東京ゲームショウ開幕、任天堂不参加で目玉なしとの声も
[東京 16日 ロイター] 16日から19日まで、東京の幕張メッセで「東京ゲームショウ2010」が開催される。出展各社のソフトの品質や人気、トレンドなどを探る上で貴重なイベントとなっている。
ソニー<6758.T>傘下のソニー・コンピュータエンタテインメント、コナミ<9766.T>、バンダイナムコホールディングス<7832.T>、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684.T>などが出展企業として参加。株式市場でも注目度が高いイベントだが、任天堂<7974.OS>が例年通り不参加ということもあり、相場に影響を与えるような目玉となる材料は出づらいとの見方も出ていた。
きょうの各社の株価動向は前場段階で、コナミが小幅続伸となったものの、バンダイナムコホール、スクウェアエニックスの株価はさえないなど、今のところ「ゲームショウ」をテーマにして物色している様子はない。不参加の任天堂は小動き。同社はこのイベントとは別に9月29日、同じ幕張メッセで「任天堂カンファレンス2010」を開催、新製品「ニンテンドー2DS」の詳細を発表する予定という。
十字屋証券資金運用グループ・チームリーダーの岡本征良氏は「ゲーム関連の代表企業である任天堂が不参加では、イベント自体の盛り上がりに欠ける」と指摘する。その上で「一方、出展ブースの内容をみると、ハードよりもアプリケーションが中心との印象。一日あたり万単位で出ると言われるアプリケーションで、現実のビジネスになるのが2、3しかない現状を考えれば、このショウで成立するビジネスの金額は、出展企業の株価に影響を与えるようなインパクトはない」と分析していた。
一方、任天堂については、野村証券がレポートで9月29日に詳細を発表する「ニンテンドー2DS」に関し「株式市場には同製品の発売時期を巡る様々な憶測があるが、中期的に1億台以上の普及ポテンシャルがある」と指摘。さらに、同証券は「東京ゲームショウ2010」の注目点として、ソニーの「PlayStation Move」など3Dソフトの品質や、携帯電話向けを中心とする国内のソーシャルゲーム(ソーシャルネットワーキングサービス上でソーシャルアプリとして提供されているゲームの総称)のトレンドの変化、各社の主力ソフトの人気度合いを挙げていた。
矢野経済研究所によると、2009年度の国内ソーシャルゲーム市場は前年度比7.5倍の338億円(ユーザーがソーシャルゲームの利用対価として支払った金額の合計で、広告収入は含まず)だった。同研究所では、モバイルゲームの市場規模である約900億円がソーシャルゲーム市場に移行すると分析。2010年度は747億円、2011年には1171億円に達すると予測している。
東京ゲームショウはコンピュータエンターテインメント協会主催で開催される、日本最大規模のコンピュータゲームをはじめとするコンピュータエンタテイメントの総合展示会。毎年9月頃に開催され、1996年の第1回開催以来、毎年大勢の来場者を集めている。
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