菅首相命名「有言実行内閣」が発足

初閣議を終え、記念写真に納まる菅首相（前列中央）と閣僚

　菅改造内閣は１７日夕、皇居での認証式を経て、正式に発足した。夜には官邸で初閣議を開催し、「急激な円高、デフレ状況への緊急対応」や「行政の無駄遣い根絶」などを盛り込んだ新内閣の基本方針を決定した。

　初閣議後の記者会見で、菅直人首相は当面の課題について景気対策や地方分権を挙げ、「縦割りの中央集権を根本から変えていく」と強調。近く編成する追加経済対策を盛り込んだ２０１０年度補正予算案の提出時期について「一方的に決める前に野党と意見交換して考えたい」とした上で「国民生活に直結する。野党との合意形成の可能性は十分ある」と述べた。

　これに先立ち首相は、改造内閣の顔触れを決め、仙谷由人官房長官が官邸で発表した。外相に前原誠司国土交通相、総務相には民間人の片山善博・前鳥取県知事をそれぞれ起用。１７人の閣僚のうち１０人を交代させる大幅改造となった。

　民主党代表選で党を二分し激しく戦った小沢一郎元幹事長グループからの起用はなく、小沢氏を支持した議員からの入閣も、経済財政担当相に海江田万里、経済産業相に大畠章宏、文部科学相に高木義明の各衆院議員らにとどまり、“脱小沢”色が鮮明となった。

　首相は会見で改造について「適材適所の挙党態勢だ」と強調した上で「有言実行内閣」と名付けた。また、民主党代表代行就任を打診していた小沢氏と輿石東参院議員会長が就任を拒否してきたことを明らかにした。

　閣議決定した基本方針は〈１〉政治主導、官邸主導による政策実現〈２〉経済・財政・社会保障の一体的立て直し〈３〉６月に決定した成長戦略の早急な実現〈４〉情報公開による「行政の透明化」推進―など。各府省副大臣、政務官人事については２１日の閣議決定を目指す。

　改造で、蓮舫行政刷新担当相は留任し、公務員制度改革担当相を兼務。国家戦略担当相は玄葉光一郎政調会長が就任した。仙谷氏のほか野田佳彦財務相らも留任。国土交通相には馬淵澄夫国交副大臣が昇格し、沖縄北方担当相を兼務する。新任閣僚はこのほか、厚生労働相に細川律夫衆院議員、法相に柳田稔参院議員ら。

（2010年9月17日22時32分スポーツ報知）