橋下徹大阪府知事
弁護士の橋下徹大阪府知事が就任前、山口県光市の母子殺害事件弁護団への懲戒請求をテレビで呼び掛けた発言をめぐり、大阪弁護士会(金子武嗣会長)は17日、2カ月の業務停止処分にしたと発表した。
橋下氏は知事当選前の2007年5月、出演したテレビ番組で被告の元少年の弁護団を批判し「もし許せないと思うなら、一斉に懲戒請求をかけてもらいたい」と発言。この件をめぐり同年12月、学者ら約340人が「弁護士の品位を失う」と弁護士会に懲戒請求した。
大阪弁護士会の綱紀委員会は昨年11月、懲戒委員会に審査を求めることを議決。懲戒委が処分に該当するかどうかを審査していた。
弁護団のメンバーは橋下氏の発言で名誉を傷つけられたなどとして訴訟を起こし、うち1件では広島高裁が昨年7月の判決で「圧倒的影響力を持つテレビを利用し、虚偽をないまぜにして弁護団への非難を誇張した」と、不法行為と認めた。
橋下綜合法律事務所のスタッフは「事務所への出入りができなくなるが、知事就任後は来ることもほとんどない。知事は現在、案件には対応していない。業務には影響ない」と話している。
(2010年9月17日)
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