県立中央病院での医療過誤を巡る損害賠償請求訴訟の和解を巡って、記者会見で誤った説明をしたとして、県病院局総務課は15日、県議会福祉生活病院委員会で陳謝した。
和解金550万円について県は会見で「過失を認めたのではなく、訴訟の早期解決のために支払う」と説明したが、委員会で「過失について結論は出ていない」と修正した。謝罪は原告側が求めた。
訴訟は、県立中央病院の医師が検査をしなかったためがんの発見が遅れ、鳥取市の男性(当時18歳)が死亡したとして、両親が県と医師2人に約9300万円の損害賠償を求めた。
原告側弁護士の説明では、和解金は損害賠償の性質を有するとの内容で県側の代理人と合意していたが、県が「損害賠償」や「責任」という言葉を削ったという。同委員会で損害賠償の性格を有するとの説明がなされなかったことに原告は態度を硬化させており、和解の成立も不透明になった。【遠藤浩二】
毎日新聞 2010年9月16日 地方版