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菅改造内閣「ノーサイド」どころか“ワンサイド”

初閣議を終え、記念写真に納まる菅首相(前列中央)と閣僚
初閣議を終え、記念写真に納まる菅首相(前列中央)と閣僚
Photo By 共同

 菅改造内閣が17日、発足した。菅直人首相は代表選後は「ノーサイド」と表明し挙党一致を強調していたが、主要閣僚には自身を支持した議員を登用。代表の座を争った小沢一郎元幹事長グループからの入閣はゼロで、党役員人事と併せて「脱小沢」色をあらためて鮮明にした。小沢氏は同日午前に行われた党の両院議員総会を欠席。小沢氏周辺では不満がくすぶっており、新体制は波乱含みの船出となった。

 菅首相は改造内閣の顔ぶれを正式に決め、仙谷由人官房長官が午後1時15分すぎ、官邸で閣僚名簿を発表した。外相に前原誠司国土交通相を起用し、蓮舫行政刷新担当相は留任して公務員制度改革担当相を兼務。国家戦略担当相は玄葉光一郎政調会長、仙谷氏のほか野田佳彦財務相らを留任させるなどした。17閣僚のうち、民主党代表選で党を二分し激しく戦った小沢グループからの起用はなかった。

 代表選で小沢氏を支持した議員の入閣も、鳩山由紀夫前首相グループから経済財政担当相の海江田万里、経済産業相の大畠章宏、旧民社党グループから文部科学相の高木義明の各衆院議員を起用するにとどまり、原口一博総務相、山田正彦農水相は閣外に去った。代表選中、首相は「代表選が終わればノーサイド」と繰り返していたが、早くも前言を翻した形で、小沢氏と距離を置く岡田克也外相が幹事長、枝野幸男幹事長が幹事長代理に回った党執行部人事と合わせ、“脱小沢”色を鮮明に打ち出した。

 党両院議員総会で首相は「民主党政権の(所属議員)412人の力を合わせて、日本の20年に及ぶ閉塞(へいそく)状況を打ち破っていく、改めてのスタートとしたい」と“412人内閣”を強調した。しかし、新体制発足にもかかわらず90人が欠席。代表選で小沢氏を支持した議員は200人おり、現実は“200人内閣”。岡田氏は、新内閣の顔ぶれについて「現時点で考えられるベストなメンバー」とし、小沢氏に近い議員の入閣が見送られたことについては「意図的に排除したわけではない。国会議員としてのキャリアの長さを考えると批判は当たらない」と反論。首相は「適材適所の挙党態勢だ」と強調した上で「有言実行内閣」と名付けたが、小沢グループの反発は必至。党内対立は修復どころか、さらに深刻化することが必至とみられる。

 “脱小沢”色をあらためて示した首相は、衆参で多数派が異なる「ねじれ国会」をどう乗り切るかとともに、党内融和をどう図っているかが大きな課題となりそうだ。

 ◆内閣改造 人事刷新などを図るため、首相が憲法68条(閣僚任免権)に基づいて閣僚の全部または一部を入れ替えること。衆院選や内閣総辞職後に国会で指名された新首相が内閣を組織する「組閣」とは区別される。閣議で全閣僚の辞表を取りまとめた後、首相官邸に新閣僚を呼び込み、官房長官が閣僚名簿を発表。新閣僚は皇居での認証式で国務大臣任命の辞令書を受け取った後、官邸で首相から各閣僚に担当の役職名を記した補職辞令を交付され、初閣議に臨む。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年09月18日 ]

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