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ダンスの海へ〜舞踊評論家・高橋森彦による備忘録 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2010-09-19

[]伊東豊雄の高松宮殿下記念世界文化賞受賞と山崎広太『Choron』(2001年)など

先日、第22回高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者が発表され、建築部門に伊東豊雄が選ばれた。伊東は1970年代から実験的な建築を手掛けてきたことで知られ、その仕事にはつねに都市や消費社会への批評眼が注がれてきたといわれる。舞台芸術関係でも、まつもと市民芸術館や最近開場した座・高円寺などの設計を担当している。

伊東の手掛けた舞台美術では、1990年代半ばからコンテンポラリー・ダンスを牽引してきた山崎広太との協同作業で知られよう。2001年3月、5月に上演された『HYPER BALLAD』と『Choron』。ことに後者は勅使川原三郎の『Luminous』(2001年3月初演)と並んでゼロ年代のコンテンポラリー・ダンスの幕開けを飾った記念碑的作品として再評価されていいと思う。その後シーンを大きく担っていく平山素子、島田衣子、森山開次らをはじめ新潟発Noismを経てフォーサイスカンパニーに入った島地保武やバレエ系の振付家として売り出し中の井口裕之らが出ていたという意味でもすごい公演だったと思う。山崎やベテランの大久保裕子、佐々木想美らも含めた彼らの激しいダンスの応酬が、伊東の生み出したシルバーに輝くアルミ壁の装置と足立恒の照明のなかで化学反応を生み、昇華され、興奮とカタルシスをもたらした。忘れがたい舞台だった。

高松宮殿下記念世界文化賞は5部門に分かれている。今年は女優のソフィア・ローレンの受賞した演劇・映像部門のうち舞踊関係では、かつてピナ・バウシュ、マース・カニングハム、マイヤ・プリセツカヤが受賞している。しかし、バウシュとカニングハムは鬼籍に入ってしまった。今後、舞踊関係の受賞も増えていくことを期待したい。

新建築NEWS 第22回高松宮殿下記念世界文化賞 伊東豊雄氏受賞

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伊東豊雄読本〈2010〉

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