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2009年の米貧困率、14.3%に上昇=米国勢調査局

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 米国勢調査局の16日の発表によると、標準的な米家庭の所得は昨年、小幅減少した。大幅な政府支援や家族からの援助などが倍増し、若年層が親元に引っ越すなどしたことから、1930年代以来で最悪のリセッション(景気後退)の影響は幾分緩和される格好となった。

 米国民の生活水準を示す同年次報告によると、米貧困層の割合は昨年、14.3%に大幅上昇し、1994年以来の最高水準となった。08年は13.2%だった。同局によると、米国の貧困層は昨年、過去最大の4360万人に達した。

米国勢調査局

米貧困率:リセッションを受けて、米貧困率が上昇

 今回の調査統計では、米国の家庭がリセッションを乗り切るのに、いかに政府の補助や互いの援助に頼っているかが浮き彫りとなった。また米国の中流階級の中間層の生活水準の伸びが低迷しているかも示されている。米中間選挙を11月に控え、政府のどのような政策が貧困層や失業者の支援に最も役立つかをめぐって議論が白熱するなかで、今回の統計の発表となった。

 オバマ米大統領は16日、政府による景気刺激策によって、さらに数百万人の米国民の貧困化が避けられたと主張した。大統領は声明を発表し、「今回のリセッション前でも、中流階級の所得は停滞気味だった。貧困層の数は受け入れがたいほど高く、この日発表された数字はわれわれの任務が始まったばかりであることを明確に示している」との見解を示した。

 米家庭の所得中央値(中流階級の中間層の税引き前所得)は昨年、0.7%減少し4万9777ドル(約427万円)となった。今回のリセッション前の07年比4.2%減少したことになる。

 保守系の大手研究機関アメリカン・エンタープライズ・インスティテュート(AEI)の政治エコノミスト、ニコラス・エバースタッド氏は、「米国民の大半が正常、もしくは繁栄時とみなす状況に戻るまでには、長く困難な道のりになろう」と指摘した。

 エコノミストらは失業率の高止まりを懸念している。米失業率は昨年は9.3%と、08年の5.8%から3.大幅に上昇した。これは米労働省が比較可能な年間平均統計を取り始めた1947年以来で最大の上昇率となった。

 ワシントンDCのシンクタンク、エコノミック・ポリシー・インスティテュートの労働関連エコノミスト、ハイディ・シーホルズ氏は、「米労働市場の08年から09年にかけての悪化はこれまでで最悪だった」と指摘。「労働市場の著しい悪化がみられる際には、貧困は拡大する。米国民の大多数は所得を労働市場に頼っている」と続けた。

 米労働省によると、昨年の米雇用者数は約1億4000万人と、08年の1億4500万人から減少した。一方、失業者数は昨年に1400万人と、前年の900万人から大幅増加した。

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