カーター氏「北は非核化に向けた交渉を望んでいる」

 先月平壌を訪問したカーター元米大統領は、「韓国で金大中(キム・デジュン)元大統領、日本では小泉元首相が在任していた2000年代初めには、北朝鮮も周辺国と友好な関係にあった。北朝鮮の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長らは、そのような状態に戻ることを望んでいた」と語った。

 16日付の米紙ニューヨーク・タイムズに、「北朝鮮は交渉を望んでいる」という見出しで、カーター元大統領の寄稿文が掲載された。カーター元大統領は、「北朝鮮は米国や韓国との包括的な平和交渉、あるいは韓半島(朝鮮半島)非核化に向けた交渉の再開を望んでいる。現地ではこのようなメッセージを受けた」と述べた。

 カーター元大統領はさらに、「北朝鮮には非核化に向けた交渉を再開することと、基本条項を受け入れる意向だということを示す、明らかな兆候がある」と強調。その根拠として、「北朝鮮を訪問した直後、北京で会った中国政府の高官は、金正日(キム・ジョンイル)総書記が訪中時、このような考えに言及したと話していた」という事実を挙げた。最近、北朝鮮に拿捕(だほ)された韓国のイカ釣漁船「テスン号」が解放されたことや、離散家族再会事業を提案してきたことなども、このような背景から理解できるという。その一方で、「北朝鮮は6カ国協議を死刑に処すつもりだが、まだ執行されてはいない」と指摘し、6カ国協議を死刑囚に比喩(ひゆ)した。

 カーター元大統領は、「北朝鮮はわたしが公的な立場にないことや、米政府を代表する立場にないことを理解していた。わたしは北朝鮮からの提案に耳を傾け、質問し、帰国後は北朝鮮からのメッセージを米政府に伝えた」と話した。

 平壌を訪問しても金総書記に会えないことを知ったカーター元大統領は8月中旬、ホワイトハウスから北朝鮮訪問の承認を受けたことを明らかにした。しかし、金総書記が自らの訪問期間中に中国を訪問するとの事実については、最初から知っていたわけではないという。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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