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米国:カーター氏が論文「北朝鮮は対話を望んでいる」

 【ワシントン草野和彦】北朝鮮に拘束された米国人男性釈放のため先月訪朝したカーター元大統領が「北朝鮮は非核化を巡る米韓との交渉再開を望んでいる」という論文を16日付米紙ニューヨーク・タイムズに寄稿した。オバマ政権に北朝鮮との対話を求めるものだが、政権側は「北朝鮮からは前にも同様のことを聞いた」と否定的で、具体的な非核化行動を求める立場を改めて強調している。

 元大統領は先月25日に平壌入りし、金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長らと会談した。論文によると、北朝鮮側は、米国による制裁や米韓合同軍事演習への懸念を示しながらも、「和平と非核化を望んでいることを示す用意がある」と語った。

 元大統領は今月初めに訪中した際、自身の訪朝中に訪中した金正日(キムジョンイル)総書記が同様のことを話していたと中国指導部から聞かされたという。

 94年の核危機の際に訪朝して危機打開の糸口をつかんだ元大統領は、北朝鮮への柔軟姿勢で知られる。論文によると元大統領は今年7月、金総書記との会談や、米国人男性釈放の用意があるとして北朝鮮側から招待を受けた。8月中旬に訪朝の承諾を米政府から得たが、その時点ですでに、北朝鮮側から総書記との会談はないと知らされていたという。

 ◇国務次官補が批判

 一方、上院軍事委員会の公聴会に16日出席した国務省のキャンベル次官補(東アジア・太平洋担当)は、論文についての見解を問われた。次官補は、論文が北朝鮮による韓国哨戒艦沈没事件に触れていないことに「正直に言って驚いた」と述べ、暗に元大統領の北朝鮮寄りの態度を批判した。

 また、6カ国協議再開には、南北の関係改善や、朝鮮半島の非核化などを定めた05年共同声明を北朝鮮が履行することが前提だと主張した。

 さらに、金総書記の後継体制への移行が6カ国協議に与える影響は「分からない」とする一方で、姿勢を一貫させることが大事との認識を示した。

毎日新聞 2010年9月17日 東京夕刊

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