名張市の亀井利克市長は15日の定例記者会見で、市立病院の常勤医らの特殊勤務手当(病院手当)を7月までさかのぼって増額する方針を示した。9月議会に条例改正案を提出する。勤務医の給与は年収総額で前年度比約3割増となる見込み。また、同病院は10月から常勤の内科医が一人減って7人となることも明らかにした。
同手当の増額は、深刻な医師不足の中、医師確保につなげるとともに、過酷な勤務に少しでも報いるのが狙い。医師や看護師、技師の救急輪番業務手当を増額するほか、救急輪番時に診察患者1人に付き4000円を支給する患者診察手当などを新たに設ける。
医学部卒業後15年の医師の場合、固定給は年収約1219万円から約1531万円に増額となる。市は病院事業会計を補正し、今年度は一般会計からの繰り出し金を含め、計9161万1000円を試算している。
同病院には現在、常勤医23人、看護師133人(今年3月末現在)、技師35人(同)がいる。救急輪番を担当する内科の常勤医1人が、9月30日付で退職するため、常勤医は7人となるが、同病院は非常勤医を確保して対応していく構え。
伊賀市も、市立上野総合市民病院の医師給与を増額する方針を示しており、給与はほぼ同水準となる。【宮地佳那子】
〔伊賀版〕
毎日新聞 2010年9月16日 地方版