ここから本文エリア

現在位置:asahi.comマイタウン愛媛> 記事

母娘殺傷・容疑者逮捕

2010年09月08日

写真

松山東署に入る河内容疑者=7日、松山市勝山町2丁目

◆裁判見据え 捜査慎重に
 事件8日前も待ち伏せ

  松山市の路上などで母娘が刃物で殺傷された事件は、発生から1週間たった7日、犯行をほのめかしていた松山市築山町のアルバイト河内明容疑者(32) が殺人未遂容疑でようやく逮捕された。逮捕まで時間を要した背景には、河内容疑者が犯行後に自殺を図った腹部の傷の回復を待つ必要があったことに加え、裁判員裁判を見据えた県警の慎重な姿勢があった。

  松山東署は河内容疑者が、森貞真由さん(24) を同市朝美2丁目の森貞さんの自宅から松山市本町6丁目の路上まで連れ出して刺した後、森貞さんが使用している軽乗用車で森貞さん宅に向かい1階居間で、森貞さんと同居している母親の山本さち子さん(62) を殺害、自らも自殺を図ったとみている。7日現在、森貞さんの容体は快方に向かい、わずかながら口頭で会話も出来る状態だという。

  同署によると、河内容疑者と、森貞さんは昨年10月ごろから今年6月ごろまで交際し、一時期は森貞さん名義で契約した同市築山町のマンションで同居していた。だが、別れた後は森貞さんは母親が住む実家に戻り、河内容疑者はそのまま森貞さんのマンションで暮らしていたという。

  関係者によると、河内容疑者は、その後も森貞さんの勤務していた市内の飲食店に数回顔を出し、事件前の8月23日も店を訪れ、森貞さんが退店するのを店の前で待っていたという。森貞さんは関係者に河内容疑者が「こわい」と話していたという。事件前日の30日も森貞さんは出勤、午前0時の閉店後に店内で誰かと携帯電話で会話した後、31日午前1時半ごろ店を出たという。

  同署によると、河内容疑者は、県警の調べに対し、犯行直前に森貞さんに電話しており、「交際を断られ、真由さんを殺し、自分も死のうと思った」 などと供述しているという。

  県警では、事件発生の8月31日に河内容疑者の逮捕状をとった。だが、逮捕まで1週間を要した。河内容疑者は、腹部のけがの程度が全治2週間と診断され、任意での事情聴取は、医師から許可が下りなかった。

  さらに、裁判員裁判の対象事件となることを視野に入れると、適正な捜査手続きが求められたといい、同署の新矢佳男副署長は「病室での容疑者の取り調べは任意性がなく、裁判では証言として採用されない恐れがある。任意性は、容疑者が自由に聴取の場から退去できる状況でないと得られない」 と説明した。

PR情報
朝日新聞購読のご案内

ここから広告です

広告終わり

マイタウン地域情報

ここから広告です

広告終わり