争点だった「保護責任者遺棄致死罪」は認定されず、「保護責任者遺棄罪」で、求刑6年に対して懲役2年6月となった一審判決。大澤弁護士は「致死が認めらなかった以上、この量刑は仕方がないが、遺棄罪の最高刑5年に限りなく近い4年が妥当だと思います」と述べた。
その上で、「検察側は説得できるだけの材料がなかった。2人の権威ある専門医の証言があっても認定されなかったので黒星」とし、「(検察側も)一番肝心な事実が認められなかったのだから控訴すると思う」と指摘した。
一審では主張がことごとく退けられたにもかかわらず、求刑の半分以下の量刑。見方によっては押尾被告にとっては、上々の判決といえなくもないが、それを「不服」として控訴した。
押尾被告側は、控訴審で改めて無罪を主張することになるが、控訴審は押尾被告にとって有利に働くのか−。
大澤弁護士は「検察側は6年を求刑している以上、控訴審では、遺棄致死罪に持ち込むべく、さらに材料を集めて、万全を期して臨んでくる。過去にも一審では認められなかった致死罪が、控訴審で認められ、一審より重い懲役8年の実刑になった判例もある。量刑が重くなることは十分あり得る」とキッパリ。
裁判員裁判ではなくプロの裁判官が審理する控訴審。押尾被告にとっては、控訴が裏目に出る可能性も十分にありそうだ。