母親(当時80歳)に食事を与えず、死亡させたなどとして、津地検は2日、次男の熊野市木本町、無職、桐本行宏容疑者(56)を保護責任者遺棄と死体遺棄の罪で津地裁に起訴した。同被告は起訴内容を認めているという。
起訴状などによると、桐本被告は08年11月から09年1月までの間、心臓病などを患っていた母千代さんが食料を購入することができないと知りながら、自宅の和室に放置したうえ、09年2月中旬ごろ、死亡していた千代さんを8月11日まで、ビニール袋や布団をかぶせて放置したとしている。
桐本被告は8月12日に保護責任者遺棄致死容疑で逮捕されたが、検察は千代さんの死因が特定できず、遺棄と死亡との因果関係が立証できないとして、遺棄罪で起訴した。同被告は県警の調べに対し「母の面倒を見るのが大変だった。年金を受け取るため、死亡届を出さなかった」などと供述しており、年金を不正受給した疑いがあるとみて、県警は詐欺容疑の立件を視野に調べている。【大野友嘉子】
〔伊賀版〕
毎日新聞 2010年9月3日 地方版