アメリカ議会は16日、中国の通貨=人民元の為替レートが不当に低く抑えられているとして上下両院で公聴会を開きましたが、議員からは、日本の通貨当局が円高を食いとめるため市場介入に踏み切ったことについても批判の声が出ました。
アメリカ議会上下両院は、それぞれガイトナー財務長官を呼んで人民元関連の公聴会を相次いで開きました。この中では、議員たちから、ことし6月に中国政府が「人民元の為替レートの弾力性を高める」と表明したにもかかわらず、人民元の上昇幅がこの3か月でわずかにとどまっていることに批判の声が相次ぎました。これに対し、ガイトナー財務長官は「人民元が上昇するペースは遅すぎ、幅も足りない。どのような手だてが中国に対して有効か、引き続き探っているところだ」と述べ、引き続き中国政府に働きかけていく考えを示しました。一方、上院のドッド銀行委員長は「日本による単独介入や中国の動きは為替政策での国際協調とは相いれない」と述べて、日本の通貨当局が円高を食い止めるために行った単独介入に不快感を示しました。アメリカでは、中間選挙をことし11月に控え、議員たちが輸出入の増減を通じて国内の雇用にも大きな影響を与える為替レートに敏感になっているだけに、単独介入に踏み切った日本に対しても批判の声が向けられる事態となっています。