相手のマークをかわしてパスを出す三都主=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスMF三都主アレサンドロ(33)が「1人7役」の万能性でチームを救う。MFダニルソンとMF中村の出場停止で18日の横浜M戦(瑞穂陸)では中盤での出場が有力。チームは愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで練習を行い、三都主は若手主体で臨んだ練習試合に前半45分間出場し、週末に備えた。
火の車と化した台所事情を、百戦錬磨のベテランが救う。練習試合で45分間の“予行演習”を終え、三都主が横浜M戦へ臨戦態勢を整えた。
「アンカーかダブルボランチになるかは分からないけれど、準備はできている。1人で守る訳じゃない。コンパクトに戦えば自分の負担も減るし、今は前線も守備に貢献している。みんなで穴がないように守りたい」
リーグ首位を快走するグランパスだが、出場停止の2人に負傷離脱中の吉村を加えて中盤の守備的な3選手が不在の緊急事態。夏以降はサイド起用が続いた三都主だが、中盤のポジションで5月24日の鹿島戦以来、リーグ戦11試合ぶりの先発出場が有力だ。
今季も序盤はアンカーを務めた。1人で何役もこなせる万能性は貴重なもの。サイドを主戦場に、キャリアを重ねるごとに引き出しを増やし、今やJ有数の“ポリバレント”な選手となった。
「右サイド以外はほとんどやった。ウイングから始まってウイングバックにサイドバック、ボランチ、アンカー、FWも…」。指折り数えたポジションは7つに上る。その上で「ただ(ポジションを)やれるだけじゃなく、結果を出すことが大事」と力を込めた。
2位以下と勝ち点7差。独走状態を築きつつあるが、「上位との直接対決も残っているし、甘いモノじゃない。(負けて)4差になれば、差はないようなもの」と三都主。「この7差を保っていくことが大事。どれだけ大事にできるか」と一戦必勝に全力を注ぐ。 (塚田陽一郎)
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