のことを言わないと一生苦しみ続けるから」と述べた。
弁護側が「村木被告の指示を受けたと証言した方が(罪は軽くなり)得なのに否定したのは」と質問。上村被告は「裁判では真実を話したかった」と涙声で証言した。捜査段階で指示を認めたことには「早く保釈されたかった。検察官は(容疑者の)生殺与奪を握っている。拘置所に入ったことがない人には怖さが分からない」と述べた。【日野行介】
毎日新聞 2010年8月6日 大阪朝刊