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コペンハーゲンでテロ騒ぎ… 〜 デンマークワーキングホリデー

欧州の中でも比較的治安のいいイメージのあるデンマークですが、先日コペンハーゲンシティのホテル内にて、なんと爆弾テロ騒ぎがありました。

近年のデンマークは、EU他国と同じくムスリム系移民が年々増えてきています。世界的に大きなニュースとなったムハンマド風刺画騒ぎで、世界中のムスリムからの強い反発、反感を買うという事件から早くも二年が経とうとしていますが、未だにデンマークはこの一件からイギリス、アメリカに次いでテロの標的になる可能性が高いという専門家の意見もあるぐらい、将来高い確率でテロが起こり得る国だと言われているのです。
それが今回未遂であれ実際に爆弾が仕掛けられようとしていたということで、国民に与えたショックはかなりのものでした。

現場となったのはシティ中心部のノアポート駅近くに位置する小さめのホテルのトイレ内で起こりました。昼間に突然トイレからの爆発音。3つあったトイレはどれも全て壊れてしまう程の爆発だったと言います。
この爆発は実は犯人にとっては想定外で、爆弾を組み立て中の誤動作による爆発だったようで、爆発後トイレから不審な人物が慌てて飛び出してきてそのまま逃走したのですが、彼はその数時間後に近くの公園にて警察に取り押さえられました。

これだけなら通常(と言うべきなのかどうか)の爆弾犯で済みそうな話だったのですが、調べれば調べる程不可解なことが。

…なんと爆弾犯の身元が、一切特定できないというのです!

25歳から35歳ぐらいの中肉中背の口ひげを生やした犯人は、捕まった当時3つの異なる身分証明書を持っていました。そのどれもが盗難された実際に存在する人物のもので、どれも本人のものではなかったと言います。

他にコンピューターや携帯電話、クレジットカードに至るまで個人特定が可能であるツールは一切持ち合わせておらず、唯一の手がかりは彼がベルギー行きの電車のチケットを持っていた、ということだけ。
見つかった偽の身分証明のひとつにベルギーのものがあったことからも、ベルギー周辺国から来た外国人の可能性が高いそうですが、真相は闇の中。

この後も調べれば調べる程、初めは衝動的な自爆テロ犯かと思われていた彼が、確実にこれはプロだと言える徹底した身分隠しをしていることが明らかになってきています。

彼の片方の足はなく、義足を使用しているのですが、通常シリアルナンバーが刻まれている義足ですが彼の番号は跡形もなく消されていました。

彼はデンマーク語は話しませんが、流暢なフランス語と英語、ドイツ語を操るそうです。
そして宗教が特定されないように、収容先では聖書とコーラン、ユダヤ教本など全てを希望したのだとか。
おまけに自分はベジタリアンだと主張しているとのことで、豚肉を食べるか食べないかでの宗教特定も不可能となっています。

彼はマスコミから『爆弾男』『ミスターX』などと呼ばれ、逮捕当日から連日マスコミの話題の的。
彼は一体誰でどこから来たのか、一切わからないこの謎の男の正体。

ここまで徹底的に身分を隠してまで、トイレに爆弾を設置しなければならなかった彼の本当の目的とゴールは、一体何だったのでしょう。

ここしばらくはニュースから離れられそうにありません。


2010年09月17日(金) written by 重千代 from (デンマーク)
ワーキングホリデー通信
Comment(1)


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この記事へのコメント

重千代 2010/09/18/00:16
後日談です。

この記事執筆から数日後、彼の身元が判明しました。
彼はロシアのチェチェン共和国出身ベルギー在住の元アマチュアボクサーだということです。

ムスリムの彼は10歳の時にロシアによって設置された地雷にて片足を失い、以降その憤りをボクシングに向けながら、建築を勉強していたそうですが、やはり2年前のムハンマド風刺画事件から作者に強い殺意を抱いていたのだとか。

世界中のムスリムを刺激してしまったこの事件、落ち着きが見られるのは一体いつになるんでしょうね…

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